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ソニー・ミュージックは、マイケル・ジャクソンの死後にリリースされた音源の一部が「偽物」であると認めたと報じられたことについて現地時間8月24日に『ヴァラエティ』紙に声明を発表している。

ソニー・ミュージックは、マイケル・ジャクソンが亡くなった翌年の2010年にリリースした『マイケル』に収録されている3曲について、実際はマイケル・ジャクソンによる作品ではなく、声色の似た人物によるものではないかとして訴えられている。

問題となっているのは“Breaking News”、“Monster”、“Keep Your Head Up”の3曲で、これらの楽曲についてはマイケル・ジャクソンが亡くなる前年にレコーディングされたものだと説明されている。彼の死後にソニー・ミュージックによって最初にリリースされたアルバムである『マイケル』は、リリースの初週に8万5,000枚を売り上げ、全米アルバム・チャートでは3位を記録している。

しかしながら、ファンの1人であるヴェラ・セロヴァという女性は2014年に、ソニー・ミュージックやマイケル・ジャクソン財団 (エステート)、当該の楽曲をソニー・ミュージックに売却したとされるアンジェリクソン・プロダクションを運営するエディー・キャシオを相手取って代表訴訟を起こしている。

ヴェラ・セロヴァは法医学者である聴覚訓練士のジョージ・パップカンを雇い、マイケル・ジャクソンの声とレコーディングされた歌声を比較してもらったという。『ザ・ミラー』紙によれば、ジョージ・パップカンはレコーディングされた歌声について「マイケル・ジャクソンのものでない可能性がかなり高い」と結論づけているという。

ソニー・ミュージックは先週、アメリカで行われた裁判の中で、自分たちは楽曲を巡る訴訟の被告になるべきではないと主張している。ソニー・ミュージックはその日、仮に問題となっている楽曲のメイン・シンガーがマイケル・ジャクソンでなかったところで、マイケル・ジャクソンの名義で音楽をリリースことは問題ではないはずだと主張している。

その後、問題の楽曲について「偽物」であることを認めたとして一斉にメディアで報じられることとなったソニー・ミュージックだが、今回、声明を発表してこの報道に反論している。ソニー・ミュージックは『ヴァラエティー』紙に寄せた声明の中で次のように述べている。「マイケル・ジャクソンがこれらの楽曲を歌っていないとは誰も認めておりません」

声明には次のように続いている。「火曜日(現地時間8月21日)に行われた口頭審理は、ソニー・ミュージックやマイケル・ジャクソン財団が(表現の自由が定められている)アメリカ合衆国憲法修正第1条による保護の範囲内なのか否かについて行われたものであり、レコーディングされた声が誰のものであったかという問題については裁定されていません」

『ヴァラエティ』紙は次のように報じている。「今回の事情に詳しい情報筋によれば、火曜日の口頭審理に出席した人々が、ジャクソン財団の弁護士による『もしも歌声がジャクソン氏のものでなかったとしても』という答弁の一部を切り取ったのだという。情報筋は、弁護士があくまで過程として語っていたことを強調している」

裁判所に提出された文書によれば、ソニー・ミュージックはこれらの楽曲について、エディー・キャシオが運営するアンジェリクソン・プロダクションと、当該の楽曲の共作者とされるジェイムス・ポルテによって誠意を持って提供されたものだと述べているという。

しかしながら、『マイケル』はリリース時にもその歌声の持ち主の信憑性について物議をかもしていたと『ガーディアン』紙は報じている。マイケル・ジャクソンが所属していたソニー・ミュージック傘下のエピック・レコードは当時、楽曲の信憑性について「完全なる自信を持っている」としていた一方で、「TMZ」によればマイケル・ジャクソンの姉であるラトーヤ・ジャクソンは「マイケルの声には聴こえない」と語っていたという。

マイケル・ジャクソンの自伝『メイキング・マイケル:インサイド・ザ・キャリア・オブ・マイケル・ジャクソン』の著者であるマイク・スモールクームもまた、楽曲の正当性について懐疑の目を向けている。「あの3曲は直ちにアルバムから削除される必要があり、遺産管理団体の執行人たちは辞職するべきでしょう」とマイク・スモールクームは主張している。

ヴェラ・セロヴァの弁護士を務めるレイ・ギャロは、依頼人について金銭が目的ではないと述べている。「人生を通じてマイケル・ジャクソンのファンであった彼女は、マイケル・ジャクソンの遺産を守る必要があると心から感じているのです……同僚たちや私は、今回のケースのような不正に立ち向かう消費者の案件を請け負い、消費者市場に誠実さと信頼性をもたらす手伝いができることをいつも光栄に感じています」

マイケル・ジャクソンは一連の復活ライヴを控えていた中で2009年に亡くなっている。ソニー・ミュージックはマイケル・ジャクソンが亡くなった数日後に追悼の声明を発表しており、彼について「彼の世代における素晴らしい詩人であり、音楽に時代の情熱と独創性を反映した天才」と称している。

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