Pooneh Ghana/NME

Photo: Pooneh Ghana/NME

ザ・ストロークスのギタリストであるアルバート・ハモンド・ジュニアは、まだバンド・メンバーが自身に「怒って」いるかは分からないとしながらも、自身の薬物中毒がいかにしてバンドの夢を「台無しにして」しまったかについて語っている。

アルバート・ハモンド・ジュニアのコメントはリジー・グッドマンによる新たな書籍『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム:リバース・アンド・ロックンロール・イン・ニューヨーク・シティ、2001- 2011(原題)』に掲載されている。同書は2000年代におけるザ・ストロークスやザ・ヤー・ヤー・ヤーズ、LCDサウンドシステム、インターポール、ヴァンパイア・ウィークエンドといったニューヨークのインディ・バンドの隆盛を描いたものとなっている。

本書内では、ザ・ストロークスのバンド・メンバーがライアン・アダムスについてアルバート・ハモンド・ジュニアの過去のヘロイン中毒に「悪影響」を与えたと語っているほか、ザ・キラーズとのライバル関係についても言及している。

アルバート・ハモンド・ジュニアは本書内で、薬物中毒が深刻化していくにつれてバンドにいる楽しさが失われていったことを明かしている。「楽しいと思えなくなってしまったのは、2006年発表の『ファースト・インプレッション・オブ・アース』のレコーディングの時が初めてだったと思う。あの頃から、すべての物事が下降の一途をたどり始めたんだ。友達やガールフレンド、知らない人たちまでもがやってきては言うんだ。『君たちはもっとビッグになってもおかしくないよ』ってね。僕は『そうだね。僕たちはもっとビッグでいてもいいはずだよね』って感じでさ。僕たちの関係は強固で密接なものだったけど、周りからの重圧に立ち向かうほど密接じゃなかったし、強固なものでもなかったんだ」

「3枚目のアルバムのレコーディング中は悲しみに苛まれてたんだ」とアルバート・ハモンド・ジュニアは続けて述べている。「僕は負のスパイラルの中にいたんだ。僕らは2009年にまた集まって『アングルズ』を書き始めたんだけど、僕は6月、7月、8月って落ちるところまで落ちていったんだ。みんながレコーディングのために郊外の僕の家に来ていたんだけど、僕はそれにウンザリだったんだ。みんな気づいてたんだよね、『おいおい、アルバートがマジでハイになってるぞ』って。それから2日くらいした後にまたやって来て、『絶対(リハビリに)通ったほうがいいよ』って言うんだ。みんなじゃなかったかな。ジュリアン(・カサブランカス)は来なかったと思う。僕の母親もいてさ、僕が3か月リハビリに通えば許してくれるっていう選択肢しかなかったから、僕はそれに従ったんだ」

「申し訳ないけど、僕はみんなの夢を台無しにしてしまったんだ」とアルバート・ハモンド・ジュニアは綴っている。「みんながまだ僕に怒っているかは分からないけど」

ザ・ストロークスは現在、ニュー・アルバムに取り組んでいると見られている。ザ・ストロークスは2013年発表の『カムダウン・マシーン』以来、フル・アルバムはリリースしていない。

「新作についてはまさに取り組んでいるところなんだ」と昨年10月にベーシストのニコライ・フレイチュアは『NME』に語っている。「今じゃみんなも分かっている通り。締切は僕らの得意とするところじゃないからね。それにサプライズとか期待感のようなものも新曲のリリースする時の騒ぎの一部ではまだあるわけだからさ」

ギタリストのニック・ヴァレンシもザ・ストロークスがニュー・アルバムの制作中であることをみとめている。「今はニューヨークにいて、ニューヨークにあるスタジオで作業してるんだ」

「今からたくさん言いだすと、みんながあまりに興奮しすぎちゃうだろ。そしたら、ハイプと張り合わなきゃいけなくなるわけでさ。それは楽しくないからね」

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