スポティファイは、レディオヘッドの最新作『ア・ムーン・シェイプト・プール』について課金者だけで利用可能にする初めてのアルバムにすることをバンドと交渉していたことを明かしている。
2008年からサービスをスタートさせたスポティファイだが、無料会員も有料会員もすべての音楽を利用できることを強調しており、無料会員は広告が表示されるのに対し、有料会員は広告の表示なくサービスを利用できる。
しかし、無料会員を持たないアップル・ミュージックやタイダルがアーティストに対して友好的なサービスとして自らを位置づけていることから、スポティファイはライバル・サービスだけでいくつかの大きなリリースが展開するのを見ることになっている。『ア・ムーン・シェイプト・プール』は5月8日にアップル・ミュージックとタイダルで配信されたのに対し、スポティファイではCDやアナログ盤といったフィジカルのリリースと同じ、6月17日より配信がスタートする。
しかし、スポティファイは有料会員の特典としていくつかのアルバムを有料会員だけに提供するモデルに喜んで変えようとしていることが明らかになっている。スポティファイのポリシー担当のジョナサン・プリンスは、レディオヘッドの『ア・ムーン・シェイプト・プール』について有料会員だけが利用できる最初のアルバムにすることを交渉していたと語っている。
ジョナサン・プリンスは「ミュージック・アリー」に次のように語っている。「無料会員と有料会員に対してよりよい体験を生み出し、アーティストとレーベルの両方の価値を最大化するための新たな方法を我々は探しています。我々はレディオヘッドの最新作のリリースと同時に、様々な方法を追求してみたのです」
しかし、スポティファイは『ア・ムーン・シェイプト・プール』のリリースに間に合わせる形で無料会員と有料会員を正しく区分することを技術的に実現することができなかったようだ。ジョナサン・プリンスはこう語っている。「最終的にアルバムのリリースに間に合わせる形でこの方法を提供するのは難しいと判断しました」
しかし、スポティファイは今後同様の契約を検討していくと強調している。「革新的なリリース戦略を追求し続けていき、今後数ヶ月で関連のテストをやっていく予定です」
テイラー・スウィフトは2014年にスポティファイから自身の音源を引き上げており、アデルは『21』と『25』についてスポティファイでの利用を許可していない。アデルのマネージャーであるジョナサン・ディッケンスは2014年にこう語っている。「僕にとっては、有料会員は現役のレコード購入者なんだ。テイラー・スウィフトをめぐる状況を見てると、スポティファイは無料会員も利用できるよりも、有料会員しか利用できない道もあると思うけどね。でも、彼らはそうしようとしないんだ」
さらにレディオヘッドの2007年発表のアルバム『イン・レインボウズ』もスポティファイで利用可能になったことも発表されており、バンドのすべてのカタログがスポティファイで利用できることになるという。
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