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ニルヴァーナのカート・コバーンの娘であるフランシス・ビーン・コバーンはカート・コバーンの死から30年を迎えたことを受けてソーシャル・メディアに投稿を行っている。

フランシス・ビーン・コバーンはインスタグラムに父親であるカート・コバーンの一連の写真を投稿して、その死が彼女の人生を通した与えた影響について言及している。

80年代末からニルヴァーナのフロントマンとして注目を浴びることになったカート・コバーンは90年代のグランジ・シーンを代表する象徴的な人物となっている。カート・コバーンは1994年4月5日に自殺で亡くなっており、コートニー・ラヴとの娘であるフランシス・ビーン・コバーンは当時わずか1歳だった。

今回、カート・コバーンの死から30年を迎えたことを受けて、現在31歳のフランシス・ビーン・コバーンは父親に追悼の意を表して、父のことを「覚えていたらよかったのに」と述べている。

「30年前、父の人生が終わりました」とフランシス・ビーン・コバーンは述べている。投稿された写真にはR.E.M.のマイケル・スタイプが撮影したカート・コバーンの手の写真も含まれている。「2枚目と3枚目の写真は生前最後に一緒にいた時の写真です。父の母であるウェンディはよく私の手を頬に押し当てて、安らかな悲しみと共に『あなたは彼の手を持っている』と言っていました。止まった時の中で彼を少し抱き寄せられる唯一の機会かのように、彼女はそれを漏らすまいとしてました。どこにいようと、彼女が父の手を握っていてくれればと思います」

フランシス・ビーン・コバーンは次のように続けている。「この30年間、喪失をめぐる私の考え方は変容の連続でした。意識のある限り悲しみにくれてきた中で学んだ最大の教訓は、それがすべきことであるということでした。生と死、痛みと喜び、陰と陽という二元性においては互いが存在することが必要であり、でなければ意味をなしません。人の存在の無常さこそが本当に真の人生における深淵へと導いてくれます。愛の意識へと向かう動機において、すべてのものは終わることを知る以上のものはありません」

「父のことを覚えていたらよかったのに。その声の抑揚、どれだけコーヒーを好きだったか、寝る時に絵本を読んでもらった後に寝ている感じを知りたかった。蒸し暑いワシントン州の夏に父は私と一緒にオタマジャクシを捕まえてくれただろうか、キャメルライトやストロベリー味のネスクイック(父のお気に入りだったと聞いています)の香りがしただろうか、といつも考えていました」

「一方で、人生がどれだけかけがえのないものかを理解する上で近道と言える深い知恵があるとも言えます。彼は誰かを失うという生きた経験を通じてのみ得られる死の教訓を授けてくれました。思いやりと優しさをもって、心を開いて自分自身と周囲の人々を愛するとき、私たちのこの時間はより意義深いものになると分からせてくれたことは恩恵でした」

フランシス・ビーン・コバーンは父親が子供だった頃の写真も投稿しており、父親が彼女が生まれる前に書いた手紙に触れて、投稿を次のように締めくくっている。「手紙の最後の行には『君がどこに行こうと、私がどこに行こうと、私は君と共にある』と書かれていました。彼はこの約束を守り続けています。いろんな形で彼は存在しているからです。曲を聴いたり、その似た手を通して、その瞬間、私は父と少しの時間を過ごすことができ、超越的な感じがします。亡くした人たちとともに生きることはどんな感じだっただろうかと考えたことのある人たちへ、今日はみなさんのことを思っています。私たちの悲しみが意味するものは同じなのです」

フランシス・ビーン・コバーンは父親とともに育つ機会は逸したけれど、両親と同様に自身の人生においてアーティスティックな道を進んでおり、アーティストやフォトグラファーとして作品をソーシャル・メディアで公開してきたほか、ミュージシャンとしての活動も行っている。ミュージシャンとしてはアコースティック・ギターを弾いて、自身の曲を歌う動画を投稿しており、父親に捧げて書かれた“Angel”という楽曲も存在している。

「もしも彼が私の作品を好きじゃなかったとしても、今の私という人間を誇りに思ってくれていることを願うわ。私が人生で他の人に望むのはそれだけよ」とフランシス・ビーン・コバーンは2018年のインタヴューで語っている。「私はミュージシャンですとか、ヴィジュアル・アーティストですっていう風には自分を分類したくないの。私の芸術にはあらゆるものが含まれていて、それぞれが互いに繋がっているから」

昨年、フランシス・ビーン・コバーンは伝説的スケートボーダーのトニー・ホークの息子であるライリー・ホークと結婚したことが明らかになっている。

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