アイズレー・ブラザーズの結成メンバーであるルドルフ・アイズレーが亡くなった。享年84歳だった。
アイズレー・ブラザーズはソーシャル・メディアで訃報を発表している。「天国は新たな天使を得ることになりました。重い心境ですが、愛するブラザーであるルドルフ・アイズレーが亡くなったことを発表します。この深い悲しみを乗り越えるにあたり今の大変な時期は家族のプライバシーについて御理解いただき、御配慮いただければと思います。愛する人を近くにいさせることを忘れないでください。兄弟のことが惜しまれますが、彼がよりよい場所にいることを私たちは分かっています。心の中に永遠に」
ルドルフ・アイズレーの訃報についてはロナルド・アイズレーも米『ローリング・ストーン』誌の取材を受けており、娘が『ピッチフォーク』に声明を発表している。娘はルドルフ・アイズレーが現地時間10月11日に「寝ながら穏やかに」亡くなったことを明かしている。
ロナルド・アイズレーは米『ローリング・ストーン』誌に次のように語っている。「兄弟に抱いていた感情と愛を表現する言葉がありません。家族は彼を惜しむことになるでしょう。でも、彼がよりよい場所にいることを分かっています」
ルドルフ・アイズレーの娘は代理人のブライアン・D・カプランを通じて『ピッチフォーク』に次のように語っている。「世界的に有名なアイズレー・ブラザーズの結成メンバーであるルドルフ・アイズレーは2023年10月11日の朝に寝ながら穏やかに亡くなりました。彼は自宅で献身的な妻のエレインのそばで亡くなりました。2人は68年の結婚生活を送ってきました。ルドルフは神を愛する信心深い人でした」
アイズレー・ブラザーズは1954年にルドルフ・アイズレー、ロナルド・アイズレー、ヴァーノン・アイズレー、オーケリー・アイズレーの兄弟によって結成されている。翌年、ヴァーノン・アイズレーは交通事故で亡くなり、ロナルド・アイズレーをリード・ヴォーカルとする3人組で活動していた。
1959年、アイズレー・ブラザーズはヒット曲“Shout”をリリースし、彼らにとって最大のヒットとなっている。アイズレー・ブラザーズは若きジミ・ヘンドリックスが参加したことで知られる“Testify”もリリースしている。ジミ・ヘンドリックスは1964年から1965年までバンドのリード・ギターを担当していた。
オーケリー・アイズレーは1986年にガンとの闘病の末に心臓発作で亡くなっている。オーケリー・アイズレーの死後、ルドルフ・アイズレーはバンドと音楽業界全体から離れ、クリスチャンの牧師となっている。ルドルフ・アイズレーは時折アイズレー・ブラザーズに参加したが、1992年にロックの殿堂入りを果たした時も参加していなかった。
今年に入ってからはルドルフ・アイズレーはアイズレー・ブラザーズの名義を巡ってロナルド・アイズレーと法廷闘争を行うことにもなっていた。ルドルフ・アイズレーはロナルド・アイズレーが「アイズレー・ブラザーズ」という名前を個人で商標登録しようとしたことを不当だとしていて非難していた。ルドルフ・アイズレーはそれぞれ平等に権利の半分を所有すべきだと考えていた。
2021年、ロナルド・アイズレーは「アイズレー・ブラザーズ」という商標の独占権を求める申請書を米国特許商標庁に送っている。2022年8月にそれは正式に登録されており、ルドルフ・アイズレーはすべての会計処理と、アイズレー・ブラザーズの名前から得た収益の50パーセントに相当する支払いを求めて、ロナルド・アイズレーを訴えていた。ロナルド・アイズレーはは訴えの棄却を申し立てたが、トーマス・M・ダーキン判事はこれを却下している。
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