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ボブ・ディランは貴重なインタヴューの中でエミネムとウータン・クランのファンだとして他のミュージシャンも含めて賛辞を寄せている。

現地時間12月19日に公開された『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙のインタヴューでボブ・ディランはテクノロジーとストリーミングの台頭や好きなテレビ番組など、様々なトピックについて語っている。新しい音楽をどうやって物色しているのかと訊かれると、ボブ・ディランは「多くは偶然」だとした上で、最近聴いている20組以上のミュージシャンを挙げている。

その中にはボブ・ディランが「ファン」だと言うエミネムとウータン・クランも含まれている。ボブ・ディランは2人の「言葉と言語の感覚」に賛辞を寄せ、「自分のヴィジョンと似ている人なら誰でも」楽しめると語っている。ボブ・ディランはロイヤル・ブラッド、セレステ、レナード・コーエン、ラグンボーン・マン、ニック・ケイヴの名前も挙げている。

ボブ・ディランは2001年の『タイム』誌のインタヴューでもエミネムに言及している。ボブ・ディランはエミネムの音楽をそんなに聴いたことがないものの、「正しいことをやっている」と語っていた。「物議を醸しているということは、その人が正しいことをやっているんじゃないかという感じのところがあるんだ」

先述のアーティストに加えてボブ・ディランは「あまり知られていないアーティスト」にも言及して、1940年代から1960年代に活動したビッグ・バンドのリーダーだったタイニー・ヒル、サックス奏者のテディ・エドワーズ、ギタリストのテディ・バンも聴いていると語っている。ボブ・ディランはエラ・フィッツジェラルド、ブレンダ・リー、ジャニス・マーティンといった名前も挙げており、ジャニス・マーティンについては「女版エルヴィス」だと語っている。

これまでに観たライヴとしてはメタリカの2公演、オアシスとクラクソンズのライヴをボブ・ディランは挙げている。ボブ・ディランはジャック・ホワイトとアークティック・モンキーズのフロントマンであるアレックス・ターナーを観に行くために「特別な手はず」をしたこともあると明かしている。ボブ・ディランはリンゴ・スターについても「悪いシンガーではなく、素晴らしいミュージシャン」だとして、ハンス・ジマーのような作曲家は「新しい種類のスーパースター」と語っている。

ボブ・ディランは好きなジャンルについては「いろんなものを聴いている」としながら、カントリー・ブルース、ウェスタン・スウィング、ヒルビリー、ブルーグラスといったジャンルを挙げている。「音楽の歴史家はそれらをすべてミックスしたものをロックンロールと呼ぶだろうね。それが自分の好きなジャンルなんだろうね」

ボブ・ディランは今日の音楽にストリーミング・サービスやソーシャル・メディアが与えている影響について音楽へのアクセスが容易なことによって「最近はどれもが酷似している」と語っている。「あまりにも簡単過ぎるんだよ。薬指と中指のストローク、ちょっとしたクリック、それですべてことが足りる。イージー過ぎて、あまりにも民主的だよね」

ボブ・ディランは新刊『モダン・ソングの哲学』が刊行されたことを受けてインタヴューを受けている。ボブ・ディランの新刊を刊行した大手出版社のサイモン&シュスターはサイン本が機械を使って人のサインを自動的に再現するオートペンのシステムを使ったものであることを認めている。ボブ・ディランと出版社は共に謝罪して、ボブ・ディランは「判断ミスだった」と述べている。

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