Derek Bremner/NME

Photo: Derek Bremner/NME

いよいよ8月に入って、今年は誰のサマーチューンが席巻するかの勝負の行方が見えてきつつある。チャンス・ザ・ラッパーが“All Night”で王座に就くか? それともドレイクの“One Dance”が蒸し暑い夜の続く中でクラブを満員にし続けるのだろうか? まだ確かなことは言えないが、あなたが好むと好まざるとにかかわらず、毎年その夏を代表する曲がある。夏のリゾート地でのイタい思い出が脳裏によみがえる過去10年分のサマーチューンがこちらだ。

2006年 ザ・フラテリス “Chelsea Dagger”


ザ・フラテリスの“Chelsea Dagger”は、サッカーのチャントとして有名になる前は、2006年のサマーチューンとして知られていた。この曲はフェスティバルのシーンを席巻し、その翌年には、バンドはグラストンベリー・フェスティバルの目玉として出演を依頼されたり、T・イン・ザ・パークでヘッドライナーを務めたりするまでになっている。ノスタルジーを感じた人は、彼らがアルバム『コステロ・ミュージック』を全編演奏するライヴをUKで今年予定しているのでお知らせしておこう。

2007年 リアーナ “Umbrella”


リアーナの2007年のヒット曲は、UKで10週連続1位になるなど、世界各地でチャート上位にランクインした。この曲のヒットと時を同じくして、2007年の6月と7月にはイギリスは記録的な豪雨に見舞われ、大規模な洪水に苦しんでいた。歌詞にある通り、イギリスでは「アンブレラ」が必要だったのだ。

2008年 ノア・アンド・ザ・ホエール “Five Years Time”

https://www.youtube.com/watch?v=T8YCSJpF4g4
この曲が2007年10月にリリースされた当初はチャートインが叶わなかったものの、夏のお天気がこの曲のヒットに大切な要素をもたらしてくれた。そして、気付いた時にはティーンエイジャーは皆、ママやパパにインターネット通販でウクレレをおねだりしていた。

2009年 ディジー・ラスカル “Bonkers”


ディジー・ラスカルは、2009年のアルバム『タン・アンド・チーク』や、“Dance Wiv Me”、“Holiday”、“Dirtee Disco”といったヒット・シングルのおかげもあってグライム・アーティストからの脱却に成功した。彼が最も成功を収めたのはアーマンド・ヴァン・ヘルデンとコラボレーションしたこの曲“Bonkers”で、ディジー・ラスカルのリリックがダンスフロアを沸かせることになった。

2010年 ケイティ・ペリー “California Gurls”


ピンク色の雲の上でくつろぐ裸のケイティ・ペリーに、ちょっと滑稽な格好のスヌープ・ドッグがカメオ出演するファンタジックなミュージック・ビデオのおかげで、この2010年のヒット曲は570万枚以上を売り上げ、アメリカ音楽史上に残る記録的な売り上げのシングルの1つとなった。

2011年 ゴティエ “Somebody That I Used To Know”


そう、皆さんご存じのこの曲だ。どう考えても2011年のベスト・ソングではないだろうが、好き嫌いは別にしても、“Somebody That I Used To Know”がこの夏に大流行したことは間違いない。

2012年 カーリー・レイ・ジェプセン “Call Me Maybe”


少しイラッとくる“Call Me Maybe”を2012年にリリースしたことで、カーリー・レイ・ジェプセンは目新しいポップスターとしてカテゴライズされる運命となった。あれから4年が経ち、カーリー・レイ・ジェプセンの楽曲は大幅に成熟している――しかし、このメガ・ヒットがなければ今の彼女はいないはずだ。

2013年 ダフト・パンク “Get Lucky”


2013年の夏はヒット・シングルのリリース(ディスクロージャーの“Latch”やロビン・シックの“Blurred Lines”)が多数あったが、得体の知れないフランス人デュオがこのサマーチューンで2013年を席巻した。ナイル・ロジャースをギターに、ファレル・ウィリアムスをヴォーカルに迎えて、ダフト・パンクは“Get Lucky”を相応しい名曲に仕上げ、そして実際に大ヒットさせた。この曲はイギリスだけで140万枚以上のセールスを成し遂げている。

2014年 ファレル・ウィリアムス “Happy”


“Get Lucky”がヒットした翌年、ファレル・ウィリアムスが自身の名義で生み出したヒット曲が、この史上最も人畜無害な楽曲“Happy”だ。この曲がリリースされたのは真冬の2013年12月だが、夏の日差しが眩しい各所のフェスティバルで本領を発揮した。

2015年 マーク・ロンソン “Uptown Funk”


この曲も間違った時期(2014年11月)にリリースされたものだが、その翌年の夏にはメガ・ヒットとなった。YouTubeの視聴回数は10億回を優に超えており、マーク・ロンソンとブルーノ・マーズがこのファンキーなヒット曲で2015年の夏を席巻したことは紛れもない事実だ。

チャンス・ザ・ラッパーの“All Night”はこちらから。

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