愛することはまるで1箱のチョコレートのようだ。本当に欲しいたった1つを探し続け、他をメチャクチャにしてしまう。幸運なことに、これから紹介するアーティストたちは自身の心を開き、ロマンスにあふれる瞬間を誰よりも詩的に表現した曲を書いた。真にすばらしいラヴソングとは心と魂からアドレナリンが吹き出すような曲で、ノスタルジックな気分や心の痛み、特別な誰かと一緒に過ごす時間を想像させることができる。では、歯が浮くような言葉はこれくらいにして、『NME』が選ぶ究極のラヴソング30曲を紹介しよう。
デヴィッド・ボウイ “Heroes”
1977年
デヴィッド・ボウイが亡くなったあとストリーム配信で一番多く聴かれた曲であり、我々全員がヒーローという存在を作り出せるという、恋愛の救いの一面を描いた壮大な賛歌だ。この曲は、「ベルリン三部作」を構成するアルバム『ヒーローズ』に収録されている。
感傷的なポイント:デヴィッド・ボウイが歌い終える、3分半に至るすべて。
ブライト・アイズ “First Day of My Life”
2005年
愛らしい心情を乗せたアコースティック・ソングで、特別な誰かに出会ったその日に本当の人生が始まる、と歌っている。
感傷的なポイント:「I think maybe this time it’s different, I mean I really think you like me.(今回こそは違う気がする。つまり、君が僕のことを好きなんじゃないかって本当に思うんだ)」
エドワード・シャープ・アンド・ザ・マグネクティック・ゼロズ “Home”
2009年
このインディーズ・フォーク・ソングをデュエットしたのは、当時恋仲にあったアレックス・エバートとジェイド・カストリノスで、「Home is wherever I’m with you.(故郷とはどこにせよあなたと一緒にいられる場所)」という印象に残る一節を残している。
感傷的なポイント:病院に行った時のことを話している語り部分。いや、本当に。
エルヴィス・コステロ “Alison”
1977年
歌詞を読むかぎり、この曲の主人公は結婚してしまった(かなりほろ苦い思い出の)昔の恋人のことを見つめているようだ。エルヴィス・コステロが語ったところによると、この曲は、彼がスーパーマーケットで働いていた魅力的な女性を見つけ、彼女の人生を想像したことで生まれたという。
感傷的なポイント:「I heard you let that little friend of mine take off your party dress.(噂で聞いたよ。僕の友人がパーティーのあとで君と寝たってね)」
オアシス “She’s Electric”
1995年
男女が出会い、彼らは恋に落ちる。男のほうは彼女の母親にかなり惹かれたようだ。
感傷的なポイント:「I’ll be you and you’ll be me / There’s lots and lots for us to see.(僕は君になって君は僕になる/まだまだ見るべきものがたくさんあるんだ)」
パルプ “Disco 2000”
1995年
ジャーヴィス・コッカーはひそかに恋い焦がれていた幼い頃の友人にセレナーデを歌っている。精神医療従事者として大英帝国勲章を受章したデボラ・ボーン(実際、彼らは幼馴染だ)のことを書いた曲で、彼女が亡くなる前年の50歳の誕生日パーティーでも歌われた。
感傷的なポイント:熱を帯びた最後のコーラス。
ビーチ・ボーイズ “God Only Knows”
1966年
他のメンバーが日本でツアーをしている間にブライアン・ウィルソンが書いた曲で、アメリカではラジオ局やレコード店が神の名前を乱用することに慎重になり、レコードのB面としてリリースされた。
感傷的なポイント:最後に全員のヴォーカルが厳かにオーバーラップする部分。
ザ・ビートルズ “Yesterday”
1965年
ポール・マッカートニーが後悔しているように、ザ・ビートルズによる最も悲しいラヴソングだ。彼は失言してしまったようで、歌詞にはこうある。「I said something wrong, now I long for yesterday(僕は間違ったことを言ってしまった。そして今こうして昨日に焦がれている)」
感傷的なポイント:ポール・マッカートニーの心からの和解の気持ち。だが、彼には申し訳ないが、終わってしまったのだ。
ザ・ホワイト・ストライプス “Fell In Love With a Girl”
2001年
夢中になっている相手と付き合うことになったティーンエイジャー特有の興奮状態が、このめまいのするようなガレージ・ロックの曲に詰まっていて、まるで心にガツンとくる食品添加物のようだ。
感傷的なポイント:騒がしいリフに乗るメグ・ホワイトのいい加減な「Ahh-ah-ah-ahhhh」というバックコーラス。
ヤー・ヤー・ヤーズ “Maps”
2003年
ヴォーカルのカレンOはビデオの中で泣いているが、その涙が本物だったと彼女はのちに『NME』に語っている。「当時の私のボーイフレンド(ライアーズのアンガス・アンドリュー)は撮影に来るはずだったのに、3時間も遅れて、私はもうツアーに出発しなきゃいけなかった」
感傷的なポイント:「Wait… they don’t love you like I love you.(待って……彼女たちは私が愛するようにはあなたを愛せないわ)」
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