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NME Japanでは今年のサマーソニック幕張会場&ソニックマニアでベスト・アクトの1~20位を選んでみました。とはいっても、多くのアーティストが出演するサマーソニック&ソニックマニアです。すべてのアーティストを観ることはできません。なので、観られた範囲の中で、あくまで独断で、編集部で観たいと思ったアーティストのなかから、議論を重ねて、このランキングを作成してみました。みなさんのベスト・アクトとぜひ較べてみてください。

20位 ザ・スナッツ(8/20 SONIC STAGE)

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目下の最新シングル“Gloria”から始まったライヴはUKのギター・ミュージックの系譜を受け継ぐ存在として、その非凡さを存分に見せつけてくれるものだった。最初は演奏のほうが大丈夫なのかと少し不安に思ったところもあったのだけど、ドラムとベースのリズム隊もしっかりとしていて、2曲目の“Seasons”では早くも勢いを増していく。“Maybe California”のコーラスも機能しているし、2000年代のアークティック・モンキーズやカサビアンのエッセンスも取り入れながら、由緒正しきギター・ロックを披露してくれる。サマーソニック後にリリースされることになった新曲“Dreams”も披露しつつ、そこからは昨年リリースされたセカンド・アルバムからの曲が続いていく。このアルバムを最後にメジャーとの契約を更新しなかった彼らだが、とにかく曲は書けるバンドなので、我が道を行きたいということなのだろう。2枚のアルバムを経ても消費されきってない才能の奥行きを感じたライヴだった。

19位 シャイガール(8/18 PACIFIC STAGE)

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目下の最新作『ニンフ』はシャイガールというアーティストの繊細な一面にフォーカスし、よりウィスパー・ヴォイスが使用されることが多かった。なので、ライヴという場になった時はどんな形になるかと思っていたのだけど、“Woe”や“Shlut”といった序盤から彼女の世界観は変わることはなかった。いずれも3分程度のストリーミング時代のフォーマットに則りながら、これまでにコラボレーションしてきた豪華な面々によるアーティスティックなトラックをバックに、一方的に消費されることのないダンス・ミュージックを提供するという彼女のスタイルはコロンブスの卵的なところがある。中盤で披露された“Coochie (a bedtime story)”や“Firefly”は彼女の特異性が出るものだったし、“Tasty”や“Silen”ではより観客に歓喜を届けていた。最近のライヴでは決まって最後に披露されている“BB”で紙吹雪まで出てきたのには驚いたが、トラック重視のポップ・ミュージックを担う彼女のパフォーマンスは斬新なものだった。

18位 メイジー・ピーターズ(8/20 SONIC STAGE)

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ポニーテール姿で小走りで登場したところからして初々しい。今年3月に初来日を果たしているのだけど、ようやく観ることができた。エド・シーランのレーベルから本格的なデビューを果たした彼女だが、今回のステージで最も印象的だったのは、それも納得のバランスのよさだ。ソングライティング、ストーリーテリング、パフォーマンス、プレイヤビリティ、キャラクター、このどれもが一定の基準を満たしていて、実はそういう若手アーティストというのはあまり多くない。「私の好きな色はピンクなの」と無邪気に観客に語りかけたかと思えば、“John Hughes Movie”は「17~18歳の時に書いた曲」と背景を説明してみせ、“Cate’s Brother”では「友だちの兄弟と恋愛関係になっちゃった曲なんだよね」と踏み込んでみせる。曲に入ると、盤石のバック・バンドも含めて、不安なところはまったくない。甲子園強豪のような安定感で、最後の“Lost the Breakup”は爽快な印象だった。

17位 ホリー・ハンバーストーン(8/19 SONIC STAGE)

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トゥー・ドア・シネマ・クラブの前半を観てから慌ててメッセ側に移動して、後半を観られたのが彼女だった。アメリカではビリー・アイリッシュとレーベル・メイトとなり、セカンドEPではザ・1975のマット・ヒーリーと共作するなど、ここ数年で見てもUK出身のアーティストとしては鳴り物入りでキャリアを歩んでいる彼女なのだが、自分が観た感じではそうしたイケイケな印象は受けなかった。むしろ曲は音源で証明されているようにポップなのに、そのパフォーマンスはフォーク・ミュージックのようで、いろんな意味でバズ(瞬発力・即時性)が重要視された今年のサマーソニックでは異質に映ったかもしれない。ただ、最後の“Scarlet”まで、見た目のパフォーマンスよりも、今だと一笑に付されてしまいそうな自分の実直な思いを伝えることに彼女の重点は置かれていて、そのある種の「降り方」というか、スタンスの違いには気付かされるものがあった。来たるデビュー・アルバムも含めて、なお彼女を知りたいと思わずにはいられなかった。

16位 ザ・キッド・ラロイ(8/20 MARINE STAGE)

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一躍、ジャスティン・ビーバーとのコラボレーションで時代の寵児となったオーストラリア出身の20歳はこの日のマリン・スタジアムではあくまで一人のラッパーとしての姿を見せてくれた。“I Can’t Go Back To The Way It Was (Intro)”で始まったこの日のステージだったが、“Let Her Go”を終えた時点で昨日の大阪よりもよくなるはずだと、スタンドの観客も立たせてみせる。“Diva”など、初期の楽曲も交えながら、“Thousand Miles”を挟みつつ、“Go”の前では「ジュース万歳」と盟友であるジュース・ワールドへの追悼の気持ちも忘れない。“Tell Me Why”を終えて、“Tragic”に入るところではステージを降りて、最前列の観客のハイタッチに応えながら、セキュリティに支えられながら柵の上に登って、スタジアムの視線を集めてみせる。そして、“Stay”。キャリアを大きく変えたこのヒット曲のために色眼鏡で見てしまうところもあったのだけど、パフォーマーとして真摯に観客と向き合おうとする姿が記憶に残っている。

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