BEST-ALBUMS-NME-2022-0

ここ数年が生き延びることだったとすれば、2022年は音楽が再び隆盛を極めた年だった。ライヴ、イベント、フェスティバルが完全に世界に戻ってきて、音楽は再び私たちの好きなクリエイターが意図する体験となった。すごくラウドに、間近で、対面のものとして戻ってきた。

いくつかの驚きもあった。ビヨンセやテイラー・スウィフトといったスーパースターがそれぞれ大復活のためにダンスフロアに向かい、これまでで最も躍動的な作品を生み出し、ウェット・レッグはその輝かしいデビュー作で素晴らしいヴァイブをもたらした。他にもクリエイティヴの頂点に達したアーティストがいる。ロザリアは境界を超え、フォンテインズD.C.は名作を生み出し、アークティック・モンキーズは人生最高の瞬間に踏み出した。

このランキングにはそうしたアーティストも含めて、間違いなく夢中になるであろうアーティストやまだ出会いの喜びを知らない新人たちがいる。ぜひ踏み出してほしい。

50位 ジャスト・マスタード『ハート・アンダー』


一言で言い表せば:ダンドーク出身の5人組はギター・ミュージックの限界を超える旅に出た。

ジャスト・マスタードの強力なセカンド・アルバムは夢を抱くのに完璧なレコードだろう。激しいインダストリアルなエフェクトと空間的なシンセサイザーからけたたましいサイレンまで、強烈なノイズのブレンドは聴いている間、周囲への配慮の可能性を遮断する。そうした感覚への衝撃はあることを証明し続ける。『ハート・アンダー』はノイズ・ロックの炎を絶やさなかっただけでなく、静かにこのジャンルの水準を上げてみせたのだ。

鍵となる楽曲:“I Am You”

『NME』のレヴュー:「バンドは『ハート・アンダー』について窓を降ろしてトンネルを抜けるような感覚を持ってほしいと言っていた。豊穣にして革新的なミュージシャンシップでもって彼らはよりスリリングなものを作り上げたのだ」

49位 リアム・ギャラガー『カモン・ユーノウ』


一言で言い表せば:ロックダウンの憂鬱を振り払って、俺たちの輩は解放されて、大きく生きている。

君も楽しんだだろ? 2022年の夏は僕らがフィールドへと戻り、パンデミックにまつわる制限を受けずに3年ぶりにあのフェスティバルの季節を楽しんだことで思い出されるだろう。5月にリリースされたリアム・ギャラガーのソロ3作目はその後の数ヶ月必要になった躍動的な過ごし方を示していた。反抗的でカラフルで恐れを知らないインディ・アンセムは素晴らしい時間を過ごすこと以外、何も気にしていない。

鍵となる楽曲:“Everything’s Electric”

『NME』のレヴュー:「リアム・ギャラガーが自分の名前を冠したアルバムで最も興味深く、実験的で、多様な作品だろう」

48位 ケラーニ『ブルー・ウォーター・ロード』


一言で言い表せば:汚れのない回想へと誘う秘かに自信に満ちたレコード。

ケラーニはこれまでも突出してきたヴォーカルの才能の持ち主だった。キャリアの初期には90年代や2000年代のR&Bやヒップホップ・トラックをバックになめらかに歌って、その声の官能的な魅力を魅せつけてきた。しかし、このサード・アルバムでは力強いビートを控えて、より気品のある落ち着いたアプローチで、これまで知られてきたR&Bスタイルと同じくらい優れたソフトな一面を証明してみせたのだ。

鍵となる楽曲:“Little Story”

『NME』のレヴュー:「このアルバムはケラーニが突然変異を見せている。ソフトで、力強く、それでいて過去最高なのだ」

47位 ミーガン・ザ・スタリオン『トラウマジン』


一言で言い表せば:見逃せないヒット曲に満ちた真っ当な激しさの怒りに満ちた作品。

『トラウマジン』に至るまでもミーガン・ザ・スタリオンは世間に知られたトラウマに対処しながらセクシーな女性たちに向けたゴキゲンなヒット曲を生み出してきた。彼女の最新作はそこから回り道をして、自身のアーティスト性とつらかったことについてラップをする才に光が当てられている。“Anxiety”では喪失について語り、“NDA”では憎しみを槍玉に上げ、“Not Nice”では黒人女性に対して社会が抱くであろう困惑についてラップする。それは率直で、摩擦係数の高い、優雅なもので、ミーガン・ザ・スタリオンの才能とラップの女王につく権利を証明している。

鍵となる楽曲:“NDA”

『NME』のレヴュー:「ミーガン・ザ・スタリオンはラップの女王としてその座についたばかりだが、彼女はラップ・ミュージックの永遠に続く印象を残すだろう」

46位 ビョーク『フォソーラ』


一言で言い表せば:ビョークは母国と母性に対するレイヴに影響を受けた凱歌でビョークらしさを発揮している。

私たちと同じようにロックダウンのおかげでビョークも地元に留まることなった。それによって正気を保つためにリヴィング・ルームでパーティーを行うようになり、親が不在ということもあってビョークは自身のルーツを再発見して、家族のことを扱うレイヴに影響を受けたアルバムを作ることになった。その結果、重厚かつ新鮮なサウンドとエネルギーが生まれ、『フォソーラ』はここ10年で最良のアルバムとなった。

鍵となる楽曲:“Ancestress”

『NME』のレヴュー:「こうしたフォームでこそビョークはこれまでの恩恵を受けて、先頭に立つ準備ができているように見える」

45位 ワンダーホース『カブ』


一言で言い表せば:大胆かつ内省的なソングライティングで、心をえぐるロックの核心が花開くことになった。

セックス・ピストルズの伝記映像作品『ピストル』でドラマーのポール・クックを演じたジェイコブ・スレーターだが、デッド・プリティーズのフロントマンだった頃とは一線を画している。不安はいまだありつつも、心を開いたソングライティング、ディストーションのかかったアメリカーナっぽいギター、青春の物語が極みに達している。「Do I look pretty in your pictures? / Did I fool you with a laugh(あなたの写真では僕は大丈夫? 笑みと共におどけられているかな?)」とジェイコブ・スレーターは“17”で「カミソリのような笑顔」で問いかけてみせる。長く語り継がれるソングライティングの極みであり、これから起こることへの注意喚起ともなっている。

鍵となる楽曲:“17”

『NME』のレヴュー:「『カブ』はこれまで知っていたジェイコブ・スレーターへのさよならであり、ようやくソングライターとしての彼自身になった素晴らしいお帰りでもある。今後何十年もこうしたアルバムを作ってくれることを想像できるだろう」

44位 オリヴァー・シム『ヒディアス・バスタード』


一言で言い表せば:ザ・エックス・エックスのシンガーであり、ベーシストはその見事なソロ・アルバムで自身の暗部に立ち向かっている。

オリヴァー・シムのデビュー作は並外れて勇敢で美しいものとなった。彼はここで初めてエイズに感染していることを公表した。バンドメンバーであるジェイミー・エックス・エックスがプロデュースした本作はカタルシスと驚きに満ちていて、オリヴァー・シムが痛烈な正直さで自身を受け入れる過程を追った人生を肯定する作品になっている。ブロンスキ・ビートのジミー・ソマーヴィルがバック・ヴォーカルで参加しているという事実がクィア・ポップの殿堂に彼の地位を築いている。

鍵となる楽曲:“Hideous”

『NME』のレヴュー:「その成果は美しく、感動的で、取り扱っている題材はともかく、本当に革新的だ」

43位 キャロライン『キャロライン』


一言で言い表せば:至福の忍耐と金切り声の訴えが同居するインストゥルメンタルのポスト・ロックの名作。

キャロラインはこの国の旋風において台風の目だった。ストイックなまでに我慢を強いられる内省的なアンサンブルは私たちが聴かなければならないメッセージを発する必要性と同じくらいの時間をかけてくる。ロンドンを拠点とする8人組はセルフタイトルのデビュー作でギター、木管、ブラスによる精悍なタワーを作り上げ、それは果てしない空に向かって輝かしく伸びており、完璧な瞬間に不協和音でそれを崩壊させてみせる。

鍵となる楽曲:“Dark Blue”

『NME』のレヴュー:「小さな要素まで考え抜かれている中で自発性と自由が維持されているのは脅威だ」

42位 ジェイホープ『ジャック・イン・ザ・ボックス』


一言で言い表せば:BTSのラッパーは晴れやかなペルソナから離れ、闇に身を投げだしている。

初めてソロ作品をリリースしたBTSのメンバーだったが、その後、グループは個人としての活動に注力していくことになった。ジェイホープはそれまで閉じ込められていた自分のアーティスト性を解放するのに時間をかけなかった。明るく爽やかな曲の代わりに影のある内省へと踵を返し、自身のアイデンティティ、価値観、世界全体へと疑問を投げかけ、それは否定しようのない輝かしい中毒性のある成果を生み出した。

鍵となる楽曲:“Arson”

『NME』のレヴュー:「『ジャック・イン・ザ・ボックス』は過去9年間の間に世界から知られ、愛されるようになった世界に火を点けてみせる。その灰からはこれまで以上にスリリングで一筋縄ではいかないスターが登場することになった」

41位 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『アンリミテッド・ラヴ』


一言で言い表せば:昔のならず者たちによるヤバ過ぎる再結成。

「新しいバンドかのように新鮮なんだ」とジョン・フルシアンテレッド・ホット・チリ・ペッパーズにギタリストに復帰すると発表した後の今年2月に『NME』に語った。その2ヶ月後にリリースされた通算12作目のアルバムはグランジっぽい激しいナンバー“These Are The Ways”、低く唸るヴォーカルの“Bastards Of Light”、昔ながらのインディ・アンセム“Black Summer”など、感染力のある新たなエネルギーを感じさせる。まだ2000年代初期の黄金期には戻っていないが、そう遠くはないだろう。

鍵となる楽曲:“The Heavy Wing”

『NME』のレヴュー:「通算12作目のアルバムでレッド・ホット・チリ・ペッパーズは彼らの感動的な栄光に寄り添っただけではなく、まだまだ続くことを証明した」

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