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NME Japanでは今年のサマーソニック幕張会場&ソニックマニアでベスト・アクトの1〜15位を選んでみました。とはいっても、多くのアーティストが出演するフェスティバルです。すべてのアーティストを観ることはできません。なので、あくまで独断で、編集部で観たいと思ったアーティストのなかから、議論を重ねて、このランキングを作成してみました。みなさんのベスト・アクトとぜひ較べてみてください。

15位 ザ・リンダ・リンダズ(8/20 MOUNTAIN STAGE)

SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.

Photo: SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.


ライヴは今年4月にリリースしたデビュー・アルバムのタイトル曲“Growing Up”から始まったのだが、まさに育ち盛り真っ只中の彼女たちが今しかできないパンク・ロックを鳴らしてくれたステージだった。ヴォーカルの役割は曲によってメンバーそれぞれにシェアされていくのだが、フロントの3人が楽器のネックを上下に合わせてダンスしたり、たどたどしくも懸命に日本語でMCをしたり、ロックの世界ではすっかり「死語」となった使い古された手法が彼女たちの手にかかると、その新鮮さを取り戻す。そういう彼女たちならではのキャラクターが一番発揮されているのはもちろん楽曲で、何の偏見も表面的な戦略も計算もなく、鳴らされるプリミティヴなパンク・サウンドは清々しい。ライヴの定番で音源でもリリースされたゴーゴーズの名曲“Tonite”のカヴァーも挟みつつ、最後に演奏されたのは、御存知バンド名の由来となったTHE BLUE HEARTSの“Linda Linda”のカヴァーだった。

14位 スクイッド(8/20 SONIC STAGE)

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今年のサマーソニックはエクスペリメンタル系インディ・アクトは多くなかったのだけれど、その中で気を吐いていたのがスクイッドだった。昨年5月にデビュー・アルバムをリリースした彼らだが、サウンドの鋭利さということでは屈指のアクトだったと言っていいだろう。途中からしか観られなかったのだけど、バンド・メンバー全体でアンサンブルを積み上げながら、ドラマーのオリー・ジャッジがヴォーカルも務めて、くぐもったフラットな声で物語を伝えていき、それが最後に爆発するというスタイルは一つの様式として成立していた。周りの連中が社会へと出ていく状況の中で、最後に「俺を巻き込むな」と繰り返し続ける“Paddling”、技ありなトライアングルの使い方でリズムから楽曲にドラマを与えていく“Boy Racers”、最後はライヴのクローサーとして定番となっている“Narrator”で一層に増したテンションと緊張感はこのバンドの醍醐味を伝えていた。

13位 オフスプリング(8/20 MOUNTAIN STAGE)

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まあ、もうやるべき曲は充分揃っているバンドである。なので、これだけのキャリアがあると、敢えてやらないこともあるのだけど、デクスター・ホーランドという人はそういう人じゃない。あくまで理知的で、需要と供給を念頭に置きながら、ちゃんとそれを全うしてみせる。今回もそうだった。それはサマーソニックのオーディエンスと合っていたと思う。“All I Want”から始まったライヴはヒット曲のめまぐるしいオンパレードで、無理に愛想を振りまくこともなく、淡々とやっていく。でも、“Come Out And Play”にしろ、“Original Prankster”にしろ、“Hit That”にしろ、曲自体に独自のユーモアがあるので、それがアティテュードになっている。“Self Esteem”を挟みながら、終盤にはその最高峰である“Pretty Fly”がもちろん演奏されるのだが、最後を締めるのはシリアスなメッセージが込められた“The Kids Aren’t Alright”だった。これぞオフスプリングだと思う。

12位 ビーバドゥービー(8/20 MARINE STAGE)

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ビーバドゥービーがMCをする度に客席の女子からは「カワイイ」という声が漏れていたが、それが多くのことを物語っていた。デビュー・アルバム『フェイク・イット・フラワーズ』でも、セカンド『ベイアトピア』でも90年代直系と言えるインディ・ロックを鳴らしてきた彼女だが、すごいのはちゃんとそれが彼女自身のアイデンティティと結実していて、作為性を感じさせないことだ。“Worth It”から始まったライヴは序盤で演奏された“Care”を初め、珠玉の楽曲揃いで、“Coffee”も、彼女のキャリアにおいて初期のブレイクスルーとなった“She Plays Bass”も披露されていき、“Talk”と“10:36”では最新作の世界を垣間見せてくれる。最後に演奏されたのは、この日ヘッドライナーを務めるザ・1975のマット・ヒーリーとジョージ・ダニエルが参加した“Last Day On Earth”と“Cologne”で、スタジアムというのはちょっと大きな空間だったけれど、挨拶代わりとしては充分だった。

11位 ヤングブラッド(8/21 MARINE STAGE)

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新作を追っていたファンなら分かってくれると思うのだが、今度のアルバム『ヤングブラッド』は弱い自分も見せたアルバムとなっている。なので、ちょっとシュンとしているところもあるのかなと思っていたが、初来日ということもあるのだろうか、ライヴの翌日に取材もしたのだけれど、今まで通りの彼らしさを見せてくれたライヴだった。「アリガトウ、コンニチハ」という挨拶から始まったライヴは“Strawberry Lipstick”から勢いに乗り、“The Funearl”も絶好調で、大言壮語に満ちたアーティストとして今を生きている様を見せてくれる。観客を巧みに煽るパフォーマンスはさすがで、若い世代にとってこういうアーティストの重要性を感じる。かつてはホールジーとの浮いた話もあった彼だが、やっぱりUKらしさは健在で、最後に演奏されたのはそれが色濃く出た“Loner”だった。アメリカからは生まれなかったタレントであることを物語る楽曲で、この曲で締めくくる姿がすごく素敵だった。

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