Tsukasa Miyoshi (Showcase)

Photo: Tsukasa Miyoshi (Showcase)

ロンドンのウェンブリー・アリーナを皮切りに8ヶ国22公演にわたって、今年4月にリリースした最新作『METAL RESISTANCE』のツアーを行ってきたBABYMETALが、ここ日本でツアーのファイナル公演を行った。会場となったのは、ポール・マッカートニーやザ・ローリング・ストーンズを挙げるまでもなく、数々のビッグ・アーティストが公演を行ってきた東京ドームで、9月19日と20日の2日間にわたって、各日55000人のファンが会場を埋めることとなった。

ステージは360度形式で、野球で言う一塁側、三塁側、センター方向に向かって3つの花道が伸びている。開演予定時刻の18時からしばらく経った18時21分、会場内が暗転する。これまでも動画が効果的に使用されてきたBABYMETALのライヴだが、最初に今回の2日間にわたるツアー・ファイナル公演のコンセプトが紹介される。まず、これまでリリースしてきたファースト・アルバム『BABYMETAL』とセカンド・アルバム『METAL RESISTANCE』の楽曲を、1曲も同じ楽曲を演奏することなく、2日間で全曲を披露すること、つまりセットリストが両日でまったく異なり、楽曲が重複することはないことが告知される。そして、MCやアンコールはなく、公演はノンストップで行われることも告知される。また当日、来場者に配られたコルセットを首に装着することも促される。

そして、本公演が「エピソード4」となるメッセージの後、360度の円形ステージ中央、ものすごい高さのタワーの頂上部に3人の姿が現れる。ライヴの幕開けを飾ったのは、流麗なツイン・リード・ギターに乗った最新作からの“Road of Resistance”だ。3人の手にはBABYMETALと描かれた旗が握られている。円形のステージを取り囲むように炎が上がり、コーラスでは観客によるシンガロングがこのスタジアム全体に響き渡る。気づけば、メンバーは塔を降りて円形ステージの土台部に降りてきていて、曲の最後でSU-METALは大観衆を「かかってこいよ!」と煽ってみせる。続く“ヤバッ!”ではこの円形ステージが回転式であることが明らかにされ、360度を回る形でハイテンポなダンスを披露し、3曲目となった“いいね!”ではスタジアム全体をレーザーが覆う。今回の東京ドーム公演に対して、様々な特殊効果が盛り込まれたことが紹介されていくような展開だ。

Tsukasa Miyoshi (Showcase)

Photo: Tsukasa Miyoshi (Showcase)

その歌でSU-METALがフロントマンとしての存在感を示した4曲目の“シンコペーション”を挟んで、ここからはSU-METALと、YUIMETALとMOAMETALの二人が交互にパフォーマンスを行っていく展開に。まずはSU-METALに天使の翼が生えたような光の演出で始まった“Amore – 蒼星 -”、三三七拍子のリズムと共にYUIMETALとMOAMETALが「もっともっと」と客席を湧かせた“GJ!”、神バンドの面々と共にSU-METALが回転式ステージをぐるぐると回った“悪夢の輪舞曲”、そして、歌詞にちなんでレフト側、ライト側、ホーム側に分かれてシンガロング合戦が巻き起こった“4の歌”で、さらに場内の温度は上がっていく。

フィードバックと赤の照明から始まったのは、神バンドのソロが披露されることでもお馴染みの“Catch me if you can”、メンバーはそれぞれ花道の先端から登場して、ようやく3人が揃う。この曲で印象的だったのはSU-METALが観客の呼びかけを英語で行っていたことだ。「What’s up, Tokyo」、「Are you ready, Tokyo」と自然と英語が口から出てくる。そして、ステージ上方に360度で設置されたスクリーンに「GIVE ME」の文字が映し出されば、言わずもがな“ギミチョコ!!”に突入していく。続いて“KARATE”。キャリアを代表するアンセムが立て続けに投下されて、ライヴはクライマックスへと突入していく。しかし、改めてこの日演奏された楽曲のなかでも“KARATE”は際立ったヘヴィネスを持っている曲であり、それがあそこまでキャッチーになることにBABYMETALの醍醐味を感じる。

Tsukasa Miyoshi (Showcase)

Photo: Tsukasa Miyoshi (Showcase)

この日の最後を飾ったのは“Tales of The Destinies”と“THE ONE”というセカンド・アルバム『METAL RESISTANCE』の最後を飾る2曲だ。いずれもBABYMETALの“これから”というメッセージを感じさせる曲だ。“THE ONE”のオープニングでは首につけた全員のコルセットが光り輝いて、呼吸をするようにゆっくりと点滅を繰り返す。花道先端に再び現れた3人は金色のローブに身を包んでいる。いつまでも続くかのようにも思えるこの曲の旋律に終止符を打つかのようにスモークと強烈なパイロの爆発によってライヴは終わった。

キャリア初めての東京ドーム公演となった今回、もっと情緒的な形のライヴも考えられただろう。昨今はライヴ会場や国内フェスの出演ステージをキャリアのステップアップの指標と見る向きもあり、それで言えば東京ドームは一つの「ゴール」とも言える。しかし、今回のBABYMETALの公演にはそうした雰囲気は一切なかった。MCも一切なく、キャリアの集大成的なセットリストを見せるのでもなく、2公演のセットリストに一切の被りもなかった。BABYMETALが東京ドームでこうしたライヴをできるのは、さらに「外」があるからだ。12月にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのUKツアーにスペシャル・ゲストとして出演することも決定している。わたしたちがBABYMETALにここまで熱くなれるのはだからだとも思う。

9月19日のセットリストは以下の通り。

01. Road of Resistance
02. ヤバッ!
03. いいね!
04. シンコペーション
05. Amore – 蒼星 –
06. GJ !
07. 悪夢の輪舞曲
08. 4 の歌
09. Catch me if you can
10. ギミチョコ!!
11. KARATE
12. Tales of The Destinies
13. THE ONE – English ver. –

9月20日のセットリストは以下の通り。

01. BABYMETAL DEATH
02. あわだまフィーバー
03. ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
04. META !メタ太郎
05. Sis. Anger
06. 紅月 – アカツキ –
07. おねだり大作戦
08. NO RAIN, NO RAINBOW
09. ド・キ・ド・キ☆モーニング
10. メギツネ
11. ヘドバンギャー!!
12. イジメ、ダメ、ゼッタイ

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