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亡くなったスコット・ウェイランドの元妻が心のこもった公開書簡を発表し、家族とスコットの壊れた関係について語り、ファンに対して彼の死を「悲劇として美化しない」ように訴えている。

ストーン・テンプル・パイロッツとヴェルヴェット・リヴォルヴァーのフロントマンを務めたスコット・ウェイランドは現地時間12月3日にミネソタ州のツアー・バスのなかで亡くなっている。死因についてはまだ確定していない。長年、スコット・ウェイランドは薬物中毒とアルコール依存症と闘っていた。

スコット・ウェイランドの逝去を受けて、2000年から2007年まで結婚していたメアリー・フォースバーグ・ウェイランドは公開書簡を執筆し、米『ローリング・ストーン』で発表している。

「2015年12月3日はスコット・ウェイランドが亡くなった日ではありません。一般的には彼を悼む日となるのでしょう。経済的利益やその他の楽しみのためにマイクの前に立つはずだった最後の日でもありました。わたしたちの子供であるノアとルーシーに向けられた哀悼の言葉や祈りを見て、ほんとうに感激していますし、感謝していますし、それらは慰めにもなりました。でも、真実としては、こういう子はたくさんいるのだと思いますが、彼らが父親を失ったのは何年も前のことなのです。2015年12月3日にわたしたちの子供たちが失ったのは、希望です」

メアリー・フォースバーグは「彼の素晴らしい才能を貶めるようことはするつもりはない」としながらも「社会として助長する限り、このようなことがもう一度起きることを誰かが進んで指摘しなければならない」と続けている。

「こうしたアーティストの多くは子供をもうけます。でも、子供は目に涙を浮かべながら、彼らの叫びが聞き入れられないがために、パニックを経験するのです。『何を分かれって言うんだ? 彼は子供と時間を過ごすのが大好きで、何年かドラッグも断ってたじゃないか!』とおっしゃるかもしれません。でも、みなさんが知ろうともしなかったこととして、自分の歌詞も覚えられない偏執症の男が、父親になってからの15年で数えるほどしか子供と一緒にいない、その時こそ写真に撮られているというのが事実なのです」

公開書簡はさらにスコット・ウェイランドの再婚後、子供たちが「取って代わられ」、「彼の家の敷居をまたぐこともなかった」ことを綴っている。

「ここ数年にわたって、夜遅くまで電話をした時に彼の悲嘆や混乱を聞くことができました。時には悪影響を与える人々や間違った選択から逃れられないことについて泣くこともありました。わたしは彼が今回安眠できるとも、彼がよりよき場所に逝ったとも言うつもりはありません。彼を失ったことに対してわたしたちは怒っており、悲しんでいます。でも、一番打ちひしがれているのは、彼が諦めることを選んでしまったことです」

メアリー・フォースバーグは、ファンに対してスコット・ウェイランドの死をロックスターの悲劇として扱うのではなく、彼の過ちから注意を向けてほしいとしている。

「もし、あなたが親として最大限の努力をしていないのであれば、お願いしたいのは少しでも頑張ってみて、諦めないでほしいということです。完璧じゃなくていいのです。進歩こそ子供たちが望んでいるものなのです。スコットに対しての希望はついえてしまいました。でも、他の人々には希望が残っているのです」

「ロックンロールの鬼才の話としてこの悲劇を美化しないことからやっていきたいのです。そうしたことと結びつけないでほしいのです。1967年-2015年と年号の入った遺影の気の滅入るTシャツの代わりに、スポーツの試合やアイス・クリームを食べに子供を連れて行くことにお金を使ってほしいのです」

スコット・ウェイランドの死を受けて、ライアン・アダムスやクリス・ノヴォゼリック、デイヴ・ナヴァロなど、彼と共に過ごしてきた同胞や彼の影響を受けたアーティストたちが続々と追悼のメッセージを捧げている。

スコット・ウェイランドが在籍していたヴェルヴェット・リヴォルヴァーやストーン・テンプル・パイロッツのメンバーも追悼の意を捧げている。

ストーン・テンプル・パイロッツのディーン・ディレオ、ロバート・ディレオ、エリック・クレッツはフェイスブックで声明を発表している。「君の人生を共有してくれたことへの感謝を語り始めよう。僕らは一緒に音楽的栄光を築き、多くの人々に幸せと素晴らしい思い出を与えてきたんだ」

「思い出はたくさんある。それは深いところに根付いているものなんだ。僕らは君が善と悪の真ん中で闘っていたのを知っている。それこそが君を君たらしめていたものだった。君には言い尽くせぬ才能があった。スコット、その才能の一部は、君の災いの一部でもあったんだ」

「君と遺族に深いお悔やみを申し上げます。君が逝ってしまって驚いてる。すべての愛と敬意を。兄弟、君のことが恋しくなるよ」

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