ボブ・ディランは最新シングル“I Contain Multitudes”の中川五郎による日本語訳が公開されている。
曲名はアメリカの詩人ウォルト・ホイットマンの詩集『草の葉』に登場する一節からとられており、8年ぶりの新曲となった“Murder Most Foul”に続く楽曲となっている。
歌詞の対訳は以下の通り。
今日、そして明日、そして昨日もまた
花は枯れていく、あらゆるものと同じように
ぴったりついておいで、わたしはベルリン映画祭に行くところ
あなたが一緒に来てくれなかったらわたしは平静さをなくしてしまうよ
髪型がちゃんとしているかどうか不安だし、それに血の争いもしてしまう
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
ポー氏のようにわたしの心も何でも告白してしまう「告げ口心臓」だ
民衆の壁には骸骨が埋まっているよね
わたしは真実とわたしたちが言ったことに乾杯しよう
わたしはあなたのベッドを共にする男に乾杯しよう
わたしは風景画を描き、そしてわたしは裸婦の絵を描く
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
赤いキャディラックと黒い口髭
わたしの指にはいくつもの指輪がキラキラと輝いている
教えておくれ、今度は何かな? わたしたちは何をするのかな?
わたしの魂の半分は、愛しい人、あなたのものだよ
わたしは老いぼれ わたしはすべての若き野郎どもと一緒に浮かれ騒ぐ
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
わたしはアンネ・フランクのよう、インディアナ・ジョーンズのよう
そしてあのイギリスの反逆児、ザ・ローリング・ストーンズ
わたしはギリギリまで行くんだ、最後まで突き進むんだ
失われたすべてものがまた取り返される場所へとまっすぐ行くんだ
ウィリアム・ブレイクのようにわたしは経験の歌を歌う
わたしが詫びるようなことは何ひとつとしてない
何もかもすべてがみんな同時に流れているんだ
わたしは犯罪大通りで暮らしている
スピードの出る車に乗って、ファーストフードを食べる
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
ピンクの花びらの売人、赤いブルー・ジーンズ
可愛い乙女たちみんな、そして年老いた恋人たちみんな
わたしのこれまでの人生の年老いた恋人たちみんな
わたしは4挺のピストルと2本の大型ナイフを身につけている
わたしは矛盾を抱え込んだ男、とんでもない気分屋
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
この強欲な老いぼれの狼め、おまえにわたしの心の中を見せてやることにしよう
でもすっかり全部じゃないよ、憎しみに満ちている部分だけ
わたしはおまえを密告してやる、おまえの首に値段をつけてやる
これ以上おまえに対して何が言えると言うのだろう? わたしは生と死と一緒に同じ一つのベッドの中で眠っている
消え失せろ、マダム、わたしの膝の上からどいておくれ
その口をわたしのそばに近づけないでおくれ
わたしは道を開けて通れるようにしておこう、わたしの心の中の道
どんな愛も置き去りにしないように気をつけよう
わたしはベートーベンのソナタをかけよう、それにショパンのプレリュードも
わたしの中にはいろんな面がいっぱいあるんだ
ボブ・ディランは“Murder Most Foul”で米『ビルボード』誌によるチャートで初となる1位を獲得している。
3月27日にリリースされた17分近くあるこの曲はボブ・ディランにとって8年ぶりの新曲となっていて、1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件に言及している。
有料版の米『ビルボード』誌によれば、ボブ・ディランは“Murder Most Foul”でロック・デジタルソング・セールスのチャートで1位を獲得している。ボブ・ディランが自身の名義で米『ビルボード』誌のチャートで1位を獲得したのは初となっている。
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