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映画監督/ミュージシャンのデヴィッド・リンチはインタヴューの発言が文脈から切り離されているとして、ドナルド・トランプ大統領に向けた公開書簡を綴っている。

デヴィッド・リンチは先日の『ガーディアン』紙とのインタヴューで、ドナルド・トランプ大統領について「史上最も偉大な大統領の一人になりうるかもしれない」と語っているが、ドナルド・トランプ大統領や右派に誤解され、これが大統領を支持する言葉として受け取られているという。

しかしながら、デヴィッド・リンチはソーシャル・メディアでそうではないと明かしている。

「大統領へ。デヴィッド・リンチです」とデヴィッド・リンチはフェイスブックに投稿している。

「あなたが『映画監督のデヴィッド・リンチ:トランプは『史上最も偉大な大統領の一人になりうる』と語る』という見出しのついた『ブライトバード』の記事をリツイートしているのを見ました。面と向かってお話できればいいのですが。ここに掲載されている発言は文脈から外されていますので、少し説明させて頂く必要があります」

「残念ではありますが、あなたがこれまでのやり方を今後も続けるようであれば、素晴らしい大統領として歴史に名が刻まれることはないでしょう。そうなってしまえば、あなたにとってもこの国にとっても悲しいことだと思います。あなたは苦しみと分断を引き起こしているのです」

「まだ船を引き返すのに遅くはありません。私たち全員にとっての素晴らしい未来へ船を向けてください。あなたは心の中で歓喜の歌を歌うことになるでしょう。愛すべき素晴らしいリーダーの下では、一人として敗者が生まれることなく、全員が勝者になれるのです。このことを考慮していただき、心に留めてくれることを願っています。必要なのは、自分が扱われたいと思うようにすべての人々を扱うことだけです」

https://www.facebook.com/davidlynchofficial/posts/1800909923291220

デヴィッド・リンチは当該の『ガーディアン』紙によるインタヴューの中で次のように語っている。「僕はまったくもって政治的な人間ではないんだけど、自分がやりたいことをやれる自由は好きなんだ」

デヴィッド・リンチは2016年の大統領選時の民主党予備選挙ではバーニー・サンダースに投票したとした上で、それまでの大統領選では、確かではないもののリバタリアンに投票してきたという。

「ドナルド・トランプは史上最も偉大な大統領の一人になりうるかもしれないよ。彼は多くのことを崩壊させてきたからね。知性のあるやり方であの男に対抗できる人なんていないんだ」とデヴィッド・リンチはドナルド・トランプ大統領について語っている。

彼は次のように続けている。「いわゆるリーダーと呼ばれるような人たちは、国を前進させることができないんだ。何も成し遂げられないんだよ。子供みたいだからね。トランプはそれをすべて示してくれたんだよ」

デヴィッド・リンチの上記の発言を読めば、あらゆる政治家たちが無用であることをドナルド・トランプ大統領が露呈させたということで、いい意味ではなく、あらゆる混乱を引き起こした点で歴史に名を残すだろうと語っていると受け取れそうだが、極右寄りのウェブサイトである「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」は違った形で解釈している。

「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」はデヴィッド・リンチの発言を文脈から切り離して、彼について「ドナルド・トランプが大統領執務室で仕事を始めて以来、彼への共感や畏敬の念を公言した数少ないハリウッドの著名人」だと紹介している。

「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」はデヴィッド・リンチの発言を「今や彼はトランプこそが正しい選択だったと考えているようだ」としている。

ドナルド・トランプ大統領本人も当該の「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」の記事をシェアしている。

デヴィッド・リンチは同じインタヴューの中で滅多に自分の作品について語らないことについて「言葉にすると矮小なものになってしまう」からだと語っている。

デヴィッド・リンチは『ツイン・ピークス』のさらなる新作の可能性にも言及して、とあるストーリー展開に「呼び寄せられている」と語っている。

一方、今年4月には別の著名人がドナルド・トランプへの指示を表明したことで物議を醸しており、カニエ・ウェストがドナルド・トランプを支持するツイートをした際には多くのアーティストが彼への落胆を口にしている。

ドナルド・トランプ大統領は自身を称賛するカニエ・ウェストの一連のツイートを承認する形で、「ありがとう、カニエ、すごくクールだよ」とツイートしているほか、カニエ・ウェストとキム・カーダシアンが黒人からの支持を獲得する手助けになっているとも語ったとされている。

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