U2のギタリストであるジ・エッジは、先週行われたBIMM音楽学校の卒業式にサプライズで登場している。
本名をデヴィッド・ハウエル・エヴァンスというジ・エッジは、11月3日に行われたBIMM音楽学校の二度目となる卒業式で、サプライズの来賓講演者として登壇している。式典にはコマーシャル・モダン・ミュージック・プログラムを卒業する100名以上の卒業生が出席した。BIMM音楽学校の卒業生には、ジェイムス・ベイ、ジョージ・エズラ、トム・オデールなどのミュージシャンがいる。
チボリ劇場で行われたジ・エッジの卒業生に向けたスピーチは、自身がミュージシャンとしてこの35年間培った知恵を駆使しており、そのなかでU2が前途多難なスタートを切ったことも語られている。
「俺たちの成功は徐々にやってきたものだった。実を言うと、セカンド・アルバムの『オクトーバー』を出した後、俺たちは活動をやめかけたんだ」と彼は明かしている。「俺たちが止めなかった理由は明らかだけどね。アイランド・レコードと、初めて出すアルバムに関する交渉をした時に俺たちが一番争ったのは、音楽性の主導権だったんだ。レコード会社には『その権利がほしいなら、私たちにとってリスクが大きくなりすぎるから通常と同額のアドバンスは出せない』って言われたんだ。だから最低限のアドバンスしかもらえなかったんだけど、これだけは譲れなかったから、俺たちはそれを受け取って、バンドを始めた最初の数年は実家で皆生活してたんだ。サード・アルバム『WAR(闘)』でレコード会社が賭けに出てくれて、それが上手くいって、それ以降は安泰になった。だから、俺たちはレコード会社から大きなアドバンスを受け取れなかった代わりに、自分たちを救ったんだよ」
ジ・エッジは、学生時代に音楽指導を受けた自分の経験に基づいて、卒業生らがBIMM音楽学校から与えられた機会についても語っている。
「俺たちが学校にいた頃、数多くの素晴らしい音楽講師の恩恵を受けることができたんだ。だから、俺たちは音楽教育という概念に強い信頼を持っている。BIMM音楽学校ダブリン校は本当にクールだし、この場に俺がいることも、ダブリンのこれからの音楽シーンにとってとてつもない助けになるだろう人々の支えになれることも、本当に嬉しく思うよ」
55歳のジ・エッジは、音楽で成功するためにはどうしたら良いのかという話で講演を締めている。
「成功は様々な形をとるし、人によってその定義は変わるんだ」とジ・エッジは語っている。「満足をさせようとして努力しすぎると、世界には飽きられてしまう。商業的に成功するためには、世界を無視して、作業に専念することさ」
「俺たちの場合、世界を股にかけようって思って始めたわけじゃないんだ。若い頃から、俺たちの人生をU2というモノに捧げようって決めたんだ。結果はどうあれ、そして俺たちが17歳になった頃には、U2は俺たちにとって一番大切なことなんかじゃなく、俺たちにとって唯一大切なことになってたんだよ!」
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