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オアシスは再結成公演のチケットを巡る詐欺行為で総額200万ポンド近い被害があったとロイズ・バンキング・グループは発表している。

ロイズ・バンキング・グループは新たな調査結果を発表しており、オアシスの再結成公演で被害を受けたファンの一人当たりの平均被害額は436ポンド(約83,000円)で、これはチケット販売に関する詐欺の平均額より200ポンド(約38000円)近く高い金額となっている。

詐欺による被害総額は約200万ポンド(約3億8000万円)と見込まれており、これは自社の顧客による詐欺報告数から導き出したもので、オアシスのチケットに関する詐欺は2025年のコンサート・チケット詐欺全体の56%をすでに占めていると報告されている。

オアシスの再結成公演を観たいというファンは平均で436ポンドの被害に遭ったわけだが、ロイズ・バンキング・グループはさらに大きな被害を受けた例も紹介しており、チケットを入手しようと1700ポンド(約32万円)の被害を受けた人もいるという。

被害地域としてはマンチェスター在住の人々が最も多くなっており、エディンバラ、ウォリントン在住の人々がそれに続いている。年齢層では35歳から44歳の世代が全体の30%を占めている。

「多くのケースがソーシャル・メディアでの虚偽の出品から始まっており、ここにはプラットフォームの規約を違反しているものも含まれますが、こうした詐欺を対策するにはそうしたプラットフォーム企業のより強いアクションが重要だということを示しています」とロイズ・バンキング・グループの詐欺防止役員のリズ・ジーグラーは述べている。

オアシスの再結成公演のチケット販売については販売が始まると、すぐさま報道で取り上げられることとなっており、需要に応じてリアルタイムでチケット価格が変動する、いわゆる「ダイナミック・プライシング」が与えた影響についても広く報じられていた。この件についてはイギリスの競争・市場庁とヨーロッパ委員会の両方が調査を行っている。

当時、オアシスは声明で次のように述べている。「はっきりさせておきたいのは、チケット販売と価格設定に関する決定を完全にプロモーターとマネージメントに委ねており、ダイナミック・プライシングが採用されることをまったく認識してなかったということです」

「プロモーター、チケットマスター、バンドのマネジメントの間で事前に行われたミーティングでは、一般チケットの価格を維持して、転売を減らすためにダイナミック・チケッティングを含め、ファンにとって公平な体験となるようなチケット販売戦略が打ち出されましたが、計画の実行は期待に応えるものではありませんでした」

その後、オアシスは9月27日・28日にウェンブリー・スタジアムで行われる追加公演のチケット販売について「特別招待制のチケット抽選販売方式」を導入して、「状況を改善する小さなステップ」を実施したいとしていた。

オアシスとライヴ・ネイションは昨年10月に転売サイトで転売されたチケット5万枚近くが無効になることを発表している。今年2月にその処置が実施されたが、多くのファンは正規に購入したチケットにもかかわらず不当に無効にされたとソーシャル・メディアに投稿していた。チケットマスターは『NME』の問い合わせに対してチケットが無効となった人々に対して「オアシス払い戻しFAQ」のページを参照してほしいと答えている。

チケットの高額転売については政府での議論も高まっており、国会議員はコンサートのチケットの再販売に価格上限を設ける案を検討している。今年1月に行われた公開協議では「ファンをより良く保護し、ライヴ・イベントへのアクセスを改善し、世界をリードする英国のライブ・イベント分野の成長を支援する」ために必要な措置が検討されている。

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