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Run-DMCのダリル・“D.M.C.”・マクダニエルズは自身の抱えるメンタル・ヘルスの問題について言及して、カート・コバーンに共感するところがあると語っている。

ダリル・マクダニエルズはMSNBCによるドキュメンタリー番組『マイ・ジェネレーション』で自身の鬱と自殺願望との闘いについて語っている。

全4話のドキュメンタリーはインタヴュー映像と過去映像を使いながら、1946年〜1964年生まれのベビー・ブーマー、1965年〜1981年生まれのジェネレーションX、1981年〜1996年生まれのミレニアルズ、1997年以降生まれのZ世代という4世代の生き方を掘り下げるものとなっている。

ジェネレーションXの回に出演したダリル・マクダニエルズは90年代初頭に初めてニルヴァーナを聴いた時にすぐに心に響いたと振り返っている。

「ニルヴァーナは自分の不安を表舞台に出すことを恥じないという正直な表現だった」とダリル・マクダニエルズは語り、1994年に自殺することになるカート・コバーンに共感したことを振り返っている。

「カート・コバーンには共感しているよ。自分もその後の人生では自殺願望を抱えるようになった」とダリル・マクダニエルズは語っている。「幸運なことにまだ生きているから、このことについては自分には話す責任があると思っているんだ」

「“Come as You Are”という曲があるけど、ハッピーでテンションが高く、陽気な人もいれば、君と同じように塞ぎ込んでいる人もいる。でも、いいことにせよ悪いことにせよ、自分の感じていることを認めない限り、癒やすことはできない。それはみんな一緒なんだ」

ダリル・マクダニエルズがメンタル・ヘルスの問題について語るのは初めてではなく、2016年に発表した回想録『テン・ウェイズ・ノット・トゥ・コミット・スーサイド』で90年代後半に抱えることになったメンタル・ヘルスの問題を振り返っている。

「自殺願望が最もひどかったのはおそらく日本に2週間ツアーで行った1997年だった」とダリル・マクダニエルズは述べている。「当時聴いていたのはサラ・マクラクランのソフトなポップ・バラード“Angel”だけだった」

「鬱の真っ只中にあった自分にとってあの曲がどれほど重要だったかは、いくら強調してもしきれない。自分のあらゆる部分が屈してしまえと叫んでいる時も、晴れた気持ちにしてくれて、やり抜くことができると思わせてくれた」

米『ビルボード』誌によれば、当時のダリル・マクダニエルズはアルコール依存症の闘病を終えて断酒していて、その苦悩はバンド内の葛藤や自身の声を失ってしまうことから来ていたという。

「自殺に対するためらいはあったにせよ、あの曲がなかったら簡単にそうしていたんじゃないかと時々思うんだ」とダリル・マクダニエルズは回想録で述べている。「日本では毎日、自殺についてずっと考えていた。家族は自分がいないほうがいいかもしれないと考えることに陥っていたんだ……でも、“Angel”を聴く度にいつも瀬戸際から立ち直ることができたんだよ」

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