リンプ・ビズキットのフロントマンであるフレッド・ダーストはユニバーサル・ミュージックに対して「一切印税を受け取っていなかった」として2億ドル(約290億円)を求める訴訟を起こしている。
米『ビルボード』誌によれば、訴状は現地時間10月8日にロサンゼルス連邦裁判所に提出されたとのことで、フレッド・ダーストとリンプ・ビズキットの弁護士はリンプ・ビズキットをはじめ数百のアーティストがユニバーサル・ミュージックによって作られた「詐欺的な」システムの下で、「何年もの間、不当に印税を差止められてきた」可能性があると主張している。
この方針はユニバーサル・ミュージック・グループが「意図的に作った」もので、アーティストから印税の存在を隠し、同社が「利益を独り占め」するためのものだと訴状には記されている。
フレッド・ダーストは何百万枚ものアルバムを売り上げ、「スポティファイだけでも数百万人の月間ユーザーがいるにもかかわらず」今年8月の時点までリンプ・ビズキットがユニバーサル・ミュージック・グループから印税を受け取ったことは一度もなかったと主張している。
「見事な『カムバック』があったにもかかわらず、行動に移すまでユニバーサル・ミュージック・グループからは1セントたりとも印税の支払いがありませんでした。それで、一体どうしてそんなことになるのか、疑問を持つことになったのです」とフレッド・ダーストの弁護士は述べている。
不正な規定について弁護士は次のように述べている。「ユニバーサル・ミュージック・グループはアーティストに投資し、アーティストを保護することを誇りとする会社であると自任しながら、このようなシステムを作り上げました」
「フレッド・ダーストはユニバーサル・ミュージック・グループから印税証明書を受け取っていないが、それは彼の口座がリクープに達していないため、その必要がないと伝えられてきたと説明しています。フレッド・ダーストの代理人はユニバーサル・ミュージック・グループが不当に原告の口座がリクープに達していないと主張しているのではないかと疑い、さらに調査することを提案しました」
フレッド・ダーストの弁護士は「ユニバーサル・ミュージック・グループの会計と支払いの実態」に疑問を持つこととなり、その結果、リンプ・ビズキットの支払われるべき印税として100万ドル以上があることを発見したと述べている。しかし、レーベルはその印税について「伝えてこなかった」という。
訴状は次のように続けられている。「ユニバーサル・ミュージック・グループが1997年から2004年の間、バンドの絶頂期であり、彼らが記録的な売上を上げた時期に最も人気のあるアルバムに関して印税明細書を発行しなかったことは、ユニバーサル・ミュージック・グループが不当にその利益を自分のものにするためにリンプ・ビズキットに支払われるべき本当の売上額、したがって印税額を意図的に隠していたことを示唆しています」
フレッド・ダーストの弁護士はその巨大な商業的成功を挙げながらリンプ・ビズキットのスタジオ・アルバムがリクープしていないというのは「極めて疑わしい」と述べている。
「リンプ・ビズキットの初期3枚のアルバムは2000年代前半の時点で既に数百万枚を売り上げていました。レコーディングの資金と費用はすぐに回収されたはずで、ユニバーサル・ミュージック・グループは20年以上経ってからではなく、すぐに印税を支払い始めなければなりませんでした」
さらに訴状ではバンドをリクープしていない状態にして、印税の支払いを避けるために「不正な支払いの実態」があったと述べられている。最近になって総額199,676ドルがリンプ・ビズキットの口座に支払われることになったとフレッド・ダーストの弁護士は述べている。
「リンプ・ビズキットをだまして、リクープされていないことを示すために、この金額はリンプ・ビズキットの口座に対してどこからともなく出てきた金額です」
ユニバーサル・ミュージック・グループは長年の中でリクープするためのアドバンスとして4300万ドルを支払ったと述べている。レーベルは最近までリンプ・ビズキットの口座に印税の支払いがなかったのはそのためだったと説明している。
フレッド・ダーストの弁護士によれば、ユニバーサル・ミュージックはバンドに対して103万ドルをフレッド・ダーストのレーベルであるフローレス・レコードに230万ドルを支払ったが、もっと大きな金額を支払う取り決めになっていると述べている。
「長年にわたってリンプ・ビズキットのアルバムとフローレス・レコードのアルバムの売上に関連してユニバーサル・ミュージック・グループが得た莫大な金額を考えると、ユニバーサル・ミュージック・グループは原告に対して数千万ドルの著作権侵害の責任を負っています」
「実際、原告は契約の撤回後にユニバーサル・ミュージック・グループが支払うべき金額は2億ドルを軽く超えると主張しています」
未払いの印税に加え、リンプ・ビズキットはユニバーサル・ミュージックと結んでいた契約を無効とし、彼らのカタログの著作権をバンドに返還することも求めている。弁護士は著作権侵害の損害賠償も求めている。
ユニバーサル・ミュージック・グループは今回の訴訟についてこれ以上のコメントは発表していない。
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