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エド・シーランの盗作を巡る裁判でAIで生成されたマーヴィン・ゲイの“Let’s Get It On”の音源がかけられ、法定では笑いが起きることになったという。

2017年に端を発するこの裁判はエド・シーランがマーヴィン・ゲイと“Let’s Get It On”を共作したエド・タウンゼントの遺産管理者から“Thinking Out Loud”が盗作だと訴訟を起こされたものとなっている。

原告側はエド・シーランと共作者のエイミー・ワッジが“Thinking Out Loud”で“Let’s Get It On”の上がっていく4つのコード進行とリズムを盗作したとして、著作権を侵害する「顕著な類似性」があると主張している。

今回、法廷で“Let’s Get It On”をAIが作成したバージョンをかけたところ、陪審員からは笑いが起きたことが報じられている。

報道によれば、現地時間4月26日に開かれた法廷では原告側の音楽専門家が提供した人工生成された音源がかけられることになったという。コンピューターで生成された声が“Let’s Get It On”の歌詞を歌い上げたところ、「HALのコンピューターがSFホラー映画でカラオケをする」ような感じだったとのことで、エド・シーランは弁護側の席で笑いを堪えていたとも報じられている。

音楽学研究家のアレキサンダー・スチュワート博士はマーヴィン・ゲイとエド・シーランの曲の類似性を音源で示すために、この音源を法廷で再生したという。

原告側であるエド・タウンゼントの遺産相続者であるグリフィン・タウンゼントは、この音源について法廷後に「ひどいものでした」と語っている。「マーヴィン・ゲイもユーモアのセンスの持ち主だったので、聴いたら笑っていたんじゃないでしょうか」

BBCによれば、この法廷ではエド・シーランが陪審員に向けてギターを弾いて歌うパフォーマンスも行ったことが明らかになっている。エド・シーランは自身の曲のコード進行を示して、ヴォーカルのメロディーについて説明するために“Thinking Out Loud”の一部を演奏したという。

「ヴォーカルのメロディーを書く時というのは音声学なんですよね」とエド・シーランは語り、“Thinking Out Loud”が自宅で「I’m singing out now」というフレーズを発した時に生まれ、最終的に“Thinking Out Loud”に変化していったと説明している。

エド・シーランは法廷で「自分は世界で最も才能のあるギター・プレイヤーではない」とも述べており、曲を書くのは速く、1日で9曲を書くこともあると語っている。

先日、この裁判では原告側の弁護士であるベン・クランプが冒頭陳述でエド・シーランがコンサートで“Thinking Out Loud”と“Let’s Get It On”をマッシュアップする様子をファンが撮影した動画を流し、「このコンサート映像が供述です」と述べている。

このマッシュアップについて尋ねられたエド・シーランは次のように語っている。「多くのポップ・ソングは大方のポップ・ソングに重ね合わせることができます。ある曲とある曲をマッシュアップしてみたというだけです」エド・シーランは“Let’s Get It On”を映画『オースティン・パワーズ:デラックス』で初めて聴いたことも明かしている。

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