マイケル・ジャクソンの遺産管理団体とソニー・ミュージックはマイケル・ジャクソンが参加していないのではないかと噂される楽曲をリリースしたことについて8年を経て裁判で合意に達している。
2014年にマイケル・ジャクソンのファンであるヴェラ・セロヴァはソニー・ミュージック、マイケル・ジャクソンの遺産管理団体、楽曲のプロデューサーを相手取って、集団訴訟を起こしていた。
この訴訟は死後の2010年にリリースされたアルバム『マイケル』に収録された3曲、“Keep Your Head Up”、“Monster”、“Breaking News”が他の人物が歌っているにもかかわらず、マイケル・ジャクソンが歌っていると販売されたことを訴えたものとなっていた。
2010年にマイケル・ジャクソンの母親であるキャサリン・ジャクソンは「あのアルバムには偽物の曲がある」と語っており、姉のラトーヤ・ジャクソンも「彼のようには聴こえない」と述べていた。マイケル・ジャクソンの甥であるタリル・ジャクソンは当時、次のようにツイートしている。「曲が作り上げられた方法はとても卑劣で狡猾だ。私は叔父の声を知っているが、近い親族が彼じゃないと言うのは何か重大な問題がある」
一部のファンの間ではマイケル・ジャクソンのヴォーカルが実際に使われているかどうかについて懐疑的な目が向けられていた。
先月、“Keep Your Head Up”、“Monster”、“Breaking News”の3曲はスポティファイ、アップル・ミュージック、YouTubeから削除されている。
マイケル・ジャクソンの公式サイトのスポークスパーソンは3曲がオンラインでは聴けないことを認めつつも「その真偽とは無関係だ」と述べていた。
メッセージには次のように書かれている。「遺産管理団体とソニー・ミュージックはこれらの曲に対する話題が続くことがファンのコミュニティやカジュアルなマイケル・ジャクソンのリスナーにとって、本来あるべきマイケルでの伝説的な奥深いカタログに関心を集中させることの邪魔になっていると考えたのです」
今回、米『ローリング・ストーン』誌によれば、カリフォルニア州最高裁判所で裁判のほうも決着がついており、合意の詳細は明らかにされていない。
米『ビルボード』誌に発表した共同声明でソニー・ミュージックとマイケル・ジャクソンの遺産管理団体は次のように述べている。「最高裁がどのような判決を下すにせよ、裁判の両陣営は共に訴訟を終わらせることを決めました。更なる控訴によって長い訴訟プロセスになる可能性があったのです」
大手ストリーミング・サービスで音源が削除されたことについては「これらの楽曲に関する会話を進展させる最もシンプルで最善の方法でした」と述べている。
両陣営共にマイケル・ジャクソンのヴォーカルの真偽については明らかにしていない。
この3曲はプロデューサーのエドワード・カシオとジェイムス・ポートと共に2007年にレコーディングされたと言われている。2010年12月にリリースされた『マイケル』は2009年に享年50歳で亡くなったマイケル・ジャクソンにとって死後初のアルバムとなっている。
マイケル・ジャクソンについては伝記映画が映画『ボヘミアン・ラプソディ』を手掛けたグラハム・キングをプロデューサーに迎えて製作されていることが明らかになっている。
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