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エド・シーランはロンドンの高等裁判所で行われている“Shape Of You”の盗作を巡る裁判で音楽の専門家が「偶然似ている」ものの「明確な違い」があると語ったことが明らかになっている。

エド・シーランと共作者のジョニー・マクダイドとスティーヴ・マックはサミ・スウィッチ名義で2015年に発表された楽曲“Oh Why”から「特定のフレーズと歌詞」を盗作したと訴えられている。

サミ・スウィッチと共作者のロス・オドノヒューは“Oh Why”から「oh I, oh I, oh I」のフックを盗作されたと主張しており、エド・シーランはこれを強く否定しており、2016年10月に“Shape Of You”を書く前に“Oh Why”を聴いたという説も否定している。

スノウ・パトロールのメンバーでもあるジョニー・マクダイドも証拠書類で“Oh Why”を聴いたことを思い出せないとして、この裁判が始まるまでサミ・スウィッチのことを知らなかったと述べている。

今回、アメリカの法廷音楽学者のアンソニー・リチリアーノは2つの曲の類似性が「盗作による産物」であることは「客観的にあり得ない」と結論づけている。

エド・シーランの弁護士によって迎えられたアンソニー・リチリアーノは裁判で「完全に公平な立場」で発言するとして、2曲の類似性については「誇張されている」と語っている。

「“Shape Of You”の関係するフレーズにおけるメロディーやハーモニー、歌詞といった音楽的展開と全体のデザインは“Oh Why”で使われているものとは明確な違いがあります」とアンソニー・リチリアーノは述べている。

しかし、別の音楽学者であるクリスチャン・シデルはメロディーで類似しているところが「多く、印象的なので独自の創作とはなかなか考え難い」と指摘している。

先日、裁判で“Shape Of You”のメロディーは“Oh Why”に似ていると思うかと訊かれて、エド・シーランは次のように答えている。「基本的にはそう思います。どちらもマイナーのペンタトニック・スケールで、母音が入っています」しかし、エド・シーランは“Oh Why”を聴いて「oh I」というフレーズが出てきたわけではないと否定している。

クリスチャン・シデルはサミ・スウィッチとロス・オドノヒューの弁護士によって迎えられた音楽学者で、マイナーのペンタトニック・スケールであることが「あまりに強調されている」が、「oh I」と「oh why」のフレーズはメロディーであって、スケールではないと述べている。

クリスチャン・シデルは「“Oh Why”と“Shape Of You”のリード・ヴォーカルのメロディーには顕著な類似性がある」と結論づけている。

クリスチャン・シデルによれば、2つのパートは「リズムとピッチにおいてはほぼ同一」であり、類似性が「偶然の産物とは考え難い」と述べている。

ジョニー・マクダイドは証拠書類で盗作という考えは「忌まわしい」としつつも“Shape Of You”のメロディーにはオリジナルなものはないと述べている。「自分の経験からするとこれは非常に一般的なメロディーの構造です」

サミ・スウィッチはエド・シーランの弁護士によって「見くびられた」感じがすると語っている。「尊敬している人、もしくは尊敬していた人に強盗をされたような気分です」

「私がしたいのは説明を求めているということだけです。説明さえあれば、こんな馬鹿げたことをする必要はなかったのです」

先日、サミ・スウィッチのマネージメントはサミ・スウィッチの作品に注目してもらおうとエド・シーランに働きかける行動を行っていたと述べている。

2018年7月にサミ・チョークリとロス・オドノヒューが「著作権侵害と侵害に伴う損害」を申し立ててから約2000万ポンド(約30億円)とも見られている“Shape Of You”のロイヤリティは凍結されている。

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