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Photo: GETTY
ツイッターでアジーリア・バンクスの標的にされたことがある人、もしくはノエル・ギャラガーの近くでラップしたことのある人、またはモリッシーがいる前でサラミを食べたことのある人ならば、良くご存知のように、ポップ・スターが発する手厳しい言葉は時に衝撃的な事態を生み出すことがある。さらに「ワン・ダイレクショナー」たちの過激で往々にして残酷とも言える献身的な姿勢をもってすれば、商業的破滅を招くこともある。去る7月のサンディエゴのステージでハリー・スタイルズが、イルカ好きだろうファンはシーワールドのような水の生物のテーマパークには行かないようにと伝えた結果として、シーワールドが身をもって経験した出来事だ。シーワールドに対するインターネット上の否定的なコメントの割合が、大幅に増加したことをきっかけに――シーワールドは2013年のドキュメンタリー映画『ブラックフィッシュ』ですでに追いつめられてはいたものの――2015年の第2四半期の売上は、2014年の同時期と比べて84パーセントまで落ち込んだという。そして今――『マイティ・ソー』のソーがPETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)に加わるかのごとく、ポップ・スターによる新たなボイコットが生まれ、正義のため復讐の一撃を放っている。もっとも、ポップ・スターによるボイコットのすべてが大きな反響を生んだわけではないのだが。今回は最高で最悪のエピソードをお届けする。
カサビアン vs スターバックス
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Photo: Getty & EdMiles /NME
政府が、スターバックスによる数十億ドルとも言われる税金逃れのたくらみに目をつぶった時、納税を迫ったのは誰だろうか? それはカサビアンのサージ・ピッツォーノだ。「スターバックスの税金逃れの件に関してだけど、もし俺たちみんなが結託して『よし、誰もスターバックスには行かない』って言ったら、あの会社を倒すのにたったの1週間しかかからないよ」サージ・ピッツォーノは2014年にそう語っている。
マイリー・サイラス vs アバクロンビー&フィッチ
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アバクロンビー&フィッチがレディースのサイズ10以上の在庫を置かないことを決定した際、CEOのマイク・ジェフリーズは「大勢の方たちが私たちの服にふさわしいとは言えず、また似合わない」という理由でそれを擁護したが、マイリー・サイラスは自身が所有するアバクロンビー&フィッチの服すべてを焼き捨てると約束し、沸き上がる反発の声に加わった。
P!NK vs インスタグラム
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Photo: GETTY
最近ではiTunesの小さな文字の注意書きに現れる「同意します」の表示を喜んでクリックすることで、こちらの意に反してU2の曲が強制的にライブラリに追加されるようになるといったこともあったが、遡ること2012年、インスタグラムがこっそり規約を変更し、アップロードした本人には報酬を支払うことなしにインスタグラム社がサイト上の写真の販売を可能とした際に、P!NKが抗議の声を上げた。インスタグラムはその日の内に、不愉快な条項を削除するに至っている。
テイラー・スウィフト vs アップル・ミュージック
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Photo: GETTY
世界で最も儲かっている企業が3ヵ月の無料トライアル期間はアーティストにロイヤリティを支払わないという決定を下した。クールじゃない話だ。しかし、テイラー・スウィフトはそれに抵抗し、ニュー・アルバム『1989』のストリーミングには応じず、ブログで次のように発言している。「私たちはiPhoneをタダで欲しいなんて言ったりしないわけで、私たちの音楽を報酬なしに提供しろだなんて言わないで」
エルトン・ジョン vs ドルチェ&ガッバーナ
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同性婚に反対の意を表明した後、ドルチェ&ガッバーナはさらに踏み込んだ発言を行った。体外受精に関して、ドメニコ・ドルチェは次のように語っている。「私が化学物質の子供、合成された子供と呼んでいる事柄については納得できない」夫のデヴィッド・ファーニッシュと体外受精による子供を2人設けているエルトン・ジョンはこれに対抗し「この先、ドルチェ&ガッバーナは二度と着ない」との結論を示している。
カニエ・ウェスト vs ルイ・ヴィトン
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2013年、カニエ・ウェストは、ラジオのインタヴューで、クリスマス・シーズンには、ニューヨークでは誰もルイ・ヴィトンの製品を買わないように提案した。その理由とは? 「パリに行った時に、ルイ・ヴィトンのトップと会見したいと申し出たら、『どうして、会わなければならないのか?』と答えが返ってきたんだ」愚か者めが! ルイ・ヴィトンの製品なんか海に投げ込んでやる!
ジェイ・Z vs クリスタル
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「購入するお客様を選ぶことはできないんです」とは、クリスタルの社長フレデリック・ルゾーの言葉で、ラッパー達が同社のシャンパンを贔屓にすることは、ブランドにとって害にならないのかと質問された時の彼の答えだった。さらに彼は、「ドン・ペリニヨンやクリュッグならば、喜ぶでしょうけどね」と続けた。このコメントに対し、「人種差別主義者」と怒りを露わにし、ジェイ・Zは、自分の経営する40/40クラブのバーからクリスタルのシャンパンを引き上げ、二度と飲まないと誓いを立てた。
モリッシー vs カナダ
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イスラエルに対し、多くのアーティストが文化的ボイコットを進める中、モリッシーは、「リーダーの発言や行動のために、その国の人たちまでも罰することはない」と、イスラエルの旗をステージで振りながら、テル・アヴィヴでコンサートを行った。しかし、カナダで行われる毎年恒例のアザラシ猟に対しては、我慢がならずカナダのツアーをボイコットした。「カナダの製品をボイコットしよう。それで、(アザラシ猟の悪しき慣習を)変えられるかもしれない」と声明を出した。
ミュージシャン vs イスラエル
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アパルトヘイト時代の南アフリカに対するボイコットと同様に、イスラエルのパレスチナに対する行為に抗議する文化的ボイコットが起こり、先陣を切った運動家の中には、ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズやブライアン・イーノの姿があった。以来、ミュージシャンたちによる抗議は白熱し、ローリン・ヒル、フェイスレス、スティーヴィー・ワンダー、レフトフィールドなど多くのアーティストが次々と賛同している。
エリー・ゴールディング vs プーチン
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プッシー・ライオットの逮捕や、18歳以下の子供に対して同性愛に関する知識を与えることを違法とする法の成立を契機に、シェールやスティーヴン・フライなどが先頭に立って、ロシアに対するボイコットが盛んになってきた。エリー・ゴールディングも、「ロシアの行為は間違っていると思う」と表明し、今年の1月から運動に加わった。
ウィリー・ネルソン vs ワイナリー
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パブのチェーン店、ウェザースプーンで飲むワインの品質をめぐって、皆がボイコットしたが、ワインの醸造所を丸ごとボイコットするのはいかがなものか? ウィリー・ネルソンとケニー・ロギンスは、それを実行したのだ。1994年、ブドウ園の農業労働者組合のストライキに賛同して、ウィリー・ネルソンはワシントン州のシャトー・サン・ミッシェルでのコンサートをボイコット。ケニー・ロギンスもそれに続いた。
リアム・ギャラガー vs 本人
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ファンに自分の製品を買うなと要求するアーティストはほとんど見たことがない。しかし、リアム・ギャラガーはやってのけた。彼は昨年、自らのオアシスのデビュー・アルバム『オアシス(原題:ディフィニトリー・メイビー)』の20周年記念のリマスター版の発売に反対した。「すでにマスタリングしたアルバムをリマスターするなんて、どういうことだ?」、「騙されるな。前のままのアルバムでいいんだ」とすべて大文字で書いた怒りのツイートを投稿した。
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