ミスター・ブロビーやクレイジー・フロッグ、そしてそのほか多くの話題性のあるシングルの成功を見ても分かるように、チャートの1位に輝いたシングルが音楽面でのクオリティを保証しているとは限らない。そして、このような怪し気な楽曲が1位になったことで生じる害はそれだけではなく、その名を知ったらビックリするような、とてつもなく偉大なアーティストたちが、何故かいまだにUKチャートで1位を獲得できていないのだ。そんな23組のアーティストを御紹介する。
グリーン・デイ
恐らく、グリーン・デイのアナログ盤1枚に対し、3着のグリーン・デイのパーカーが売れているのではないかということが原因だろう。しかし、どんな理由であれ、ビリー・ジョー・アームストロングのポップ・パンク一座が、UKシングル・チャートで得た最高の成績は、2004年“American Idiot”の3位だった。英国国民よ、このでくのぼうたち。
ブルース・スプリングスティーン
その40年以上にわたるキャリアの中で、ブルース・スプリングスティーンは、誰もが認めるロックンロールのボスという彼の称号にふさわしい十分な数のヒットを飛ばしてきた。しかし、“Streets Of Philadelphia”で1位になろうという時にディー・リームの“Things Can Only Get Better”にわずかの差で敗れている。
ザ・フー
成功の絶頂期にいたモッズ・アイコン、ザ・フーは、若さあふれる主張の“My Generation”でチャートの2位につけたが、1位との差は縮めることができなかった。
ニルヴァーナ
そのとおり、“Smells Like Teen Spirit”は色褪せることのない伝説の名曲だ。しかし、冷酷な数字の面から言えば、この曲はニルヴァーナのUK最高のチャート順位ですらない。彼らのUK最大のヒット曲の栄誉は“Heart-Shaped Box”で勝ち得たが、それでもチャートの5位に留まっている。
ザ・スミス
何をそんなにいぶかしげな顔をしてるんだい、モリッシー? それはザ・スミスのチャートでの最高位が、つまらない1992年の“This Charming Man”の再リリース盤の8位だったからだろうか? そういうことかい? オーケー、そりゃあそうだろうね。
ザ・キュアー
ところで、もう1つの英国出身のバンド、ザ・キュアーもUKシングル・チャートのトップに立ってはいないのだ。だが彼らには、“Boys Don’t Cry”や“Friday I’m In Love”のような曲があり、1位を獲得しているジェイソン・デルーロの曲より、少なくとも1千万倍優れていると言える。
メタリカ
去年はグラストンベリー・フェスティバルのヘッドライナー、今年はレディング&リーズのヘッドライナーを務め、常に最強のヘヴィメタル・バンドの1つである彼らもチャートの1位は獲得していない。正義はどこにあるのだろうか?
ザ・ラモーンズ
カウンターカルチャーを体現する、革ジャンを着たニューヨークのヒーロー、ラモーンズは後に続く世代をインスパイアした(彼らなくしてザ・ストロークスはザ・ストロ-クスになっただろうか? ならなかっただろう。)しかし、彼らの曲でUKシングル・チャートのトップ20に入った曲は、1980年に8位に輝いた“Baby I Love You”の1曲のみだった。
ジョイ・ディヴィジョン
“Atrocity Exhibition”や“Heart And Soul”のような、暗くて毅然とした曲が発売後すぐにラジオで流れやすいポップ・ヒットとならなかったことには、それほど驚かないかもしれない。“Love Will Tear Us Apart”が3回、別々の機会にリリースされたにもかかわらず、最高13位に留まったことの方がもっとショッキングだろう。
ボブ・ディラン
50年以上の間に58枚のシングルをリリースしているにもかかわらず、ボブ・ディランのUKシングル・チャート最高位は1965年の“Like A Rolling Stone”での4位だ。同年、ザ・バーズがボブ・ディランの“Mr. Tambourine Man”をカヴァーして1位に輝いたが、これで少しは報われたと言えそうだ。恐らくだけどね。
ボブ・マーリー
ボブ・マーリーの大ヒット曲を集めたコンピレーション・アルバム『レジェンド』は全世界で3300万枚以上を売り上げた。これはUKチャート史上で18位となるベストセラーだ。何故シングルがアルバムほど売れないのだろうか? もしかすると、みんなが求めているのはアルバムなのかもしれない。
ビョーク
結果的にはよい効果になったともいえるが、ランク1位を逃した大物アーティストの典型例としてはアイスランドのニンフ、ビョークが挙げられる。彼女のキャリアは、すばらしい境界を越えた試みに満ちており、“It’s Oh So Quiet”以外は大きなヒットとならなかったことは残念である。
ザ・ホワイト・ストライプス
ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトのコンビも、この1位を獲得しなかったアーティストというテーマで思いあたるのではないか。しかし、どのトラックが最高位を獲得したかご存知だろうか? “Seven Nation Army” か“Fell In Love With A Girl?”それとも“Hotel Yorba”なのか? いや、驚くなかれ、実は“Icky Thump”なのだ。
レディオヘッド
レディオヘッドは、近年PWYW方式を導入したり、突如アルバムをリリースするなど、最近のどのバンドよりもアルバムリリースのポテンシャルを変化させているバンドである。レディオヘッドは、シングルよりもアルバム制作に力を入れているバンドであることは明らか。もしかすると、 “Paranoid Android”の3位ランクインは、彼らには大満足の結果なのかも。
パルプ
“Common People” は絶対に1位になったよな? 本当に? じゃあ、“Disco 2000”はどう? え? ちがう? 世界はどうなってしまっているんだ!
ミューズ
ブラックホール、啓示、陰謀説、そしてドローンなど、ミューズの狂った世界ではなんでもありだ。そのエキセントリックさ、折衷主義精神から音楽業界でも特に熱烈なファンを持つが、チャートのトップは獲得したことがなかった。
フー・ファイターズ
ロック界で最もいいヤツら、フー・ファイターズの功績をどうして否定できよう? デイヴ・グロールやメンバーのロックへの止まない貢献にもかかわらず、同バンドの最高ランクはいまだ2005年の “Best Of You ”の4位にとどまっている。罪の意識を感じる人も多いのでは?
ジョニー・キャッシュ
ボブ・ディランやザ・フーのように、音楽界の伝説的地位を確立したとも言えるアーティストが1位を獲得しなかったのは、本当に狂っていると言える。ジョニー・キャッシュも昔のトップ・チャートを逃した一人で、とても申し訳なく思う。
ガンズ・アンド・ローゼズ
アクセル・ローズは、“Knockin’ On Heaven’s Door”の最高2位という結果には満足していないだろう。まあ、アクセル・ローズにとって常に目標があるのはいいことかもしれない。
ビースティ・ボーイズ
ヒップホップ界の先駆者で、マッシュアップ分野の生みの親であるビースティ・ボーイズも “Intergalactic”で最高5位を獲得したのみである。
デペッシュ・モード
彼ら自身の「パーソナル・ジーザス」ですら、キャリアを通した妨げに遭いデペッシュ・モードをトップの座につけることはできなかった。1984年の“People Are People”と 1997年の ”Barrel Of A Gun”が最高ランクでいずれも4位につけている。
ジェームス・ブラウン
ソウル界のドンは、その名声とは異なり、数多くのシングルをリリースしたにもかかわらず、UKではチャートインすらほとんどなかった。数作品がトップ40入りを果たしており、最高位は “It’s A Man’s, Man’s World”の13位であった。
ドリー・パートン
最後はドリー・パートン。カントリー史上、最も有名な歌手の1人であり、2014年のグラストンベリー・フェスティバルでは史上最高の観客動員を記録したものの、iTunesでの売り上げはイマイチのようだ。
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