20位 リル・ナズ・X『モンテロ』

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一言で言い表せば:ポップ、ロック、トラップをバランスよく組み合わせた完成度の高い超大作アクト。

溌剌とした自信とプライドが渦巻く『モンテロ』はリル・ナズ・Xがついに本領を発揮したサウンドトラックとなっている。41分のデビュー・アルバムにリル・ナズ・Xことモンテロ・ラマー・ヒルは巧みなラッパー、情熱的な恋人、トラウマの生き残り、画期的なカルチャー・アイコンなど、彼がどのような人物かを余すことなく詰め込んでいる。彼はその才能を全面的に開花させることで、かつてないほど自身のことを明らかにしている。

鍵となる楽曲:“Thats What I Want”

『NME』のレヴュー:「『モンテロ』でリル・ナズ・Xは極私的なレベルで告白しており、シリアスなクリエイティヴィティによって自らをアーティストとして宣言することになった」

19位 ロード『ソーラー・パワー』

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一言で言い表せば:ニュージーランド出身のスーパースターは自身を受け入れることと日常生活の快適さを求めて大袈裟でポップな表現を減らしている。

ロードがアーティストとして成熟していくのをリアル・タイムで観られるのは特別な体験だった。『ソーラー・パワー』には過去の自分と現在の自分のパラレルを反映させるために、名声による浮き沈みを掘り下げ、新たな現実を理解することで生まれる親密さがある。死、混乱、悲しみに彩られながらも新たな地平へと向かう雲のように広がるコーラスも相まって、勇気といった感情に溢れたこれらの曲は啓示的なものとなっている。

鍵となる楽曲:“Secrets From A Girl (Who’s Seen It All)”

『NME』のレヴュー:「アルバムを作る度に金鉱を掘り当てられるアーティストはほとんどいないが、ロードは3作連続で世界的大作を作り上げた」

18位 デイヴ『ウィーアー・オール・アローン・イン・ディス・トゥギャザー』

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一言で言い表せば:英国最高のラッパーの1人による思慮深くスリリングなチューンたち。

2017年に『NME』が初めてデイヴと出会った時、彼は母親の家のベッドルームでビートをミックスしていた。それから4年が経って23歳のストレタム出身のラッパーは全英チャートで1位を獲得した2枚のアルバムをリリースし、ブリット・アウォーズやマーキュリー・プライズにもノミネートされることになった。その彗星のような成功の理由とは? それは極私的で政治的な深いリリックのあるグライム風のバンガーを作る比類なき能力ゆえである。彼の素晴らしいセカンド・アルバムはその証拠となっている。

鍵となる楽曲:“Clash”

『NME』のレヴュー:「デイヴは忘れられないロンドン・ラップの名作を作るということに関してはほぼトップに君臨し、世代の声であることを再度証明した」

17位 ラナ・デル・レイ『ブルー・バニスターズ』

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一言で言い表せば:過去の楽曲の検証と親しいコラボレーターの仲間たち。

2021年2枚目となるアルバムでラナ・デル・レイは贅沢にも過去を振り返ってみた。『ブルー・バニスターズ』にはいくつかの真っ更な新曲もあるものの、キャリアの初期の未発表曲に光を当てており、ヴィンテージ感の漂う憂鬱さの持ち主から暗号通貨にまで言及する現代人にまで成長した道のりを辿ることができる。

鍵となる楽曲:“Clash”

『NME』のレヴュー:「『ブルー・バニスターズ』では2019年発表の『ノーマン・ファッキング・ロックウェル』や『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリー・クラブ』におけるローレル・キャニオンのフォーク・サウンドを続けることはしていない。しかし、これまで同様、ラナ・デル・レイがなお素晴らしいことを思い出させてくれる」

16位 スリーフォード・モッズ『スペア・リブス』

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一言で言い表せば:キャリアでも最大のビートでもって武装してノッティンガム出身のパンクスは戦争に向かう。

『スペア・リブス』のオープニングを飾る“The New Brick”でスリーフォード・モッズのフロントマンであるジェイソン・ウィリアムソンは次のように歌っている。「保守党にはうんざりだ/矮小な精神によって打ちのめされている」彼は間違っていないが、ノッティンガム出身のデュオはそれを受け入れるつもりはないようだ。スリーフォード・モッズはこれまでで最も反抗的で、カラフルで、大胆不敵で、滑稽で、しばしば奇妙にも美しい作品でEU離脱後のイギリスに対して立ち上がっている。他のバンドにはないキャリアの高みだ。

鍵となる楽曲:“Nudge It”

『NME』のレヴュー:「並外れた『スペア・リブス』はコンクリートの壁に描かれたグラフィティである。マニフェストも簡単な答えもなく、隠れる場所もない」

15位 ビリー・アイリッシュ『ハピアー・ザン・エヴァー』

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一言で言い表せばビリー・アイリッシュは2枚目のアルバムでヴィンテージの影響と不安で現代的なタッチという魅力的なブレンドで私たちを驚かせた。

デビュー・アルバムでグラミー賞を総なめにして、ティーンエイジャーでありながら世界でも最大のアーティストの1人となるなんて、おとぎ話のようにも思える。でも、そうではない。ビリー・アイリッシュが『ハピアー・ザン・エヴァー』というタイトルで示したように脚光を浴びるということはそれほど牧歌的な話ではなく、世間は自分のことを知ることになり、大切にしてきたよりプライベートなことが衆目にさらされることになる。画期的なデビュー・アルバムは攻撃的でエレクトロニックだったのに対して『ハピアー・ザン・エヴァー』はよりあたたかく控え目なサウンドで、名声に付随するものをクラシックかつ少し歪んだサウンドで探求している。

鍵となる楽曲:“Not My Responsibility”

『NME』のレヴュー:「彼女の地位は疑われるようなものではなかったが、『ハピアー・ザン・エヴァー』はビリー・アイリッシュをその世代で最も重要なポップ・アーティストの1人だと確立させることになった」

14位 クレイロ『スリング』

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一言で言い表せば:レディー・オブ・ザ・キャニオンは未来に思いを馳せている。

「私は何者かになって、何者かが私から生まれる」と23歳のアトランタ出身のシンガーソングライターは繊細な“Reaper”で自分が親になる可能性に驚きを見せ、その責任を果たしたいのかどうかに思いを巡らせている。「そこにないものはメチャクチャにすることもできない」ジャック・アントノフとの共同プロデュースによる本作を通して彼女は自分にとっての難問を熟考しているが、共感のできる不確かさも存在している。ロードが参加した“Blouse”はジョニ・ミッチェルやキャロル・キングが伝説を築いた70年代のロサンゼルス・シーンに捧げられている。

鍵となる楽曲:“Blouse”

『NME』のレヴュー:「クレイロは本作でベストを尽くしている。自分の世界を一歩ずつ理解するのに役立つ瀟洒な宝石を作ったのだ」

13位 ゲッツ『コンフリクト・オブ・インタレスト』

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一言で言い表せば:ロンドン発のラッパーはこれまでで最も完成度の高いアルバムで同世代の影から抜け出した。

20年近く、グライムの仲間たちがメインストリームに進出して、自分が一役買った文化的蜂起のリーダーとして祀り上げられるのを見てきたゲッツだが、『コンフリクト・オブ・インタレスト』は長く待ち望まれていた晴れ舞台をもたらすことになった。グライムというよりもラップに近く、練り上げられたプロダクションにケンドリック・ラマーの『グッド・キッド、マッド・シティー』にも通ずる緻密なストーリーテリングを持った本作で、プラーストー出身のゲッツは時間をかけて、エゴを省くことで、赤裸々でまとまりのある新時代の傑作を作り上げ、初の全英チャートのトップ5とマーキュリー・プライズへのノミネートを獲得することになった。

鍵となる楽曲:“Autobiography”

『NME』のレヴュー:「これほど思慮深く赤裸々なアルバムを作るというのは滅多にない偉業だ」

12位 ザ・ウォー・オン・ドラッグス『アイ・ドント・リヴ・ヒア・エニモア』

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一言で言い表せば:フィラデルフィアの男たちはいぶし銀に磨きをかける。トップギアだ。

父親になったこととロックダウンによってバンド・リーダーのアダム・グランデュシエルは内省的な一面が引き出されることになった。赤ん坊の牢獄に入れられる前も彼には切ないソフト・ロック的な側面がなかったわけでもない。しかし、ボブ・ディランの名前が出てくる見事なタイトルトラックから、涙を誘う“Rings Around My Father’s Eyes”まで、このアルバムは驚きと希望に対して気後れするようなメランコリックな感覚に満ちている。アダム・グランデュシエルはもうここでは暮らさないのかもしれない。しかし、しゃがれ声のアメリカーナの完成したブランドはどこにも行くことはないだろう。

鍵となる楽曲:“I Don’t Live Here Anymore”

『NME』のレヴュー:「アダム・グランデュシエルは強迫観念的な思いでその匠の技を身に付け、魂を探るアメリカーナで人生の荒れた道を描き出した」

11位 フォー・ゾーズ・アイ・ラヴ『フォー・ゾーズ・アイ・ラヴ』

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一言で言い表せば:失ったことへの瞑想はレイヴによる追悼へと変貌を遂げる。

ダブリン出身のプロデューサーであるデヴィッド・バルフはキャリアを始めようとこのアルバムを作ったのではなく、他に選択肢がないからこのアルバムを作った。『フォー・ゾーズ・アイ・ラヴ』は幼馴染みの友人で音楽面でのパートナーだったポール・カランが自殺したことを悲しんでいる時に書かれている。デヴィッド・バルフは自分の小屋に閉じこもり、ザ・ストリーツやブリアル、マウント・キンビーのミックステープを聴きながら夜な夜なドライヴをしていたことを題材に取り上げている。その産物はなぜ私たちはレイヴをするのか、なぜ人生を祝福するのかの完璧な証となっている。

鍵となる楽曲:“Birthday / The Pain”

『NME』のレヴュー:「『フォー・ゾーズ・アイ・ラヴ』は完璧なデビュー作というだけでなく、愛した人を失った人、喪に服している人、若気の至りを受け止めている人、あるいは光がなければ影もないことを思い出した人に語りかける美しい1枚だ」

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