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ザ・ルーツのドラマーであるクエストラヴはソーシャル・メディアでザ・ホワイト・ストライプスのメグ・ホワイトのドラム・スキルについて擁護している。

ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトはザ・ホワイト・ストライプスを結成して、21世紀で最も成功したバンドの一つになったが、メグ・ホワイトのドラム・スタイルについては度々批判の的になることがあった。

2002年にメグ・ホワイトは自身のドラムについて次のように語っている。「自分とは違う形で演奏する他のドラマーについては評価するけど、それは自分のスタイルじゃなし、このバンドではうまくいかないと思う。批判されて、悩んだ時期もあったけど、今思っているのはこれがこのバンドに必要なものなんだと分かったということね」

メグ・ホワイトのドラムに関する議論はラクラン・マーケイというツイッター・ユーザーによって蒸し返されており、“Seven Nation Army”について彼は次のようにツイートしている。「ザ・ホワイト・ストライプスの悲劇はまずまずのドラマーがいれば、すごいものになっていたということだね」

「もちろん、『でも慎重に作られた音なんだ』と言われるテイクも全部聴いたけど、残念ながら、メグ・ホワイトはひどいし、パーカッションがダメでよかったバンドなんていないよ」

こうした議論を受けて、クエストラヴはメグ・ホワイトの評価について言及して、この種のコメントが音楽を聴く習慣のネガティヴな変化を象徴していると考える理由を述べている。

「『煽る見解』については放っておこうとしているんだけど、これはあまりにも言い過ぎだね。音楽に起こっていることでよくないのは、インスタグラムのフィルターのように、こうやって音楽の息の根が止められてしまうことなんだ。音楽の完成度を高めようとするあまり、それが曲や音楽のためにならないことがあるんだよ」

「J・ディラの道を通ったのもだからだし、酔っ払ったアマチュアのように演奏するのもだからだ。なぜなら、そこには音楽において求めている人間的要素があるからなんだよ。現実の写真のほうがインスタグラムのフィルターの写真よりも上だよ」

メグ・ホワイトを擁護する声は他のミュージシャンからも上がっていて、アゲインスト・ミー!のシンガーであるローラ・ジェーン・グレイスは次のように述べている。「魂のこもったシンプルさは自分にとって高度な技術よりも感動的なものです。メグ・ホワイトやクラスのペニー・ランボーのようなドラマーを批判したがりますが、誰も彼らの感じを再現できません。こういう悪い受け取り方をするのは常に男性です」

ポーティスヘッドのジェフ・バロウも「彼はこのツイートを後悔することになると思うよ」とツイートしている。

アンノウン・モータル・オーケストラのルーバン・ニールソンはそれに対して次のように続けている。「ジャック・ホワイトが違うドラマーとやったのはたくさんの事例があるし、自分は10回ぐらいホワイト・ストライプスを観たけど、メグ・ホワイトのような人はいなかった。キッズは彼女のドラミングに夢中だったんだ」

別のスレッドでルーバン・ニールソンは次のように続けている。「メグ・ホワイトがなぜ優れたドラマーだったのかについては議論が足りていないよ。自分の考えとしては第一に一分の隙もない感じとクールさ、第二に伸縮性と直感的な時間感覚だね。彼女は観客の求めるものを感じて、それを演奏していた。最高のドラマーでも極めて稀な存在だよ」

「思い出すのはキッズだった頃、楽屋でメグ・ホワイトと過ごすことになったことがあって、彼女はフルスキンのレザー姿でソファにもたれかかりながら、ウイスキーのジェムソンのボトルをくれたんだ」

ザ・ホワイト・ストライプスは2011年に解散しており、以降メグ・ホワイトは音楽活動を行っていない。

ザ・ホワイト・ストライプスは2003年発表の『エレファント』の20周年を記念して、2つの作品が一般リリースされることが決定している。

1つ目はデジタル・アルバム『エレファント(デラックス)』で、オリジナルのスタジオ・アルバムのリマスターHDオーディオと、2003年7月2日にシカゴのアラゴン・ボールルームで行われたエレファント・ツアーの27曲のライヴ音源が収録され、3月31日にリリースされる。

2つ目はオリジナル・アルバム『エレファント』の限定2枚組カラー・ヴァイナルで、4月21日にリリースされる本作は1枚目がレッド・スモークで、2枚目がクリア・ウィズ・レッド&ブラック・スモークとなる。

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