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12月20日にアップル・ミュージックより最新ツアーの映像作品『ザ・1989・ワールド・コンサート・ツアー』をリリースするテイラー・スウィフトが、その配信を前に、アップル・ミュージックのラジオ・サービス「Beats 1」のゼイン・ロウの番組に出演し、インタヴューに答えている。

インタヴューのはじめに、テイラー・スウィフトは、ここまでの経緯を振り返り、アップル・ミュージックのサービスにおいて3ヶ月の無料トライアル期間はミュージシャンらに報酬を支払わないというアップルの方針を公に批判してから6ヶ月経った今、アップルが彼女のツアー映像を独占配信するに至った過程を説明している。

『ザ・1989・ワールド・コンサート・ツアー』のトレイラー映像はこちらから。

「(公開書簡が)多分すべての始まりだったと思うわ。それまでアップルと個人的な繋がりはなかったから」と、テイラー・スウィフトは説明している。「この件は、色々な方法で何年も繰り返し主張してきたものだから、今回こんなに大きな注目を集めるとは思っていなかったの。多分『ほら、またテイラーが作曲家やプロデューサーへの報酬について、うるさいことを言っている』って言われるんだと思っていたわ。音楽を作りたいと思っている人すべてに、そして今ピアノのレッスンを受けている小さな子どもにも、目指せる業界があって欲しいと思うの」

当初テイラー・スウィフトは、アップル社からの反応を心配していたが、この投稿は広く支持され、翌日同社に方針を反転させるきっかけとなった。「圧倒されるような恐怖の気持ちに襲われたわ。『電話を止められちゃうかしら? 私をビデオで監視するかしら? 今も見てるのかしら? 明日起きたらiTunesから私の曲がすべてなくなっているかしら?』ってね。本当にとても怖かった」

彼女は続けて、次のように語っている。「数時間があっという間に過ぎて、全部変わっていた。彼らは自分たちのしたことに大変謙虚な姿勢を示してくれたから、私だけではなくて多くのアーティストが、アップルが私たちコミュニティの声にきちんと耳を傾けてくれたことに、尊重されていると敬意を感じることができたと思う」

公開書簡が大きな話題となってから一定の期間が経ち、アップルは、ツアーの映像化の案を引っさげて、再びテイラー・スウィフトにアプローチしてきたという。米『ビルボード』誌のボックススコアによると、このツアーにより2億1700万ドル(約265億7800万円)以上の売上を上げている。ツアーには、ロードやセレーナ・ゴメス、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・レジェンド、ミック・ジャガー、フェティ・ワップを含むテイラー・スウィフトの友人や仲間のアーティストたちが多数サプライズ出演し、度々話題を呼んだ。「彼らミュージシャンが、自分たちのやっていることをいかに愛してるかを表わしているんだと思う。音楽が好きだっていうだけで、無償で誰かのステージにひょっこり顔を出してくれるんだから」と、テイラー・スウィフトはゲストたちについて語り、次のように続けている。「単純に会場に集まってくれたお客さんたちは楽しいし、パーティーみたいなものだから。しばらくしたらより多くの人が引き受けてくれて、誰もが『いいよ』って言ってくれるようになったわ」

85公演に及んだワールド・ツアーも終わりを迎え、ファンは自然と次のアルバムの可能性を考え始めるが、テイラー・スウィフトはまだコンセプトは浮かんでいないと即答している。「今はとにかくクオリティにフォーカスしているの。『いいわ、何かすごいものを作りましょう』っていう感じにね」

インタヴューのさらなる模様は、以下の映像で観ることができる。

『1989』がカントリーではなくポップ・アルバムであることについては次のように語っている。「1回に1つの目標を持つタイプなの。『1989』は、私にとってとても大きな変化だった。カントリーから外れてポップをやりたいという気持ちはあって、しかもとても分かりやすくやりたかったの。もちろん、チームからは多くの反対を受けたわ。だってうまくいっているんだったら、『何でわざわざ変えるのか?』って多くの人が思うでしょう。でも私はただ、これまでに作ってきたものと違うものを作りたかったの。だからこのアルバムを自分で作って、それをレーベルに持ち込んで言ったの。『これなの。これはポップに分類されるものよ。あなたたちにとって大きな変化であることは分かっているけれど、私にとって自然なことなの』ってね」

友人たちがアルバムの製作やツアーに参加していることについては次のように語っている。「もし友人を巻き込まなかったら、その方が不自然でしょうね。私がこのアルバムを作れるようになるまで、多くの人が私を助けてくれた。こう言ってくれた人たちがいたの。『レーベルの言いなりになるな。自分がやりたいことをやれ。君がやりたいことに向かって変わることを否定する人たちの声を聞くな』って。だからこのアルバムができた時、楽しいから一緒にキャット・ウォークを歩いたわ。私たちがやったことはすべて、ただ楽しいからっていうだけの理由よ。今回のツアーに関しては、最高の思い出が残ったわ」

さらに彼女は、「1番おもしろい人」(エスト・ハイム)と「最も誠実な人」(ロード)を選出している。

「私のキャリアにとってブレイクスルーになった年がいくつかあると思っていて、その1つが、18歳の時に作ったアルバム『フィアレス』を出した時ね。あれは本当に、急激な出来事で素晴らしく、圧倒的で大きな成功だった。でも、私はトルネードに巻き込まれたような感じだったの……。今年は感じることのなかった大きなストレスと不安を当時は感じた。今年も私にとって大きな1年だったけど、同様にとても楽しかったの。そのことをとても嬉しく思っているわ」

成功に伴う問題と付き合うことについては次のように語っている「少し怖いなと思うのは、私がした間違ったことや、私の問題点を見つけることがどれだけ価値のあるものになってしまったかということ。本当に怖いと思うこともあるわ。『ホテルの部屋の中を撮ろうとしているのは誰?』って。すべての部屋のブラインドを閉めて暮らすのよ。これが時々私に起こることで、毎日のことなの。今もそう。『TMZ』の人が私のゴミを漁って、私が何か悪いことをしていないか見つけようとしているのよ」

「下を向いている時だけ、それを問題だと感じてしまうの。自分がしていないことについてまで自分を責めて、本当に恐ろしくて悪い想像に憑りつかれてしまって、いつも自分を引きずり降ろそうとしている人がいるような気がする時があるでしょう。でも、私は大丈夫。だってこれは私が望んだことだし、ステージに立つことができて、これが大好きだから。もし他の人が何からの影響を受けることになったら、それは本当に問題だと思うでしょうけどね」

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