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グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーの前会長で、現在は職務停止となっているデボラ・デューガンはセクシャル・ハラスメントを訴えた後で会長の職を追われることになったとしてレコーディング・アカデミーに対して訴訟を起こしている。

先日、「不正疑惑」が持ち上がっているとして職務停止とされたことが発表されたデボラ・デューガンは今回、雇用機会均等委員会(EEOC)と共にレコーディング・アカデミーを相手取って訴訟を起こしている。

EEOCによる訴状の中で、デボラ・デューガンは自身が職務停止とされたことについてレコーディング・アカデミーに関する深刻な疑念や「主に男性によって主導されてきた歴史」について詳細に綴ったメールを人事部の取締役に対して送ったところ、その数週間後に処分が下されることになったと主張している。

訴状ではデボラ・デューガンの職務停止処分について彼女が告発したことに対する直接的な報復だと述べられているほか、彼女自身がセクシャル・ハラスメントの被害も受けていたと述べられている。

「デューガン氏に対する職務停止処分の決定が告発に対する報復であることは明白であり、アカデミーに対する告発を続ければ職を追われかねないという、脅迫を帯びたものになっています」と訴状では述べられている。

一連の告発の中で、デボラ・デューガンはレコーディング・アカデミーの前会長であるニール・ポートナウが女性アーティストから性的虐待で訴えられているとも述べている。現時点でニール・ポートナウは彼女の主張に反応を示していない。

デボラ・デューガンの前任者であるニール・ポートナウは2018年、グラミー賞授賞式で女性たちは「進歩しなければいけない」と発言したことで物議を醸していた。

訴状ではグラミー賞において「歴史的」に女性やマイノリティの人々が不足していたことにも言及されており、レコーディング・アカデミーについて「黒人アーティストに名誉を与えていないとして度々批判されきた」と述べられている。

レコーディング・アカデミーはデボラ・デューガンの主張に対し、CNNに発表した声明でその内容を否定して、彼女について「『有毒で耐え難い』職場環境を作り出し、『虐待的でイジメのような行為』に従事した」とする疑惑が彼女に持ち上がるまでデボラ・デューガンが行動を起こさなかったことを「興味深い」としている。

声明では次のように続けられている。「デューガン氏は辞任を提案されたことに対して非営利団体であるレコーディング・アカデミーに2200万ドルの支払いを求めており、職務停止はそれに対するものでしかありません」

一方、デボラ・デューガンの弁護士はレコーディング・アカデミーの主張に対し、彼女について「レコーディング・アカデミーでの在職期間を通じて再三にわたって懸念を表明してきており、取締役会において多様性や内包性を重視した提案を行って」きたと述べている。

デボラ・デューガンはレコーディング・アカデミーの会長に就任する以前、U2のボノが2006年に立ち上げたエイズのチャリティ団体である「RED」でCEOを務めていた。

第62回グラミー賞授賞式は現地時間1月26日にロサンゼルスのステイプルズ・センターで開催される。

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