コールドプレイのフロントマンであるクリス・マーティンは来たるニュー・アルバム『エヴリデイ・ライフ』からの新曲となる“Orphans”と“Arabesque”の2曲のリリースに先立って、新作について日常生活における浮き沈みや世界の情勢に影響を受けていると明かしている。
世界各国に掲出された謎めいたヴィンテージ風のポスターによる告知を経て、コールドプレイは11月22日に新作『エヴリデイ・ライフ』をダブル・アルバムの形態でリリースすることを発表しており、10月23日付の『ノース・ウェールズ・デイリー・ポスト』ではトラックリストも明らかになっている。
今回、コールドプレイは新作からの最初の楽曲となる“Orphans”と“Arabesque”の2曲を現地時間10月24日午後7時30分(日本時間10月25日午前3時30分)に初公開することが新たに発表されている。
「人間であることについての作品なんだ」とクリス・マーティンはBBCラジオ1のアニー・マックの番組に出演して語っている。「毎日が素晴らしくもあり、恐ろしい日々でもあるっていうさ……ある意味では自由と言えるよね。地球は多くの人生で溢れ返っているわけでね」
「(アルバムは)どこにでも感じることのできる後ろ向きなものに対する僕らなりの反応なんだよ。たくさんの問題があるわけだけど、前向きなことだってたくさんあるし、素晴らしい人生がたくさんあるわけでね。その意味で、物事の意義を理解しようとしながら、自分たちの感じていることや目にしていることを歌っているものなんだよね」
クリス・マーティンは続けて、現在の社会・政治的な情景や世界の出来事が新作の歌詞に影響を与えていると説明している。
「実際のところ、前回のツアーにあったもののおかげで周囲の反対を恐れずにオープンに話ができるようになって、穏やかな気持ちでいられるところがあるんだ」と彼は続けている。「『バンドとしてここまで辿り着いたから、もうキャリアを気にする必要はない』って初めて思えるまでになってね。自由に声を上げて、人生のあらゆる側面を受け入れることにしたんだ」
「実際に実生活で起きた事実についてのとてもパーソナルな要素も含まれていれば、僕や僕らが目にすることについてだったり、他の人たちが経験してきたことを理解しようとする試みと言える要素も含まれているんだ」
クリス・マーティンは次のように続けている。「よりよい時間を過ごすための手段の一つとして、僕は他の人の立場に立つことが重要だと考えていてね。シリアを去らなければいけない子供たちだったり、ボルチモアで育った子供たちでも、どんな人たちでもいいんだけどさ。離れた所から決めつけるのではなく、『自分がそこにいたらどうなっていただろう』ということを考えてみるんだよ」
クリス・マーティンのインタヴューの全編は日本時間10月25日午前3時30分よりBBCラジオ1で放送される。
コールドプレイの友人でコラボレーターのマット・ホワイトクロスは昨年、『NME』に次のように語っていた。「いくつかの音源を聴いたし、彼らがそれについて話しているところを撮った映像もあるんだ。だけど、それを私が話すわけにもいかないと思うからね。興味深いものなんだけどね」
「彼らほどの成功したバンドになると、『アルバムを作っている最中に違いない』と常に報じられるのがつきものだけどさ。バンドが気に入られようが気に入られまいが、アルバムの1枚1枚が実験的なものになっているわけで、前作とは著しく違うものになるわけでね。レディオヘッドのようなバンドがいい例だよ。コールドプレイはまだ、ファンがすべからく『何だこれは?』となるような『キッド A』的なアルバムを書いたことがあるわけではないけど、新作の最初の曲とそれまでで最も最近の曲を聴き比べれてみれば、新曲は予測できなかったようなものになっているんだ」
「彼らは常に自分自身にチャレンジを課し、他の人たちを驚かせようとしているんだよ。ブライアン・イーノのような人と仕事をしているのもそれが理由だよね。そういう意味でも、彼らの次のアルバムが人々を驚かせることになるのは間違いないよ」
また、コールドプレイはメタリカやビリー・アイリッシュらと共に2020年9月26日に開催される「グローバル・ゴール・ライヴ:ザ・ポッシブル・ドリーム」に出演することが決定しているほか、2020年にグラストンベリー・フェスティバルに出演する可能性も取り沙汰されている。
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