モリッシーは市民からの苦情を受けてニュー・アルバム『カリフォルニア・サン』のポスター広告がリヴァプールの公共交通機関から撤去されたことに言及している。
リヴァプールの交通機関であるマージーレールは先週、反イスラムを標榜する活動家であるアン・マリー・ウォーターズによって設立された物議を醸している政党「フォー・ブリテン」への支持を表明したモリッシーの政治的見解に対する利用者の抗議を受けてポスターの撤去を決定している。
今回、モリッシーは「ミュージック・ニュース・コム」のインタヴューに応じて、マージーレールや「いつも批判してくる人々」に対するメッセージはあるかという質問に次のように答えている。「すごく(アドルフ・ヒトラーが率いていた)第三帝国的だよね。そうだろ?」とモリッシーは答えている。「イギリスの芸術において、いかに最も狭い思想だけが許容されているかということを証明しているよね」
「議論の自由も許されていないんだ。多様性というものの究極的な拒絶だと思うね。BBC1で放送されている『クエスチョン・タイム』を観てもらえれば、そこではいつも同じ議論が行われているわけでね。残念なことに、僕らは『愚かな時代』を生きてしまっているんだ。早く過ぎ去ってくれることを祈るしかないんだよ。(イギリスでメディアや芸術におけるモラルの向上を訴えてきた)メアリー・ホワイトハウスが10ポンド紙幣に印刷されていないことにすら驚いているよ。まあけど、マージーレールに争いを挑むつもりはないよ……もっと平坦な人生にならないものかね?」
また、モリッシーは「UKにおける自身の立場」が「突如として抽象的なものになってしまった」として、次のように続けている。「僕が批判を浴びていない唯一のことは、1944年のノルマンディー上陸作戦くらいだね」とモリッシーは語っている。「時間を与えてやるのがいいんだと思うよ」
モリッシーの今回の発言は、先日、「ザ・トゥナイト・ショウ・スターリング・ジミー・ファロン」にフォー・ブリテンのバッジを着けて出演したことについて声明を発表したことに続くものとなっている。番組の余波やマージーレールによるポスターの撤去のほか、世界最古のレコード・ショップにまで及んでおり、カーディフにあるスピラーズ・レコードはモリッシーのカタログ作品の販売を取り止める決定をしたことを発表している。
モリッシーは「morrisseycentral.com」に寄せた声明で次のように述べている。「残念ながら、イギリスの紙媒体による僕についての捻じ曲げられた解釈はすべて間違っているんだ。多くの人々が囁くことすらも躊躇するような時代において、出版メディアはまるで誰かがその人を追い詰めようとしているかのような文章を書く。この痛ましい緊張感こそが、憎しみや被害妄想を生み出しているんだ」
モリッシーは5月24日に新たなカヴァー・アルバム『カリフォルニア・サン』をリリースしている。『NME』は2つ星をつけたレヴューの中で同作について次のように評している。「非公式な見解として、『カリフォルニア・サン』がカヴァー・アルバムになっているのは、モリッシーが自身の12作目となるスタジオ・アルバムについてそれ自体が語ってくれるものにしたかったからというところがある。さて、それが何を物語っているのかと言えば、あまりいい作品ではないということだ」
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