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デーモン・アルバーンは「EU離脱を巡って行き詰まっている状況」を打破するために市民主体の評議会を作るという案に署名している。

EU離脱までの期限が迫るなか、イギリス政府は混沌とした状況にあるが、ブラーとゴリラズのフロントマンであるデーモン・アルバーンは今回、「組織的な混乱に陥る前にイギリスを団結させるため」に、政治家よりも市民の手に権限を与えることを目的とした評議会の設立を提案する公開書簡に署名している。

「見渡してみれば、議会においてどんな論点についても多数派を見つけることができません。

いかなる多数派の支持を獲得している議題も見つけることができません。残留を主張している派閥もあれば、離脱協定案など必要ないと主張する派閥、(EU非加盟国である)ノルウェーに倣うべきだという派閥、国民投票をもう一度実施すべきだと主張している派閥もあります」と『ガーディアン』紙に掲載された公開書簡には記されている。「同じような亀裂がUK全土にも広がっています。怒りや憤りが蔓延し、家族やコミュニティ、そして私たちの国家を分断しようとしているのです」

「何かしらの新たな介入がなければ、国民の生活に悪影響を与えている今の毒された文化によって、民主主義や全国民の将来に消すことのできないダメージがもたらされてしまうことでしょう」

彼らの提案は、8週間を準備期間に充て市民からランダムに500人ほどを招集して評議会を作るというもので、その後、評議会で議論された証拠や事実に基づいた様々な議題に関する議案をイギリス議会に提出するというものになっている。

公開書簡には次のように記されている。「市民による評議会を設立するのです。政治家によるものではありません。互いに怒鳴り合ったりオンライン上や現実世界で口論をするのではなく、きちんと話し合って、相手の言葉に耳を傾けてお互いに納得のいく地点を見つけるのです。議会が生み出した成果を批判してそれに取って代わろうとするのではなく、EU離脱をいかにして決めるべきかを議会に提案し、今の行き詰まった状況を打破して、このつらい分断された国家を回復させようというものなのです」

「EU離脱を前に、イギリス国民の忍耐力が問われています。前進するためにも民衆の知恵を信頼して、それを人々の相違を解消するために用い、民主主義をさらに強めて我々を団結させるために用いるのです」

公開書簡にはデーモン・アルバーンのほか、元カンタベリー大主教のローワン・ウィリアムズ、ユダヤ教のラビであるローラ・ジャナー・クラウスナー、小説家のジョナサン・コー、ジャーナリストのキャトリン・モラン、多くの著名な学者らが署名している。

デーモン・アルバーンは先日、2016年に行われた国民投票でEU離脱派が勝利した時のことを振り返り、「奇妙なことではあるんだけど、わずかながらに僕にも責任があるように感じてしまった」ことを明かしている。

「あの(国民投票の結果が出た日の)朝に感じたショックは、僕ら残留派がそれ以前から感じていた絶望感をよく表していたと思うよ」とデーモン・アルバーンは語っている。「自分本位な推測ではあるけど、この国にいる他の人たちもそう感じたんじゃないかって、すごく思ったんだ。教訓になったよ」

デーモン・アルバーンはザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンの音楽が会話を「再開」させるきっかけになればと語っている。「僕たちは民族間で話し合うという能力を失ってしまったんだ。でも、僕にはこういう希望があるんだけどね。今のゴタゴタがすべて終わったら、お互いに意味のある質問ができるようになるじゃないかっていうね。『僕たちはどんな存在だろう? 僕たちはどうなりたいのだろう?』ってさ」

デーモン・アルバーンはまた、リタ・オラやジャーヴィス・コッカー、エド・シーランらと共にEU離脱に抗議するためのテリーザ・メイ首相への公開書簡に署名し、万が一イギリスがEUを離脱すれば、「自ら築いた文化的な牢獄」の中でイギリスの音楽業界における「幅広い声」が無視されることになると訴えている。

この公開書簡はボブ・ゲルドフによって書かれたもので、ブライアン・イーノ、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー、ジョニー・マー、ニック・メイソン、アラン・マッギー、ウィリアム・オービット、ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナント、ロジャー・テイラー、ポール・サイモン、スティングらも署名している。

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