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ザ・スミスのドラマーであるマイク・ジョイスは新たなインタヴューでモリッシーの政治的発言に言及して、その「独特な関係性」について語っている。
マイク・ジョイスは11月6日に回想録『ザ・ドラムス』を刊行している。本書は「自称世界一のザ・スミスファン」の視点からバンドのありのままの姿をファンに届けるものになると紹介されている。
マイク・ジョイスは『ガーディアン』紙のインタヴューでザ・スミス在籍時やバンド・メンバーとの法廷闘争、物議を醸すモリッシーの政治的見解について語っている。
モリッシーは2016年にイギリスのEU離脱をめぐる国民投票の結果を「立派」だとして、ナイジェル・ファラージを「リベラルな教育者」と評しており、その右寄りの政治的見解は注目を集めることとなっていた。
2018年にはモリッシーはイギリスの極右政党である「フォー・ブリテン」党への支持を表明する公開書簡を投稿している。アン・マリー・ウォーターズは、イギリス独立党党首のナイジェル・ファラージから自身や支持者について「ナチスのレイシスト」と揶揄されたことからイギリス独立党を離党し、「フォー・ブリテン」党を設立していた。
2019年にはテレビ番組『ザ・トゥナイト・ショウ・スターリング・ジミー・ファロン』に出演した際にモリッシーが「フォー・ブリテン」のバッジを身に付けていたことで物議を醸すこととなっている。
今回、『ガーディアン』紙のインタヴューでマイク・ジョイスは次のように語っている。「私の見た限りではモリッシーは私とは全然違う政治的見解みたいだね」
「でも、それは彼の意見だからね。彼はいろんなことに怒っているようだ。もちろん、みんなが『ザ・スミスを聴けない。アーティストとアートを切り離せない』と言うのは聞いてきた。もしそう思うなら、それでも構わないよ」
マイク・ジョイスはザ・スミスの音楽を避けるという選択は自分には理解できないとしながらも「まったく違う視点で聴くようになった」とも語っている。
マイク・ジョイスはザ・スミスの結成時についても振り返り、モリッシーが「ほとんど自分に話しかけてくることはなかった」として、著書でモリッシーを描写するのが難しかった理由について説明している。
「自分がモリッシーのことを好きじゃないように見えてほしくはなかったんだ。彼は本当に最高なんだよ。愉快な人物で、切れ味鋭いユーモアがある。でも、私たちは独特な関係性なんだよ。距離があるんだ。私たちがまったく違う人間であることは受け入れているよ」
先日、モリッシーはザ・スミスのバンドメンバーとの「ありとあらゆる繋がりに疲れ果てた」として、ザ・スミスに関する権利を売却したいと述べている。
モリッシーは次のように説明している。「ジョニー・マー、アンディ・ルーク、マイク・ジョイスとのありとありとあらゆる繋がりに疲れ果てたんだ。悪意のある関係性はもう十分だ。人生を通して、自分たちの曲やイメージに対する正当な代償を支払ってきた。もう悪意と破滅だけを願う者たちとは関わりを持たないで生きていきたい。それが唯一の解決法なんだ」
「曲は私だ。他の誰でもない。なのに、年々、過剰なまでのコミュニケーションを伴い、不安と悪意が生み出されている。もう今は自分自身を、特に健康を守らなければならない」
今年6月、ジョニー・マーは「途轍もない」金額だったザ・スミスの再結成のオファーを断った理由について語っている。「信条の問題も少しあったけど、自分もバカじゃないからね。雰囲気が正しくないと思ったんだ。途轍もない金額だったけど、自分のやっていることが好きだったし、そっちのほうが楽だったからね。そういう状況なんだよ。これまで以上に最高の曲を書いてみたいし、素晴らしいパフォーマーになりたいんだ」
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