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スティーヴン・ウィルソンはブラック・サバスの『ブラック・サバス4』のリミックスを手掛けたが、他の作品を手掛けていない理由について説明している。
ザ・ポーキュパイン・ツリーのフロントマンであるスティーヴン・ウィルソンは過去の名作のリミックスを2009年から手掛けており、これまでティアーズ・フォー・フィアーズ、ABC、シック、ウルトラヴォックス、スウェード、ザ・フー、ヴァン・モリソンらの作品を手掛けている。
ブラック・サバスが1972年に発表した『ブラック・サバス4』のリミックスも手掛けているが、この作品が彼による唯一のリミックス作になっている理由についてスティーヴン・ウィルソンは『ノイズ11』の新たなインタヴューで語っている。
「テープがなくなってしまっているんだよ」とスティーヴン・ウィルソンは語っている。「典型的な例だよね。長年の中ではこういうことが何度かあった。やりたい気持ちはあった。レコード会社も、マネージャーもやりたいと思っていた。私もやりたかった。けれど、テープが見つからなかったんだ」
「見つかったのはバンドが別テイクを演奏するアウトテイクのリールだった。だから、やれることはやった。そうしたアウトテイクをミックスして、アルバムのファンなら魅力的なものになったと思う。ブラック・サバスが“Supernaut”や“Wheels of Confusion”を別テイクをやっているものを聴いたんだけど、素晴らしい音源だったんだ」
スティーヴン・ウィルソンは他のアルバムのマスター・マルチトラック・テープの状況について背景を説明している。「残念ながら、アルバムそのものをミックスすることはできなかった。なぜなら、他のアルバムと同様にマルチトラックのテープはなくなってしまっていたんだ。悲しいことにね」
先日、スティーヴン・ウィルソンはガンズ・アンド・ローゼズの空間オーディオによるリミックスを手掛けたが、バンドによってお蔵入りになっていることも明かしている。
「大変だったのは私がやったものをバンドが気に入らなかったということだね」とスティーヴン・ウィルソンはポッドキャスト『スカーズ&ギターズ』で語っている。「レコード会社から話が来て、全曲やってみたんだけど、バンドにすべて拒否されてしまったんだ。だから、世に出ているのは本物のオーケストラを加えた“November Rain”のリミックスだけなんだ」
スティーヴン・ウィルソンは次のように続けている。「残念だよ。あのアルバムにはたくさんの曲が収録されていて、40トラック近くやったんだ。アウトテイクやB面曲なんかをね。でも、バンドは方針を変えて、気に入らないということにしてしまったんだ」
「ドルビー・アトモスが好きじゃなくて、空間オーディオを好きじゃなかったんだ。だから、あのプロジェクトは私のハードドライヴに眠っている状態で、リリースもされず、未発表になっている。残念だよ。素晴らしいレコードなんだ。でも、バンドの方針転換や、その他諸々のことで行き詰まってしまったのは残念なことだよね」
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