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スライ&ザ・ファミリー・ストーンのスライ・ストーンが亡くなった。享年82歳だった。

訃報は遺族によって発表されており、「慢性閉塞性肺疾患と他の基礎疾患との長期にわたる闘病の末」に穏やかに亡くなったという。

「深い悲しみと共に愛された父親であるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのスライ・ストーンが亡くなったことを発表します」と声明には記されている。「慢性閉塞性肺疾患と他の基礎疾患との長期にわたる闘病の末、3人の子ども、近い友人、親戚に囲まれながらスライは穏やかに亡くなりました。彼の不在を悼む一方で、彼の卓越した音楽的遺産が今後何世代にもわたって響き続け、人々を鼓舞し続けることを知り、慰めとしています」

「スライはポップ、ファンク、ロックのランドスケープを再定義した偉大な人物にして画期的な革新者であり、真の先駆者でした。そのアイコニックな楽曲は世界に消えない痕跡を残し、その影響力は否定しようのないものです。彼の不朽のクリエイティヴなスピリットの証としてスライは先日、自身の生涯を題材にした脚本を完成させていました。このプロジェクトは、2024年に出版された回顧録に続くもので、適切な時期に世界に公開できるのを楽しみにしています」

「この困難な時期に寄せられた愛と祈りにも深い感謝の念を持っています。スライの人生と彼の象徴的な音楽に触れたすべての方々に平和とハーモニーがもたらされることを願っています。皆様の揺るぎない応援に心から感謝申し上げます」

1943年にテキサス州でシルヴェスター・スチュワートとして生まれたスライ・ストーンはカリフォルニア州のベイ・エリアで育ち、兄妹のフレディやローズと共に早い頃からゴスペル・ミュージックを披露していたという。学校で付けられた「スライ」という仇名はシルヴェスターの省略「Syl」をもじったもので、高校生の頃にはキーボード、ギター、ベース、ドラムをマスターしていた。

レコード・プロデューサー、DJとして働きながら、スライ・ストーンは1966年に人種や性別を超えた混合グループ、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成している。“Dance to the Music”、“Everyday People”、“Thank You (Falettinme Be Mice Elf Again)”、“I Want to Take You Higher”、“Family Affair”、“If You Want Me To Stay”といったヒット曲を生み出すこととなり、ファンクの発展に重要な役割を果たし、ソウル、サイケデリック、ロックなどのスタイルを融合させることになった。

スライ・ストーンの薬物乱用と奇抜な振る舞いによって1970年代中盤にスライ&ザ・ファミリー・ストーンの活動は終わりを迎え、その後、あまり成功しなかったソロ・アルバムをいくつかレコーディングしたものの、その後はパーラメント・ファンカデリック、ボビー・ウーマック、ジェシー・ジョンソンなどとコラボレーションも行っている。

80年代と90年代を通してスライ・ストーンがスポットライトを浴びることはなかったが、薬物や武器の所持に関する容疑でたびたび法的なトラブルに巻き込まれることとなった。

スライ・ストーンは1993年に他のスライ&ザ・ファミリー・ストーンの結成メンバーと共にロックの殿堂入りを果たしている。2006年までパフォーマンスに復帰することはなかったが、その年のグラミー賞授賞式ではグラミー賞で元バンドメンバーやエアロスミスのスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー、ジョン・レジェンドらと共にスライ&ザ・ファミリー・ストーンのメドレーを演奏する素晴らしいパフォーマンスを披露している。その後もスライ・ストーンは断続的にパフォーマンスを披露しようとしたが、度重なる遅刻がその障害となっていた。

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