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音楽PR界の重鎮であるアラン・エドワーズは『NME』にデヴィッド・ボウイが商業的成功の絶頂期にどのように変装していたかについて語っている。

PR会社の「ジ・アウトサイド・オーガニゼーション」の創業者であるアラン・エドワーズはこれまでデヴィッド・ボウイのほか、ザ・ローリング・ストーンズ、プリンス、ブリトニー・スピアーズらと仕事をしてきている。

アラン・エドワーズは今回、回想録『アイ・ワズ・ゼア:ディスパッチズ・フロム・ア・ライフ・イン・ロックンロール』を刊行しており、『NME』のインタヴューでデヴィッド・ボウイが名声とどう向き合っていたかについて語っている。

「デヴィッド・ボウイとは彼が映画『戦場のメリークリスマス』をやった後に会ったんだ。だから、映画スターのような扱いだった。それにレーベルの契約がなくなった時で、『ロウ』や『ヒーローズ』のような作品はベイ・シティ・ローラーズのように商業的にいい作品だとは思われていなかった」

「ツアーに一緒に出た時に、いかに実直で魅力的な人物かが理解でき始めた。トッテナム・コート・ロードにある私たちの事務所に来てくれて、全員のためにコーヒーを淹れてくれたんだ」

「彼は気づかれない方法として布製の帽子を被って、ギリシャ語の新聞を小脇に抱えることだという秘密を教えてくれた。そうすれば、彼じゃないかと思っても、よく見たら『そんなはずはない。ギリシャ人に違いない』と思うと言うんだ」

「インタヴューの時もそうだった。ファースト・クラスでも何でもない電車でやることが多かったんだけど、驚くほど多くの人が二度見するんだけど、『彼のはずがない。マンチェスターに行く、ただの人だ』と思うんだよ」

「この本に書かれている例としてはラジオのインタヴューが終わった後、何もすることがなかったので、ラジオの交通情報を担当したことがあったんだ。彼はM25に遅れが出ていることを伝えていた。今日まで誰もあれがデヴィッド・ボウイだったと気づいてないと思うよ。彼は途轍もないクリエイティヴ面での天才でありながら、純粋で、魅力的で、素敵な紳士でもあった」

デヴィッド・ボウイについては先日、女優のパッツィ・ケンジットが彼との逸話について人生で「最もエロティックな体験」だったと振り返っている。

パッツィ・ケンジットは1986年公開の映画『ビギナーズ』でデヴィッド・ボウイと共演しており、当時彼に対して「完全に畏敬の念を抱いていた」と述べている。

「彼が私に恋に落ちて、駆け落ちするのを想像していたから裏切られたわ。もちろん、私は彼と握手するために列に並んだ一人だった。本当に落胆したわ」

「でも、ある日、楽屋を訪れて、ドアから顔を出して挨拶してくれたの。そうしたら、彼が近づいてきてくれて、私の髪をブラッシングし始めた。何も言わず、ブラッシングして、立ち去った。人生で最もエロティックな体験だった」

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