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EU離脱の交渉にあたったバロン・フロストは政府の委員会における答弁でアーティストのヨーロッパ・ツアーをめぐってエルトン・ジョンの主張に反論している。

ヨーロッパにおけるミュージシャンとクルーのビザなしの渡航と労働許可を求める交渉が失敗に終わったことで、エルトン・ジョンは今後のツアーを危機にさらしているとして頻繁に政府を批判してきた。先日もエルトン・ジョンは政府を若いアーティストをいじめる「俗物主義者」だと批判している。

エルトン・ジョンは過去にバロン・フロストと面会して「悲劇的結末」が迫っているとして「失われた」世代を生み出す可能性があると伝えていたが、今回、バロン・フロストはエルトン・ジョンの意見に反論している。

ツアーを巡る状況が40年前とは違うこと、これまでアーティストが謳歌してきたツアーの自由が奪われる事実を完全に無視して、バロン・フロストは委員会で次のように述べている。「指摘しないでいられないのはエルトン・ジョンが最初のヒットを飛ばしたのはUKが欧州連合のメンバーになる前ということです。欧州連合に単一ルールが適用されてからよりも、その影響を受けていたと思います」

状況が変わらなければ、ヨーロッパにおける今後のツアーはミュージシャンやクルーに多大なコストが必要となると見られ、新人アーティストにとってツアーができないガラスの天井になる可能性が指摘されている。

バロン・フロストは次のように続けている。「みなさんがそうした状況に直面することになるのは申し訳なく思います。この国は欧州連合を離脱することを決め、移動の自由を終わらせることにしました。しかし、これは大きな変化をもたらすことになるでしょう。その変化が起きないようにしようとしても仕方ありません」

先日、レディオヘッド、ウルフ・アリス、アイドルズ、ポピー・アジューダなど、200組を超えるアーティストや音楽業界の団体は「#LetTheMusicMove」というキャンペーンに協力しており、EU離脱後のツアーを巡る失策について行動を起こすようイギリス政府に求めている。

EU離脱が決まった国民投票からちょうど5年となる6月23日に「#LetTheMusicMove」というキャンペーンが発表されており、これはヨーロッパ・ツアーが再開した時にミュージシャンやクルーが直面する費用や手続きを削減することを求めるものとなっている。

前述のアーティストに加え、アンナ・カルヴィ、スカンク・アナーシー、エヴリシング・エヴリシング、ボブ・ゲルドフ、エディターズ、マーク・ノップラー、トゥー・ドア・シネマ・クラブ、ニュー・オーダー、リック・アストリー、ゴーストポエット、ミッジ・​ユーロ、グラスヴェガス、アンナ・メレディス、ゲット・ケイプ・ウェア・ケイプ・フライ、キーン、ケミカル・ブラザーズ、ポーティスヘッドのベス・ギボンズ、ブラーのデイヴ・ロウントゥリー、ジャイルス・ピーター​ソン、ジャック・ギャラット、デイヴ・​オクム、ビル・ライダー・ジョーンズ、ピンク・フロイドのニック・メイソンら多くのアーティストが参加している。

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