ザ・シーホーセズ
ザ・ストーン・ローゼズを脱退後に、ギタリストのジョン・スクワイアは新たに結成したバンドが。ザ・シーホーセズだった。1997年のアルバム『ドゥ・イット・ユアセルフ』ではデヴィッド・ボウイのプロデューサー、トニー・ヴィスコンティを迎え、リアム・ギャラガーと共作したが、バンドはこれでも満足できなかったようだ。ジョン・スクワイアが「俺は『これはひどい音だ、俺たちはこの場にいるに値しない』って思った」と語っている様子が、このバンドを解散する前に収録されて残っている。
ジルテッド・ジョン
イギリスの喜劇俳優、グラハム・フェロウズの生み出したキャラクターが、このノベルティ・シングルの主役となった(タイトルも『ジルテッド・ジョン』)。彼は、ポップスターに憧れるワナビーの女の子、ジュリーに振られたティーンエイジャーという設定だ。彼はこれほどインパクトのあるシングルは他に出しておらず、1978年のアルバム『トゥルー・ラヴ・ストーリーズ』はジルテッド・ジョン名義では唯一のアルバムで、その後は一発屋を脱するためにこのキャラクターをやめている。
ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ
初期のサイケ探求家、そしてエレクトロの先駆者であるザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(メンバーは全員カリフォルニア州出身)は、1年ほどしか活動していないが、驚異的な影響力を生み出すことに成功したバンドだ。ポーティスヘッドやブロードキャストといったバンドは、このバンド名を冠した1968年のアルバムのファンとして知られており、このアルバムはいまだにカルト的支持を集めている。
ラリキン・ラヴ
2000年代中頃に起きたインディーズ・ブームに乗って世に出ては去っていったバンドのなかでも、ラリキン・ラヴは最も大きなチャンスを逃したバンドという称号を得るに違いない。彼らが2006年に発表したデビュー・アルバム『ザ・フリーダム・スパーク』は、現実逃避主義のインディー・フォークのいたずらっ子による出色の1枚となったが、その翌年には解散してしまい、世界中を落胆させている。
レイト・オブ・ザ・ピア
いつだってパーティにはおかしな子どもたちがいるものだが、イギリスのキャッスル・ドニントン出身の4人組、レイト・オブ・ザ・ピアは、まるで未来からビームが届いたような、素晴らしいエレクトロ・ダンス・パンクを作り出した。2008年発表の『ファンタジー・ブラック・チャンネル』は見事に彼らの同世代を反映したアルバムに仕上がっている。同バンド名義ではこれが唯一のアルバムだが、現在ヴォーカルのサム・イーストゲートはラ・プリーストというバンドで音楽活動を続けている。
ジョセフ・K
スコットランドのレーベル、ポストカード・レコーズが輩出したバンドとしては、オレンジ・ジュースの方がより成功しているかもしれないが、ジョセフ・Kも引けを取らずカルト的支持を集めるバンドと言えるだろう。1981年発表のアルバム『ジ・オンリー・ファン・イン・タウン』は、ドライでダウンビートなポスト・パンク・ミュージックの完璧なお手本で、今でも新鮮に聞こえる。
マイナー・スレット
ワシントンD.C.を中心に活動したハードコア・パンク・バンド、マイナー・スレットは、わずか3年余りの活動期間で“Straight Edge”という曲と、それと同じ名前を冠した完全にクリーンに生きる「ストレート・エッジ」という理念を提唱した。立て続けに2枚のコンピレーションをリリースしているが、1983年の『アウト・オブ・ステップ』のみがスタジオ収録されたものとなっている。
ザ・モンクス
アメリカ人兵士が結成したバンドが、ガレージ・ロックをアヴァンギャルドにしたと聞いて少し妙に思ったならば、1966年のアルバム『ブラック・モンク・タイム』を聴くといい。「アンチ・ビートルズ」を掲げたこのバンドは、刺々しい音楽性を提唱するかのような自由主義と束縛感を融合させた。明らかに、彼らの音楽はこのまま発展させるにはトリッキー過ぎており、後続のバンドも生まれることはなかった。
ヤング・マーブル・ジャイアンツ
ウェールズ出身のポスト・パンク・バンド、ヤング・マーブル・ジャイアンツはわずか2年間しか活動していないが、その最小限の時間を彼らは有効に使った。ロキシー・ミュージックやクラフトワーク、カンといったバンドからの影響を受けながら、熱狂的な音楽ファンにとっては夢のような価値のある音楽を生み出し、それは確かに影響力を与えることになった。それらの音楽は1980年発表のアルバム『コロッサル・ユース』に集約されている。
ザ・グッド・ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン
いいだろう、このバンドが再結成して、都会の憂うつをもう一度歌ってみせるのを阻むものは何もない。しかし、そんなことは起こらなさそうだ。ブラーのデーモン・アルバーン、元ザ・クラッシュのポール・シムノン、元ザ・ヴァーヴのサイモン・トング、ドラマーのトニー・アレンの魔法のようなコラボレーションは、デーモン・アルバーンが手掛けたプロジェクトのなかでも最高の仕上がりとして2007年のセルフ・タイトル・アルバムに収められた。
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