Photo: DEAN CHALKLEY/NME
それでは、最近「マッド・リチャード」と呼ばれることをどう感じているのだろうか？ 彼は肩をすぼめて、「いいことだよ。もし世界が君を半狂乱にしてくれなかったら、そこに生きてないってことだから。（そのニックネームをつけられた時は）俺の若さが勘違いされたんだ。俺はニューエイジ・ムーヴメントなんて信じちゃいない。それにヒッピーでもない。たぶんその当時、俺は飛べると信じていた。今でもそう信じてる。遠い昔の話さ。俺はどこにも行きやしない」
カニエ・ウェストに共感するところはありますか？ 「ああ。もし本当に、純粋に信じられるものがあったら、熱狂的になって舌が高速回転するだろうね。彼の怒りの発言の多くは、俺が思うところではそこから来ている。ザ・ヴァーヴの初めてのギグの時に俺はこう言ったんだ。俺たちはこの地元のバンドをステージから吹き飛ばしてやるってね。この発言は地元ウィガンの新聞にしか掲載されなくて、なぜ俺があんなに攻撃的なのかって書かれてた。俺は言ったんだ。『おいおい、ボクシングみたいなもんさ。チケットを売りたいんだよ』ってね。こういう俺の性格は変わらなくて、だから傲慢と言われるんだ。そういうわけじゃなくて、俺は闘いだと思ってるし、ラブラブでイチャイチャしたファンタジーなんかとは違うんだから。いいか、これは音楽だ。クソ真面目にやらないといけないんだよ」
これらは編集した抜粋部分で、実際の彼の激しさのほんの一部だ。音楽の主流になった「ニセモノ」は、「コピーのコピーのコピーのコピー」を与えてくれている。国民保健サービスは「失敗するようにできている」らしい。我々の住む都市は孤独な魂でできていて、「互いに動力学に基づいて動き回っているが、アイコンタクトのない静かなダンス」なのだという。我々は「人間として最後の望みのある時代」に生きている。これが最後の人間の記録の一つとなるかもしれない。リチャード・アシュクロフトは絶え間なく怒り狂いながらひらめきを与えてくれる。彼は自分の知恵を分け与えるために戻ってきた。このままずっといてくれるのだろうか？
「俺はいつも孤立している。刺激を与えてくれるものを見つけようともがいているんだ」と語る。「山の頂上にたどり着いたら、次はどこへ行く？ 俺たちに境界線はない。今やジャンルもない。ジャンルなんて忘れるんだ。全部忘れて、どんなサウンドにしたらいいか考えることも忘れろ。ただその精神に立ち返って、正しいと思うことをすればいい」
それを言い終えると、「ラジオ・アシュクロフト」は途切れた。この啓発思想を持った、ロック界には珍しいタイプの早口男は、気持ちを翻弄し、闘いながら、影を捨て、去っていった。彼は山に戻っていったのだろうか？
ソロとしては16年ぶりとなる来日公演決定！
NME JAPAN presents リチャード・アシュクロフト ジャパン・ツアー2016
大阪
10月4日（火） ZEPP NAMBA
OPEN 18：00／START 19：00
TICKET：1Fスタンディング￥8,500、2F指定席￥9,500（税込・1ドリンク代別）
東京
10月6日（木） ZEPP TOKYO
OPEN 18：00／START 19：00
TICKET：1Fスタンディング￥8,500、2F指定席￥9,500（税込・1ドリンク代別）
10月7日（金） ZEPP TOKYO
OPEN 18：00／START 19：00
TICKET：1Fスタンディング￥8,500、2F指定席￥9,500（税込・1ドリンク代別）
公演の公式サイトでは5月22日（日）23時59分までNME Japan特別先行が受け付けられています。NME Japan特別先行でチケットを御購入された方には抽選で30名様にリチャード・アシュクロフトが表紙を飾ったUKの『NME』本誌をプレゼント致します（※発送は6月中旬までを予定しています。このプレゼント送付で別途送料が発生することはございません）。
公演の公式サイトはこちらから。
リリース情報
RICHARD ASHCROFT
“THESE PEOPLE”
リチャード・アシュクロフト『ジーズ・ピープル』
発売元：ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ
品番：OTCD-5430 定価：￥2,300+税
日本盤ボーナス・トラック収録予定
1. Out Of My Body / アウト・オブ・マイ・ボディ
2. This Is How It Feels / ディス・イズ・ハウ・イット・フィールズ
3. They Don’t Own Me / ゼイ・ドント・オウン・ミー
4. Hold On / ホールド・オン
5. These People / ジーズ・ピープル
6. Everybody Needs Somebody To Hurt / エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ハート
7. Picture Of You / ピクチャー・オブ・ユー
8. Black Lines / ブラック・ラインズ
9. Ain’t The Future So Bright / エイント・ザ・フューチャー・ソー・ブライト
10. Songs Of Experience / ソングス・オブ・エクスペリエンス
※他、日本盤ボーナス・トラックを追加収録予定
アルバムのダウンロードはこちらから。
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