20位 U.S.ガールズ 『ハーフ・フリー』

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U.S.ガールズの7枚目のアルバム『ハーフ・フリー』は、不均衡なメロディと流れるようなドラムのループが特徴的だ。このサウンドは裏切りと憂鬱にまみれた30歳のメーガン・レミーのストーリーを完璧に表現している。“Telephone Play No.1”では、しゃべり口調の風刺作で、メーガン・レミーの子供時代の「ヌード写真」を自分の父親が持っていたという夢について、不安な調子で語ってみせている。


19位 ザ・ウィークエンド『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』

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今年早々に、ザ・ウィークエンドことエイベル・テスファイは音楽サイト『ピッチフォーク』に次のように語っている。「俺はドラマの悪役が好きだ、映画の中で最も個性的だからね」。トロント出身の R&B歌手であるザ・ウィークエンドの2枚目のアルバムは、不穏な雰囲気をさらに深めている。その色気は活き活きとした80年代のマイケル・ジャクソンを彷彿とさせるプロデュースによるもので、ディスコによって傷つけられたロザリオとでもいうような、恐ろしいほど見事な楽しみのある作品に仕上がっている。


18位 スウィム・ディープ『マザーズ』

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バーミンガム出身のバンド、スウィム・ディープは2013年にリリースしたデビュー作『ホウェア・ザ・ヘヴン・アー・ウィー』でのポップで甘ったるいインディーズスタイルの作風とは決別を告げ、かわりにサイケデリックな時空間を作り上げている。アシッドまみれのジャムである“Fueiho Boogie”や目も醒めるようなレイヴ曲“One Great Song And I Can Change The World”など、全編を通し、精神がトリップし、世界をさまようような作品となっている。


17位 ジョアンナ・ニューサム『ダイヴァーズ』

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カリフォルニアのハープの歌姫、ジョアンナ・ニューサムの4枚目のアルバムは2010年の3枚目のアルバム『ハヴ・ワン・オン・ミー』からシャープに、そして身軽になった作品だ。繊細な内面を見事に表現する歌詞や、重いメタファーを内側に隠し、それを胸につき刺さるような時や死というものに反映させた叙情的な連続性が非常に効を奏した作品となっている。


16位 ファーザー・ジョン・ミスティ『アイ・ラヴ・ユー・ハニーベア』

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ジョシュ・ティルマンによるファーザー・ジョン・ミスティとしての2枚目の作品は、現代におけるシンガー・ソングライターとはどのようなものかを見事に体現してみせた傑作である。「マスカラ、血の跡、タバコの灰、そして精液」といったリリックを、全体に広がるストリングスの音に乗せ、レナード・コーエンの詩的な誠実性とランディ・ニューマンのユーモアを融合させている。


15位 ブラー『ザ・マジック・ウィップ』

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『ザ・マジック・ウィップ』はちょっとした奇跡である。ブリティッシュ・ポップを再現した“Lonesome Street”から冷たく威厳ある“Pyongyang”や、いかがわしいビーチでのコンガダンスの様な“Ong Ong”まで、ブラーの様々な側面を見ることができる作品となっている。


14位 ディアハンター『フェイディング・フロンティア』

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ディアハンターの7枚目のアルバムは、2013年の暗く絶望的な『モノマニア』よりも聴きやすくなっている。しかし、シングルの “Living My Life”や“Breaker”で見られるフロントマン、ブラットフォード・コックスの心の平穏さだけを見ると誤解することになる。『フェイディング・フロンティア』は不安定で孤独なアルバムで、あなたの肌の下に潜り込んで離れない。これまでと変わらず、ディアハンターは不可欠な存在なのだ。


13位 スリーター・キニー『ノー・シティーズ・トゥ・ラヴ』

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相変わらず尖っているナーヴァスなエネルギーを纏う、ちょっと怖い暴走3人娘が10年ぶりにアルバムをリリースした。周囲の期待は大変なものだったが、彼女たちはそれを一笑に付してみせる。『ノー・シティーズ・トゥ・ラヴ』は、息を飲むほど素晴らしく、彼女たちの復活を待ち望む息苦しい崇拝を振り払うかのようだ。


12位 エイサップ・ロッキー『アット・ロング・ラスト・エイサップ』

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2015年で最も不思議で、最も中毒性のあるラップ・レコードだ。『アット・ロング・ラスト・エイサップ』は、まるでドラックで1週間トリップしたような世界感を披露する。抑えめのビートと絶え間なく流れる低い声には時折エコーがかかる。唯一、コンスタントに続くのは幻想的な雰囲気だ。“Fine Whine”でエイサップはあえてつぶやくようにラップし、歌詞の通り「became a druggy…(麻薬中毒になった)」。


11位 カート・ヴァイル『ビリーヴ・アイム・ゴーイン・ダウン』

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フィラデルフィア出身のカート・ヴァイルの6枚目の、そしてベスト・アルバムは2013年の素晴らしい楽曲“Wakin On A Pretty Daze”と、風雨にさらされた雰囲気の2011年の“Smoke Ring For My Halo”を組み合わせている。歌詞も素晴らしい。これまでと同様に困惑したようでいて、陽気で、そして独特なものになっている。


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