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2015年にもなれば、事前に録音されたヴォーカルに合わせてミュージシャンが口パクで歌うことがあっても驚く人はいないだろう。もしかすると、そんなダークなアートが必要とされているのかもしれない。正しい音程を保ちながら、ステージ上で飛び跳ねたりしたいのだろうか? 僕らはそんなことはしたくないが、どんな理由があっても口パクがバレた時は失笑ものだ。ここでは、レディー・ガガからレッド・ホット・チリ・ペッパーズまで、様々なアーティストの忘れられない口パク事件をお届けしよう。対話型で楽しみたい人は、友人に記事を声に出して読んでもらい、それに合わせて口パクをしてほしい。

イギー・アゼリア


“Acting Like That”、2014年シカゴにて
イギー・アゼリアのパフォーマンスが本人の実力によるものだと思っていた人には、今回挙げたどの口パク事件にも劣らない一件と言えるだろう。ジェニファー・ロペスが自分のパートをうまくキメていることで、イギー・アゼリアが自分のパートを歌い損ねたことが悪目立ちしている。これはひどい。


ブリトニー・スピアーズ


“Womanizer”、 2008年「Xファクター」にて
私(筆者のことではない)はブリトニーよ、ビッチ。「Xファクター」でのパフォーマンスの始まりは素晴らしかったが、それはスクリーンの後ろにいる彼女の口の動きが見えなかったせいだ。彼女のために言わせてもらえば、あれほどのダンスをしながら歌に集中するのはかなり厳しいことだろうが、安心して見られるパフォーマンスとは言いがたい。ただ、少なくとも当時の司会者、ダーモット・オリアリーは楽しんでいたようだ。


リンジー・ローハン


“Rumors”、2004年「グッド・モーニング・アメリカ」にて
リンジー・ローハンがロック・スターだったことを覚えているだろうか? 我々も覚えていないが、2004年の彼女は、自分がただの子役ではないということを世間に証明する準備をしていたのだ。“Rumors”はやんちゃな曲で、前日にニューヨークのライヴ・ハウス、CBGBで見つけてきたようなバンドが演奏し、調子に乗ったリンジー・ローハンは、本来歌うフリをすべきところで頭を縦に振ってしまう(映像の2:17あたり)。新人にありがちな失敗だ。


レディー・ガガ


“Poker Face”、2012年アトランタにて
ポーカー・フェイスであるレディー・ガガの面目が丸つぶれである。口パクを公に批判したレディー・ガガだったが、その20日後にアトランタで行われたライヴのステージ上で転んでしまった際、不思議なことに自身のヒット曲“Poker Face”の歌詞は止まらずに流れていた。しかし、レディー・ガガは本物のポップ・スターであるため、世間からクレイジーで論争を呼ぶ存在であるべきだと認め、いや、激励されているのだ。それでも笑えることに違いはない。


ジャスティン・ビーバー


“Out Of Town Girl”、2012年フェニックスにて
ジャスティン・ビーバーに不快感を覚える人(彼らは間違っている。“What Do You Mean?”は最高だ)がいる。彼がバック・ダンサーに連れられて「観客の中にいるかわいい女の子」を「見つけに行く」様子はムカつくと認めざるを得ないが、この時は違ったようだ。「Get down down down」という歌詞の部分で、彼は腰をかがめてステージ上で吐いている。そして当然のように、彼のヴォーカルは不自然なほどに影響を受けていない。


ビヨンセ


“The Star Spangled Banner”、2013年ニューオリンズにて
厳粛な式典で起こったため、かなり恥ずかしい事件となってしまった。世界中の人々が見守っていたオバマ大統領の2度目の就任式では、ブラスバンドが演奏のフリをしているのではという疑惑が浮上。その後、彼らは生で演奏していなかったことを認め、ビヨンセによる歌も口パクだったと明かしたが、ビヨンセはその疑惑を大胆にも開いた記者会見で認め、彼女が「誇りに思う」パフォーマンスを行った。さて、彼女に異論を唱える気はあるだろうか?


アシュリー・シンプソン


“Pieces of Me”、2004年「サタデー・ナイト・ライヴ」にて
我々がこの事件を忘れているとでも? そんなことはない。これはおそらく、史上最悪の口パク事件だろう。バンドが間違ったバック・トラックを演奏していることに気づき、ステージ上で固まったアシュリー・シンプソンの恐怖の瞬間が映されている。こんな状況で何ができるだろう? そんな時はおかしなダンスを踊って速やかにステージ上から消えるといい。それが口パクをごまかす方法だ。


50セント


““Amusement Park”、2007年BETアウォーズにて
50セントには口パクの経験(2010年にYouTubeの有名人キーナン・ケイヒルと一緒に、自身が参加した楽曲の口パクを披露)があるが、2007年の口パクは軽率だったようだ。50セントはジャケットを脱ぐのに忙しく、トラックに合わせて口を動かすことができなかった。この曲の歌詞には「Shorty you ain’t gotta take your panties off, just push ‘em to the side.(かわいいこちゃん、パンティーを脱ぐ必要はないぜ、ただずらしてくれればいいんだ)」とあるが、彼もジャケットを脱ぐ必要はなく、ラップに集中すべきだったのだ。


セレーナ・ゴメス


“Come & Get It”、2013年ジングル・ボールにて
ステージ上のセレーナ・ゴメスは、もはや清純なディズニー・スターではなかった。彼女はこの前年の2012年に、ハーモニー・コリン監督の暴力的なアート・ハウス系映画『スプリング・ブレイカーズ』に出演しているが、自身の大ヒット曲の最後に彼女が放送禁止のFワード(「What the fuck!(一体何なの?)」)を叫ぶとは誰も予想しなかっただろう。報道では、マイクのトラブルにイライラしていたと伝えられたが、少なくとも録音済みのヴォーカルはスムーズに流れていた。


レッド・ホット・チリ・ペッパーズ


2014年スーパー・ボウルにて
珍しい事件だ。“Give It Away”の激しい演奏中、メンバーの楽器がアンプと繋がっていなかったことで、バンドの演奏が生ではなかったのではないかという憶測が流れた。この件についてはその後、ベーシストのフリーが公開書簡で説明しており、ライヴのオーガナイザーから会場で楽器の生演奏はできない(ヴォーカルは生で歌うことができる)と事前に通告されていて、そのことをはっきりさせるためにアンプに繋がなかったと語っている。これぞフェアプレーの精神だ、フリー。

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