10位 レモンヘッズ ”Different Drum”
ザ・モンキーズのマイク・ネスミスが1965年に書いた曲で、翌年グリーンブライアー・ボーイズによってレコーディングされたのがオリジナルであるが、イヴァン・ダンドの甘く切ない声にぴったりの曲だ。レモンヘッズにとってはごく自然な選曲だろう。前作のシングル”Favourite Spanish Dishes”でも取り入れられている、シュガーボウルの中に塩を加えたような炸裂するギターのフィードバックが加味されたパワー・ポップに仕上がっている。
9位 ニュー・オーダー(イギリス) ”World In Motion”
1980年代のサッカーの状況を思い出してほしい。蔓延するフーリガン行為ばかりで、ゲームやチームについてあれこれとおしゃべりする雰囲気には程遠かった。まあ、そんな感じだった。ニュー・オーダーとコメディアンのキース・アレンがこの状態を改善してくれたのだ。素晴らしいゲームに愛をもたらし、ジョン・バーンズのラップがヒップホップのスタイルを変えた。まあ、そんな感じだった。この曲は今でも最高のサッカー・ソングだ。
8位 ジェイムス ”Come Home”
1990年、あらゆるものが商業主義に侵されてしまう前、ジェイムスはモリッシーのお気に入りバンドとして特に有名だった。バンドの1989年のシングル”Sit Down”は、人々の「関心を引いた(sit up)」たが、”Come Home”は、「バギー」な雰囲気がそこはかとなく漂う曲で、その言葉がプリントされたTシャツがたくさん作られた。ティム・ブースが激しく口をゆがめて歌い、厭世主義を礼賛する曲となっている。
7位 ドリーム・ウォーリアーズ ”My Definition Of A Boombastic Jazz Style”
カナダのラップ・デュオ、ドリーム・ウォーリアーズは、”Wash Your Face In My Sink”で一躍その名を知らしめ、次(目新しさだったと認めよう)にヒットしたのがこの曲だった。まさに、1990年といった感じの曲だ。アシッド・ジャズはやはりかっこいい。ソウルパッチのひげを生やして、プレイドフレアのパンツでキメて、クインシー・ジョーンズの”Soul Bossa Nova”について愛想よく語る男のリズムに合わせて踊ろう。
6位 ペット・ショップ・ボーイズ ”Being Boring”
1988年の”Introspective”でダンスの神様にまで祀り上げられたペット・ショップ・ボーイズは、その「帝国時代」からひっそりと抜け出そうとしていたが、それに見合う壮大な作品は発表されていなかった。”Being Boring”は、お決まりのニール・テナントのアイロニー(彼の十八番)と美しいメロディーライン、そしてほのかなノスタルジーが融合された楽曲だ。AIDSによる合併症で亡くなった友人との思い出を歌っている。
5位 プライマル・スクリーム ”Loaded”
ボビー・ギレスピーはダンスの神様なのか? ここは、笑いを誘うところではない。誰だ、笑ってるのは? 多分同じ奴らだろうが、正直なところ、プライマル・スクリームが”I’m Losing More Than I’ll Ever Have”のリミックスをアンドリュー・ウェザオールに依頼した時、それがどんなものになるかは疑問だったが、結果として素晴らしいものに仕上がっている。”Loaded”と名前を変えたこの楽曲は、ロックのエッジを残しながらもエクスタシー感に溢れている。この曲によって、ボビー・ギレスピーはその後、丸4年間、レザーファッションにはまってしまうことになる。
4位 ベティ・ブー ”Where Are You Baby?”
過去四半世紀のポップ・ミュージック界において、最も残念なことは、アリソン・クラークソンがソングライターに転向してしまったことだ。かつて彼女は、ベティ・ブーの別名で、正真正銘のポップスターだった。妖艶でありながら漫画チック、ウイットに富んだ彼女はすべてを兼ね備えていた。最大のヒット曲である”Where Are You Baby?”は、彼女のヒップホップの才能(シー・ロッカーズ時代から受け継いだ)に、60年代のガールグループの快活さとサーフ・ギターがブレンドされた楽曲だ。これらすべての要素が融合されて1990年の大ヒットにつながった。
3位 シネイド・オコナー ”Nothing Compares 2 U”
ビデオの中でシネイド・オコナーは涙を流している。年月を経て、この言葉は陳腐に聞こえるかもしれないが、当時、その姿は真に迫るものがあった。シネイド・オコナーといえば毅然としたイメージがあったのだが。この曲がプリンスの作品(彼が、楽曲制作が過剰だった時期に偶然ザ・ファミリーに提供された曲)であったことを知る人は少ない。シネイド・オコナーはこの曲に母親への想いを込めて、ネリー・フーパーによるソウル・II・ソウルのスローなビートが加味され、圧倒的なまでの素晴らしい仕上がりとなっている。この曲が彼女自身と彼女の歌を作り上げたのだ。
2位 ハッピー・マンデーズ ”Step On”
「You’re twisting my melon, man.(お前には全く世話が焼けるよ)」1990年までに、ショーン・ライダーは自らの用語集を創り続けていた。ドラッグ漬けによる大胆さに乗じて、彼のバンドは、ポール・オーケンフォールドのシーケンス・ビートによって、遂に完璧なものとなった。”Step On”は、南アフリカのアーティストであるジョン・コンゴスの1971年のヒット曲”He’s Gonna Step On You Again”をカヴァーしたもので、それが、1989年のアルバム『ハレルヤ』の根底を流れるマッドチェスターの土台と統合された曲となっている。
1位 ディー・ライト ”Groove Is In The Heart”
ディー・ライトは、ヴォーカルのレディ・ミス・キアー、DJのテイ・トウワとDJディミトリーによって構成されたユニットで、ブーツィー・コリンズ、Qティップ、そしてジャズ。ファンクのパイオニアであるハービー・ハンコックの”Bring Down The Birds”の抗しがたい魅力溢れるベースラインをフィーチャーした、蛍光色に輝くダンスフロアとともに、ニューヨークのクラブ・シーンに燦然と登場した。スティーヴ・ミラー・バンドのかつてのヒット曲”The Joker”の再来により、不幸にしてチャートで「ナンバーワン」の獲得こそできなかったが、”The Joker”に引けをとらない売り上げを達成している。
広告 【独占配信】エミー賞®史上最多18部門受賞の歴史的快挙!真田広之主演&プロデュース「SHOGUN 将軍」をディズニープラスで見る
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.
関連タグ