ケヴィン・モービー『シンギング・ソウ』
リリース日:4月15日
インスピレーションを得るため夕暮れ時に山々を散策したり、ガールフレンドとボロボロの家をシェアしたりしながら、彼はギターと古いピアノをベースに卓越したサード・アルバムを作り上げた。
ビヨンセ『レモネード』
リリース日:4月23日
リアーナの『アンチ』やカニエ・ウェストの『ザ・ライフ・オブ・パブロ』といった、今年最も待ち望まれていた多くのアルバムと同じく、『レモネード』はひときわ変化に富んでいる。コラボレーションを行った数多くのアーティストの中には、泣かせる“Forward”に重厚感を与えたジェイムス・ブレイクや、鬼気迫る楽曲“Hold Up”のプロデュースにかかわったヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグなど驚くべき面々も含まれている。
ドレイク『ヴューズ』
リリース日:4月29日
収録されている20曲が全般的に同じテーマ――すなわちトロントを拠点にしたシンガー・ラッパーであるドレイクの試行錯誤――であることを考えると、『ヴューズ』は辛い道のりだったに違いない。しかし、意外にも、彼の代名詞であるダウンビートで自己を見つめる音楽は人々の心をつかみ続けている。
アノーニ『ホープレスネス』
リリース日:5月6日
今この時代において、適切で、理解しやすく、不快に感じないプロテスト・ミュージックを生み出すのは非常に難しく、多くのアーティストは関わらないでおこうとするものだ。アノーニはこのリスクを負う勇気を持っており、そしてここ最近で最も重要なこのアルバムは称賛に値する。
ケイトラナダ『99.9%』
リリース日:5月6日
ルイ・ケビン・セレスティンはケイトラナダ名義で非の打ちどころのないアルバム『99.9%』をリリースした。崇高で太陽の光のようなヒップホップとハウスの融合したデビュー・アルバムだ。そして、素敵なアートワークはスペインの作家のリカルド・カーヴォロが手掛けている。
スケプタ『コンニチワ』
リリース日:5月6日
『コンニチワ』には驚きが詰まっている。このアルバムは芯から典型的なUKグライムのアルバムだ。しかし、プロデューサーとヴォーカルとしてファレル・ウィリアムスをゲストに招くほどビッグで自信に溢れており(弾むような“Numbers”を聴いてほしい、音楽業界きっての名手2人が軽妙にやり取りする曲となっている)、そうかと思えば、焼け付くような“Man (Gang)”ではクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジを何気なくサンプリングしている。
レディオヘッド『ア・ムーン・シェイプト・プール』
リリース日:5月8日
リード・シングルである“Burn The Witch”は、少し紛らわしい部分のある曲で、チェリストが熊手のように弓を巧みに操って、典型的なレディオヘッドの楽曲らしく不安に陥れてみせる。2011年のアルバム『ザ・キング・オブ・リムズ』よりも魅力的だが、『ドライヴタイム・ヒッツ17』といったようなコンピレーション・アルバムの編纂者を悩ませることもなさそうだ。このアルバムは不思議で、揺らめくような不確かさを持っている。
ホワイト・ラング『パラダイス』
リリース日:5月6日
美しさと残虐さを継ぎ目なく融合させた『パラダイス』は、40年後、パンクに活気がなくても、まだ人々をハッとさせる力を残しているのだと証明するアルバムとなった。
チャンス・ザ・ラッパー『カラーリング・ブック』
リリース日:5月12日
ゴスペルのヴァイブがゆらめく“Summer Friends”ではチャンス・ザ・ラッパーが哀れみ深くシカゴのギャングの暴力問題を論じ、一方で“Blessings”では現代的な讃美歌を生み出している(「Ain’t no blood on my money(俺の金には血がついてない)/Ain’t no Twitter in heaven(天国にはツイッターはない)」)。そして、“Same Drugs”は、恐らくこれまでテープにレコーディングされた中で、幻覚剤を絶つ内容の楽曲としては最も愛らしい仕上がりだろう。
ティーガン&サラ『ラヴ・ユー・トゥ・デス』
リリース日:6月3日
これまでに8枚のアルバムをリリースしたカナダ出身の双子デュオ、ティーガン&サラは、決定盤となるアルバムを生み出した。胸が高鳴る“Closer”を収録した2013年の『ハートスローブ』では、この元インディ・ロッカーたちがポップスの世界でも無視できない存在だと明らかにした。もし、あのアルバムが唐突な左フックだとしたら、『ラヴ・ユー・トゥ・デス』は誰もが認めるKOだ。
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