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1年の半分が過ぎたわけだが、2016年は世界中で数々の大物アーティストが作品をリリースしており、すでにアルバムの豊作年となっている。今年は、デヴィッド・ボウイがガンで亡くなるわずか2日前に素晴らしいニュー・アルバムをリリースするという、とてつもなくほろ苦い幕開けと共に始まった。そして、リアーナ『アンチ』を皮切りに、長く待ち望まれていたアルバムが次々とリリースされている。チャンス・ザ・ラッパーにスケプタといった、大々的に話題となった(そして同時に最高の出来でもある)アルバムも今年リリースされた。そして『アンチ』のサプライズ・リリースの後には、ビヨンセとレディオヘッドがそれに続き、それぞれ『レモネード』と『ア・ムーン・シェイプト・プール』を何の前触れもなく発表した。イギー・ポップも、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム、アークティック・モンキーズのドラマーであるマット・ヘルダーズとタッグを組んで壮大なかつ自信にあふれたアルバム『ポスト・ポップ・ディプレッション』をリリースして我々を驚かせた。こういった大物アーティストに並んで、それほど知られていないニューヨークのロック・グループのサンフラワー・ビーンや、テキサス出身のソングライターのケヴィン・モービー、そしてバンクーバー出身のパンクロック・バンドのホワイト・ラングなどにも我々は心を奪われてきた。すべてが驚くべき良作で、かつすべてが2016年にリリースされたアルバムだ。まだ上半期だというのに!

デヴィッド・ボウイ『★(ブラックスター)』

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リリース日:1月8日
『★(ブラックスター)』は昔ながらのデヴィッド・ボウイか? 答えはノーだが、そうする意図があったわけでもない。実際のところ、静止することなく、常に興味を掻き立てるこのアルバムから、我々が確信を持てる数少ないことの1つは、デヴィッド・ボウイが伝統的ロックという概念にアレルギー反応を示していることに他ならない。


リアーナ『アンチ』

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リリース日:1月28日
『アンチ』は、聴けば聴くほどお気に入りの曲が変わり、新たな魅力を発見できるようなアルバムだ。我々が望んでいた啓示的な旅立ちではないが、豊かで、焦点の定まることのないアルバムで、これはあまりにも長い間、異常なまでの情熱を持って取り組まれたと思われる。しかし、繊細で興味深くもある。変革の時代における魅力的なサウンドトラックだ。


サンフラワー・ビーン『ヒューマン・セレモニー』

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リリース日:2月5日
デビュー・アルバム『ヒューマン・セレモニー』で、彼らはレッド・ツェッペリンの荒々しいリフに、80年代半ばのインディ・バンド、フェルトの幸福感、そして80年代のオルタナ・ポップ(ザ・キュア)やクラウトロック(ノイ!)の最良の部分を融合させてみせた。2人のフロントマン、ジュリア・カミングとニック・キヴレンの男女デュオとしての相性の良さは、ザ・ホワイト・ストライプス以来といえるほどだ。


カニエ・ウェスト『ザ・ライフ・オブ・パブロ』

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リリース日:2月14日
危険で希少、超現実的かつ支離滅裂、徹底的な現実主義で青二才、そしていつも聴衆を出し抜く。これは単に作品自体をかすかに混乱させることによって、作者の精神的混乱を正確に描写した自画像のカーニヴァルと言える。


ザ・1975『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』

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リリース日:2月26日
あなたの精神に深く染み渡っていくという点で『君が寝てる姿が好きなんだ。……』は必携の1枚と捉えるべきだろう。そして、非常に聡明で、皮肉っぽくって、愉快な1枚でもある。


ケンドリック・ラマー『untitled unmastered.』

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リリース日:3月4日
実際に浮かび上がってくるのは、ケンドリック・ラマーの繊細な世界観だ。彼は自分が大物であることを理解しているが、自身の富やエゴを快く思っておらず、信仰や警察による蛮行、そして黒人のアメリカについて、自分の立ち位置を常に考えている。


ラプスリー『ロング・ウェイ・ホーム』

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リリース日:3月4日
『ロング・ウェイ・ホーム』は47分間のアルバムで、デビュー作としては長すぎると思われるかもしれない。しかし、このアルバムはラプスリーを限られた音の中に閉じ込めることなく、凝縮させたような印象を受ける。80年代スタイルのドラムのフィルインに壮大なコーラス、アップテンポなディスコ・ミュージックが心地よく共存していて、2枚目のアルバムが既に待ち遠しい気持ちになってくる。


イギー・ポップ『ポスト・ポップ・ディプレッション』

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リリース日:3月18日
イギー・ポップのヴォーカルと歌詞は驚異的だ――全編を通して、彼はまるで再び怒れる若者のようで、同世代のアーティストと比べてもかなり危険で勢いがある。これはセックスと死に取りつかれた、知的で生意気なガレージ・ロックのアルバムだ。


ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ『エヴリシング・ユーヴ・カム・トゥ・エクスペクト』

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リリース日:4月1日
近頃のアレックス・ターナーとマイルズ・ケインは、もはや『ジ・エイジ・オブ・ジ・アンダーステイトメント』を制作した時のあどけない眼をした22歳の青年ではないが、お互いによい刺激を与え合うパートナーとしての関係を続けることで、マイルズ・ケインは最新のソロ・アルバムに力を注ぎ、アレックス・ターナーは自身を皮肉ることが少なくなったようだ。


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