1970年のザ・ビートルズ解散後、そのメンバーたちがソロへと移行するのはたやすいことではなかったはずだ。10年間にわたって誰もが認める世界一有名なバンドで音楽の常識を覆し、革新的な試みを行ってきた彼らは、その後一体何を目指せばよかったのだろうか。ジョージ、ポール、リンゴ、ジョンの4人は、ザ・ビートルズとして昇りつめた目もくらむような高みに到達することは以後なかったが、それは無理もないことだろう。ザ・ビートルズとは、4人のソングライターの溢れるばかりの才能がぶつかり合って起こった化学反応に他ならないのだから。とはいえ、彼らはソロ・アーティストとしても今に残る素晴らしい楽曲の数々を書いている。本日6月10日にポール・マッカートニーは45年に及ぶソロ・キャリアを振り返るコンピレーション・アルバム『ピュア・マッカートニー~オール・タイム・ベスト』をリリースしている。ここに、彼らのソロ・キャリアにおけるベスト40曲を順不同で紹介しよう。
ジョージ・ハリスン “My Sweet Lord”
元ビートルズのメンバーの曲としては初のナンバーワン・シングルに輝いた“My Sweet Lord”が、1971年に最も売れた曲だったというのは至極当然なことだろう。フィル・スペクターのプロデュースによる同曲は、古典的なビートルズ・ソングに見られる明快さだけでなく、大胆に新境地を切り開いた作品に仕上がっている。
ジョン・レノン “Instant Karma!”
1970年のこの曲でジョン・レノンは「インスタント・カルマ(瞬時の因果応報)が来るぞ」と警告する。「(インスタント・カルマが)頭を直撃する/落ち着くんだ、もうすぐあの世行きさ」と曲は続き、絶妙でパワフルなコーラスで締めくくられる。
ポール・マッカートニー&ウィングス “Jet”
ポール・マッカートニーが飼っていたラブラドール・レトリーバーの名を冠した同曲は、ウィングスの数あるヒット曲の一つであるばかりでなく、彼にとってはそれまでの音楽と一線を画した楽曲となった。この曲によってポール・マッカートニーはビートルズ・サウンドから更なる脱却を図り、またアーティストとしての復活を決定的なものにしたのである。
※『ピュア・マッカートニー~オール・タイム・ベスト』収録
ポール・マッカートニー “Temporary Secretary”
『マッカートニーII』のハイライトである同曲についてポール・マッカートニーは次のように語っている。「この曲はすぐに替えのきく秘書を欲しがっている男の視点で書かれている。この男はそういう秘書を紹介してもらおうと斡旋所に手紙を書いているんだ。このアイデアは気に入ってるよ。実に面白いと思ったんだ。ほら、秘書といってもテンポラリーっていうところがね」
※『ピュア・マッカートニー~オール・タイム・ベスト』デラックス・エディション収録
ジョン・レノン “God”
アルバム『ジョンの魂/プラスティック・オノ・バンド』に収録されている、非常に注目を集めた瞑想的なこの曲の中で、ジョン・レノンは次のように歌っている。「僕はセイウチ(Walrus)だった……でも今はジョンだ」、そして「ビートルスではなく、ただ自分を信じる……それが真実だ」と。
ポール・マッカートニー&ウィングス “Live and Let Die”
ポール・マッカートニーによるジェームズ・ボンドの主題歌なのだから、気に入らないはずがない。このトラックでポール・マッカートニーはザ・ビートルズのかつてのプロデューサー、ジョージ・マーティンと再び手を組み、衝撃と興奮をもたらす壮大な電撃的ロックを創り上げたのである。
※『ピュア・マッカートニー~オール・タイム・ベスト』収録
ポール・マッカートニー&ウィングス “Band On The Run”
フォーク&ファンクを取り入れた同曲は、ビートルズ解散後の楽曲の中でも最もよく知られたものの1つである。1973年のアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』のタイトル・トラックであるこの曲は、アメリカだけで100万枚の売り上げを記録している。100万枚売れた曲なのだから、駄作のはずはないと思うのだけれど、どうだろう。
ジョン・レノン “#9 Dream”
「これこそ僕が職人芸の曲作りと呼んでいるものさ、つまり量産ってことだよ。この曲をこき下ろしているわけじゃなくて、それが純然たる事実なんだ」と、当時鬱(うつ)気味だったジョン・レノンは『心の壁、愛の橋』に収録された同曲について語っている。本人はそうではなかったようだが、我々はこの夢のようにきらめく曲を気に入っている。
ジョージ・ハリスン “Wah Wah”
ジョージ・ハリスンの得意のリフに乗った“Wah Wah”は、軽快なロックの心温まるメロディで、彼のベストに数えられる1曲だろう。
ジョン・レノン “Imagine”
不朽の名曲“Imagine”がビートルズ解散後のベスト40曲に選ばれている理由を、特に説明する必要はないだろう。時代を象徴し、特徴づけている1曲である。
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