曲作りには、かなりの時間と労力を要することがある。かと思えば、それとは逆に、天国からアイデアがふっと舞い降りてくるようなことも。例えばサム・スミスの新しいボンド映画のテーマ曲“Spectre”は、書き上げるのにたった20分しかかからなかったそうだ。今回は、テイクアウトの料理を受け取るより早い時間で書き上げられた曲を19曲紹介する。
ビースティ・ボーイズ “(You Gotta) Fight For Your Right (To Party!)”
所要時間:5分
メンバーのマイク・Dは次のように語っている。「あれは1986年の夏だった。5分くらいでこの曲を書いたよ。その時、僕らはプロデューサーのリック・ルービンとハリウッド・パラディアムにいて、ウォッカをグレープフルーツ・ジュースで割って飲んでいた。“Fight For Your Right”は、マイケル・トッド・ルームのダサいレースのかかったテーブルの上でナプキンに書いたのさ」
R.E.M. “Losing My Religion”
所要時間:10分
アメリカ南部、ジョージア州が誇るこの名曲は、マンドリンをかき鳴らしつつ、テープレコーダーを回す中、10分で一気に書き上げられた。ピーター・バックは次のように話す。「次の日に聴き直してみたら、あとはもう、僕がマンドリンをちゃんと弾けるようになれば良いだけだったんだ」。その後メロディーが調整され、メガ・ヒット曲へと姿を変えたのである。
ビヨンセ “Single Ladies (Put A Ring On It)”
所要時間:20分
プロデューサーのザ・ドリームらと共同で書かれたビヨンセの大ヒット曲だが、「パートナーに尽くさないと捨てられるわよ」という男性に向けたメッセージが込められたこの曲は、この曲の有名なダンスを覚えるのにかかるよりも短い時間で書き上げられた。ザ・ドリームは「ビヨンセが部屋に入ってきた時の笑顔を見て、この曲がヒットすると確信した」と語り、その後20分で曲が完成したそうだ。
ザ・ビートルズ “Yesterday”
所要時間:1分以下
ザ・ビートルズの曲の中でも特に愛されている“Yesterday”は、ポール・マッカートニーが寝ている間に夢の中で思いつき、起きてすぐにメモをしたというのは有名な話である。本人はこの件について、以下のように語っている。「どうやって書いたか、まるで覚えていない。朝起きたら、頭の中にあったのさ。2週間ぐらいは自分でも信じられなかったね」
ザ・ジャム “That’s Entertainment”
所要時間:10分
ポール・ウェラーは、気取ったりお高く止まったりするような人間ではないということが、彼自身が語るザ・ジャムの“That’s Entertainment”の制作秘話によって証明された。「あの曲を書いた時は酔っぱらっていたんだが、10分で書き上げた。数杯飲んだ状態だったけど、あっという間に曲が勝手に出来上がっていったんだ」
テイラー・スウィフト “We Are Never Ever Getting Back Together”
所要時間:25分
テイラー・スウィフトは、2012年にヒットした元カレ曲についてこう話す。「ギターを掴んだら、本当に簡単に出来上がってしまったの。面白かったわ。25分で曲ができるなんて」。その結果、シングルとして700万枚の売上を記録し、この25分間は音楽史において間違いなく最も利益を生み出した25分間となった。
カニエ・ウェスト “All Falls Down”
所要時間:15分
カニエ・ウェストがいつも主張している自分は天才だという発言の真偽は置いておくとして、2004年のスマッシュ・ヒット“All Falls Down”は15分で書かれたことが信じられないくらいに素晴らしい、という事実に議論の余地はないだろう。一体どうやったかって? カニエ・ウェストによると、「クールなメッセージでラップを作る方法」を学べば良いということだ。
レッド・ツェッペリン “Rock And Roll”
所要時間:30分
別の楽曲“Four Sticks”の制作にイライラしていたドラマーのジョン・ボーナムは、リトル・リチャードの“Keep A Knockin”を口ずさんだ。そこにジミー・ペイジがギターを合わせ……完成だ。ご存知の通り、“Rock And Roll”は30分で出来上がった。いろんなことが、それほど単純だったらいいのに。
ブラー “Song 2”
所要時間:30分
グランジをバカにし、皮肉として作られた“Song 2”だが、30分もかけず無造作に作られ、結果的に大ヒットを飛ばすこととなった。プロデューサーのステファン・ストリートによると、「デーモン・アルバーンの『ウーフー』の掛け声は、他に何も考えてなかったから出しただけ」だそうだ。
アデル “Skyfall”
所要時間:10分
映画『007』シリーズは音楽業界で最も儲かる仕事の1つかもしれないが、そのテーマ・ソングを短時間で作ったのはサム・スミスだけではない。プロデューサーのポール・エプワースによると、アデルの歌う“Skyfall”はわずか「10分」で作られたということだ。ヒット曲が生まれるときとはそういうものなのかもしれない。
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