キッスのジーン・シモンズは、スポティファイなどの無料のストリーミング・サービスのせいでファンが「自ら愛する音楽を殺している」と批判している。
ジーン・シモンズは先日、米・音楽サイト「サンダーキャット・アンダーグラウンド」のポッドキャストに出演し、そのインタヴューのなかでストリーミング・サービスへの批判を展開している。
ジーン・シモンズはストリーミング・サービスについて以下のように語っている。「せいぜい頑張れよって感じだよ。俺は支持してないしさ。俺は自由市場経済を信じてるからね。需要と供給とかそういうのだよ。テイラー・スウィフトやメタリカみたいな(ストリーミング・サービスの)勝負に応じようとしない奴らを支持してるよ。ザ・ビートルズだってしばらく応じてなかったわけでね」
「だって、俺には影響ないからね」とジーン・シモンズは続けている。「俺は金持ちだしね。上手くやれてるんだ。一般的な基準で言えば、俺は金持ちだし有名人なわけでさ。ウォーレン・バレット(アメリカの投資家)の基準で言えば、鼻くそにも及ばないかもしれないかもしれないけど、実際のところはそんなこともないわけでね。まあ相対的な問題だけどさ。どちらにせよ俺には関係ないんだ。どうってことないんだよ。俺は生計を立てられてるしね。ファンがいて、ライヴに来てくれる。素晴らしいことだよ。トラック1台分のグッズを買ってくれるからね。ビートルズとエルヴィスのグッズの売り上げを合わせたって俺たちの方が売り上げてるはずだぜ。そこにあと10組バンドを追加したって俺たちには及ばないだろうね」
「とはいえ、それがもし新人バンドだったとしたらって想像してみてくれ。情熱もあって自分たちが愛してやまない音楽があるのに、俺たちのようにはならないんだよ。自分たち以外には何もないんだ。他の人たちは自分たちのことを知りもしないわけでさ。ライヴになんて来てくれるはずがないからね。だから、どうにかして自分たちの音楽を聴いてもらわないわけでさ。ただ、もし音楽で食っていきたいのなら、音楽を差し出すなんてもってのほかだよ。日雇いの仕事をしながら母親と同居してる間に、キッズにタダで自分たちの音楽が聴かれてるんだぜ。新人バンドを殺してるのはファンそのものなんだよ。アメリカの企業や宇宙からのエイリアンとかではなくね。音楽を愛してるはずの人々が、自ら愛する音楽を殺してしまってるんだ」
ジーン・シモンズは続けて、レディオヘッドが2007年に、購入者が価格を決められるという手法でリリースしたアルバム『イン・レインボウズ』を引き合いに出して語っている。「覚えてるか? レディオヘッドが『払いたい額を払ってくれ』ってアルバムを出しただろ。一度やってみたわけだよね? でも、うまくいかなかったわけでね。お金を請求するんだよ。払ってもらうんだ。十字を切って、境界線を引かないといけないんだよ。これは商売であってさ、無料じゃチャリティだろう。お金や諸々を手にして初めて、チャリティをやろうか迷えるんだよ」
キッスのジーン・シモンズは先日、チャック・ベリーの葬儀で予定されていなかった感動的なスピーチを行っている。
スピーチの内容はこちらから。
https://nme-jp.com/news/36438/
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