
Photo: Neil Bedford
カサビアンは通算9作目となるニュー・アルバム『アクトIII』の詳細を発表して、ニュー・シングル“Great Pretender”が公開されている。
先日、カルヴィン・ハリスとのコラボレーション曲“Release The Pressure”をリリースしたばかりのカサビアンのニュー・アルバム『アクトIII』は7月17日にリリースされる。新作は先行シングル“Hippie Sunshine”の流れを汲む、ギター・サウンドが炸裂するフェスティバル向けのロック・アルバムとなっている。
アルバムの詳細の発表に合わせて、ニュー・シングル“Great Pretender”の音源が公開されている。
「このアルバムではギターが目立っているんだ」とサージ・ピッツォーノは『NME』に語っている。「アルバム9枚目にして、かなりいろいろなことを経験してきた。ソングライターとしての自分はすぐに飽きてしまうから、結構いろんなことをやってきた。“Great Pretender”はギターが目の前にあって、文字通り10分で曲が完成した、そんな朝に生まれた曲の一つだよ。そういう日は滅多にないけど、そういう時は本当に最高なんだ」
「『みんなで一つになれるような、まさにギター・トラックと言えるような曲を作ろう』って思っただけなんだ。楽しんでもらうための曲だよ」
サージ・ピッツォーノは“Great Pretender”について「インポスター症候群は弱みではなく、何か本物のものに手が届くところにいる証拠なんだ」と説明している。
「ステージに上がる直前の『今しかない』という感覚はとても興味深いものなんだ」とサージ・ピッツォーノは続けている。「ある意味、偉大なアーティストたちでさえ、みんなごまかしているだけなんだ。誰もがまったく同じ気持ちでいる。たとえ史上最高のアーティストでさえもね。自分の力量を超えた状況に身を置くことはいいことだよ。なぜなら、安全策を取ることは正しい選択ではないからね」
「キャリアを通して、ずっとそう考えてきた。アウトサイダーだった頃、学生時代、あらゆるものから外れていた頃を思い出す。自分の場合はずっとそこが居場所だったんだ」
45歳のサージ・ピッツォーノは、2020年に当時の恋人(現在の妻)への暴行で有罪判決を受けたトム・ミーガンの脱退後、カサビアンのフロントマンを務めることになり、インポスター症候群になりやすい状況にあったのかもしれない。トム・ミーガンはソロとしての活動を続け、カサビアンも活動を続けているが、昔のラインナップを愛するファンの中には新体制に批判的な人もいる。サージ・ピッツォーノにとって、自分の立場を貫くことは当然のことだったという。
「バンドをやっている以上、みんなが間違っていることを証明しなければならないんだ」とサージ・ピッツォーノは語っている。「あのエネルギーが強力なのは最初からずっとあったからだ。レスターは音楽で有名な街じゃないから、無名の街出身だと常に弱者として扱われる。そういう立場に置かれるんだ。キャリア相談に行っても、『配管工の仕事でも考えてみたら?』なんて言われる」
「音楽をやっていると、どうでもいいと思うこと、自分を信じること、心からすべてのことをやっていくことの力を借りることになる。そこにデタラメがなくなった時、手出しのできない存在になれる」
「フロントマンを務めるのはすべてが新しいことだった。曲は全部書いてきたけど、フロントマンになる方法を大急ぎで学ばなければならなかった。時間がなかったんだ。大きなバンドのフロントに立つことになり、それを受け入れた。まるで武道家のようだった。全身全霊を傾けているけど、遅かったのは事実だ。いろんな人を観て学びながら、やっと自分の魂をさらけ出せるようになった。それが人を楽しませるわけだけど、別の自分を見つけなくちゃいけないんだよ」
サージ・ピッツォーノは自分の中で解き放った表舞台に立つ自分をやっと受け入れられるようになったと語っている。「本来の自分はステージ脇に座って、ノートを取り出して、素敵なムードボードを作ったり、歌詞を書いたり、ループを作ったり、次にどんなクレイジーなシンセを使おうかと考えたりするのが好きなんだ。けれど、そんな自分ではステージに上がらない。ステージに上がって8万人を楽しませる準備ができている自分にアクセスしなきゃいけないんだ。そんな自分はこれまで存在していなかったのかもしれないけどね」
ニュー・アルバム『アクトIII』の、まさにフェスティバルを盛り上げるようなハイテンションなサウンドは自身のパフォーマーとしての側面から生まれたものだとして、2022年のスペーシーな『ジ・アルケミスツ・ユーフォリア』、2024年のカラフルな『ハプニングス』を経て、このカサビアンの新たな方向性へと繋がる道はすべてここにあったとサージ・ピッツォーノは振り返っている。
「ある意味、この6年間は一種のミニオペラだったような気がする。そして、これがすべてが一つにまとまるのが第3幕なんだ」とサージ・ピッツォーノは語っている。「進んできて、何でもありになった。これほどまでに創作意欲と興奮に満ち溢れたことはない。ここ2枚のアルバムはあっという間に完成したし、次のアルバムについても考えずにはいられないよ」
新作のトラックリストは以下の通り。
‘quiet on set please 1m9’
‘SOULMATE’
‘Hippie Sunshine’
‘SUPERPOWERS’
‘GREAT PRETENDER’
‘NOTHING BETTER THAN THIS’
‘mind palace 2m7’
‘SILVER APPLE EYES’
‘THE GURU AND THE CRYPTO TIME MACHINE’
‘npc 3m12’
‘GLIDE’
‘HYPER//RISING’
‘SAY YOU (CLOSER)’
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