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デーモン・アルバーンは自身とジェイミー・ヒューレットが父親を亡くしたことでインドを旅したことがゴリラズの新作のインスピレーションになったと語っている。
ゴリラズは今年9月の時点で通算9作目となるニュー・アルバム『ザ・マウンテン』を2026年3月20日にリリースすることを発表している。アルバムは4公演が行われたカッパー・ボックス・アリーナ公演の最終日に発表されていた。
自身のレーベルである「KONG」からの初のリリースとなるアルバムにはブラック・ソート、オマール・スレイマン、アシャ・プトゥリ、アシャ・ボスレ、スパークス、グリフ・リース、カラ・ジャクソン、ヤシーン・ベイ、ポール・シムノン、アイドルズのジョー・タルボット、ジョニー・マー、アジェイ・プラサンナ、トゥルーノ、アヌーシュカ・シャンカールらが参加している。
アルバムにはロンドン・アラブ・オーケストラ、デーモン・ストリングス、クリス・ストー、ジェイムズ・コーパス、マシュー・ガナーもミュージシャンとして参加している。デニス・ホッパー、ボビー・ウーマック、デ・ラ・ソウルのデイヴ・“トゥルーゴイ”・ジョリクール、トニー・アレン、ザ・フォールのマーク・E・スミスといった亡くなった人々の声も使われているという。
『ザ・マウンテン』のアートワークにはヌードル、2D、ラッセル・ホブス、マードック・ニカルスといったメンバーが「新作アルバムの制作のためにインドで過ごした時間が、緻密かつ美しく表現されている」とプレス・リリースでは評されていた。
今回、デーモン・アルバーンは新たなインタヴューでジェイミー・ヒューレットと共に悲しみを受け止める経験とインドを訪れたことがアルバムのインスピレーションになったと語っている。
「ジェイミー・ヒューレットと私は共に父親を亡くしたんだ」とデーモン・アルバーンは語っている。「そして素晴らしい魔法のようなインドへの旅があった。インドは悲しみを受け止めるのに非常に面白い場所だった。というのも、インドでは死に対して前向きな考え方があるんだ」
「イングランドは死への向き合い方が苦手なんだ。ある意味、このアルバムは父たちへの人生を称える伝統に則っている」とデーモン・アルバーンは続けている。「今までやったことのないことをやってみたんだ。ヴァラナシでガンジス河で泳いでみたりね。ガンジス河のほとりで遺体が焼かれるのを観たりもした」
「イングランドでは遺体を火葬する時に遺体を見ることもない。すぐに覆いをかけて、火の中に入れ、小さなカーテンを閉めて終わりになる」とデーモン・アルバーンは続けている。「ガンジス河のほとりではどの家族も遺体を布で包んで焼いている。あらゆるところで焼かれている。24時間行われて、何千年も続いている。私は父の遺灰を持っていって、河に撒いたんだ。すごく美しかったよ」
デーモン・アルバーンの父親であるキース・アルバーンは昨年8月に亡くなっている。キース・アルバーンはアート&デザインの専門家で、その分野で多くの著書や記事を執筆して、テレビやラジオ番組にも出演していた。
キース・アルバーンは妻のヘイゼルとの間に57歳のデーモン・アルバーン、アーティストである54歳の娘のジェシカをもうけている。妻のヘイゼルはガンとの闘病の末に7月25日に亡くなっている。
プレス・リリースによれば、“The Manifesto”はアルバムの「生と死の循環というテーマ」を体現した曲ということで、メンバーのラッセル・ホブスは「我々は宇宙の塵として永遠に存在している。それはとてつもなく長い時間だ。この曲は光に満ちた音楽的瞑想であり、魂の旅であり、ビートに導かれる道程だ」と語っていた。
ゴリラズはこれまで楽曲ごとにアニメーションによるミュージック・ビデオを製作してきたが、今回は一つの作品を製作しているとも語っている。
「現時点でミュージック・ビデオがないのはそれが理由なんだ。シリアスな作品だしね。ジェイミー・ヒューレットが一つのアニメ作品に集中してくれているのは素晴らしいよね」とデーモン・アルバーンは語っている。
「だから、それ自体が一つのアート作品になるようにしたんだ。プロモーションという側面に頼るのではなく、それ自体で成立させたかったんだ。ファンにはこのレコードの様々な側面を気に入ってもらえると思うよ」
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