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メタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒはオジー・オズボーンが行った最後のライヴについて振り返っている。

オジー・オズボーンは現地時間7月22日に亡くなっている。享年76歳だった。オジー・オズボーンは現地時間7月5日に地元バーミンガムで最後のライヴ「バック・トゥ・ザ・ビギニング」を行っており、キュア・パーキンソン病財団、バーミンガム小児病院、エイコーンズ小児ホスピスに多額の寄付を行っている。ライヴにはメタリカも出演していた。

今回、ラーズ・ウルリッヒは衛星ラジオ局「シリウスXM」のハワード・スターンの番組に出演して、メタル界の先駆者たちに抱いていた「世代を超えた尊敬と愛」に触れ、「彼らが築き上げた時代が、我々の未来を形作り、決定づけることになった」と語っている。

ハワード・スターンに最後のライヴの時にオジー・オズボーンが亡くなる予兆はあったかと訊かれたラーズ・ウルリッヒは次のように答えている。「いや、なかった……一緒にいて、挨拶をして、ハグもしたしね」

ラーズ・ウルリッヒはリハーサルの時にフォトグラファーのロス・ハルフィンがオジー・オズボーンとバンドメンバーの写真を撮っているのを見た時のこと、そして再結成したブラック・サバスだけでなく、ロック界の大御所に囲まれていたことがいかに非現実的だったかについて語っている。

「本当に素晴らしい瞬間だったね。だって、歩いて中に入ったら、『なんてことだ。スティーヴン・タイラーだ。嘘?、チャド・スミスだ。えっ? こっちはサミー・ヘイガーだ。あっ! ヤングブラッドもいる』という感じだったからね」とラーズ・ウルリッヒは語っている。

ラーズ・ウルリッヒはオジー・オズボーンが様々な健康問題を抱えていたにもかかわらず、話をする時は「雄弁で、本当に鋭かった」と語っている。「座って世間話をしていただけだけど、やさしかったし、存在感があって、理路整然としていた。身体はあまりよくなかったのかもしれないけど、彼の心は雄弁で、饒舌だったね」

メタリカはブラック・サバスのサウンドチェックを観ることのできた数少ない人物だったということで、その光景に全員が「狂喜乱舞した」と語っている。

「照明がついて、ライヴが始まり、サイレンが鳴る中で“War Pigs”を演奏し始めたんだ」とラーズ・ウルリッヒは語っている。「これは場違いな発言でも失礼な発言でもないと思うんだけど、まさにファンとして、ミュージシャンたちもブラック・サバスの友人たちも最高の結果を願っている感じがあったと思う。最高の結果になってほしいと思っていた。グランド・スラムになってほしかったんだ。でも、分からなかった。誰もバンドがどんな状態か知らなかったからね」

ラーズ・ウルリッヒは“War Pigs”の演奏を聴いて、誰もがこれまでで一番いいブラック・サバスだと確信していたと語っている。「オジー・オズボーンが歌い始めたんだけど、サウンドは素晴らしかった。音程も歌詞もタイミングも合っていて、みんな『これは素晴らしいことになる。やってくれるだろう』と思ったんだ」

しかし、これがオジー・オズボーンと最後に会う機会だとは思わなかったため、誰も別れを告げることはなかったとラーズ・ウルリッヒは振り返っている。

「間違いなく、あれは彼の音楽の最期であり、ライヴという体験の最期だったわけだけど、誰も会場を出る時にこれが最後に会う機会になるとは思っていなかった」

それから2週間あまりで亡くなったことを受けて、ラーズ・ウルリッヒは「現実とは思えず」、その衝撃は「筆舌に尽くし難い」ものだったと語っている。

「全員、茫然となった。本当に悲しかった。でも同時に、オジー・オズボーンは生きて、コンサートを実現させて、新型コロナウイルスの前から彼の中にあった形で、みんなの前に姿を見せたんだとも思った」

「オジー・オズボーンは実現させて、ライヴをやった……月曜日の朝は肩の荷が下りたんじゃないかな。彼はやりたかったことを実現させて、そして旅立ったんだ」

オジー・オズボーンのプライベートの葬儀はバーミンガムシャーにある自宅敷地内で行われ、エルトン・ジョンやメタリカのメンバーが参列する中で埋葬されている。

葬儀の前には葬列が最後のライヴが行われたヴィラ・パークを出発して、バーミンガムの中心部を巡る形となっており、数千人が参列している。葬列の際にオズボーン家の人々は自動車を降りて、ブラック・サバス・ブリッジとベンチに設置されたファンの追悼碑に立ち寄っている。

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