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ブラック・サバスのギタリストであるトニー・アイオミはオジー・オズボーンの死について自身の思いを取材で語っている。
オジー・オズボーンは現地時間7月22日に亡くなったことが発表されている。享年76歳だった。オジー・オズボーンはブラック・サバスと共に最後のライヴ「バック・トゥ・ザ・ビギニング」を7月5日に行っており、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードが共演するのは2005年以来となっていた。
今回、ITVの取材に応じたトニー・アイオミは友人の死について「メンバーである私たちにとってはショックだった」と語っている。「昨日、聞いた時、理解できなかった。あり得ないと思ったんだ。前日にもショートメールをもらったばかりだった。事実とは思えない、現実とは思えない感じだったんだ。それで夜に『自分は夢でも見ているんだろうか?』と考え始めた。でも、さっきも言った通り、リハーサルの時も体調はよくなさそうだったんだ」
「あの公演をやるために頑張っていたんだと思う」とトニー・アイオミは続けている。「思うのは、昨日の晩もギーザー・バトラーと話していたんだけれど、彼は公演をやるために頑張っていたと思うんだよね。そして、彼はやり遂げて、ファンに別れを告げた。それが最後だったんだよ」
「頭の中で彼には『これが自分のやる最後のことになる』というものがあったんだと思う。亡くなることまで考えていたかどうかは分からない。でも、彼は公演をやりたいと思ったし、やることに決めた。公平に見ても、彼はやり遂げたと思うよ」
オジー・オズボーンは2018年以降、フルでのライヴは行っておらず、2019年の転倒で脊椎損傷が悪化することになり、複数の手術を行ったほか、肺炎と長年の感染症に加え、パーキンソン病も抱えるなど、様々な健康問題に直面してきた。
最後のライヴにはメタリカ、スレイヤー、パンテラ、アリス・イン・チェインズ、ゴジラ、アンスラックス、ガンズ・アンド・ローゼズ、トゥールらが参加しており、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロが音楽監督を務め、ジェイソン・モモアが司会を務めていた。
トニー・アイオミはライヴの楽屋でオジー・オズボーンと話した時のことを次のように振り返っている。「車椅子で会場を出る前に別れの挨拶をしに来てくれたから、少し話をしたんだ。彼は元気で楽しそうだった。『うまくいったよな?』と彼に訊かれたから、『ああ、うまくいったよ』と答えたよ」
「でも、公演の2日前にメールをもらった時は疲れて、元気がないと言っていた。『あんなに問題を抱えているのに、こんなことをするのは大変だ』と思ったよ」とトニー・アイオミは続けている。「リハーサルでもそれが分かったんだ。毎日、リハーサルに来てほしくなかった。あまりにも負担だったからね。耐えられないだろうと思ったんだよ」
「彼は連れてこられて、座ったまま、何曲か歌って、昔のくだらない話なんかをして、笑いながら帰っていった。そういう感じだったんだ」
トニー・アイオミは最後のライヴについて次のように語っている。「彼にとっても、僕らにとっても、さよならを告げる機会だったんだ。ブラック・サバスが別れを告げる、つまりバンドの最後だ。二度とやることはない。それで、あれだけの歳月を経てビル・ワードにドラムを叩いてもらった。20年もビル・ワードとは一緒にやっていなかったのにね。正直、20年も経ったなんて信じられなかったよ」
「オジー・オズボーンは感動もしていたけれど、フラストレーションもあったんじゃないかな。彼は立ち上がりたいと思っていたからね」とトニー・アイオミは続けている。「彼が立ち上がろうとしているのが分かった。でも、それは本当に大事なことだったんだよ。彼が人々と会える、僕らが人々と会える最後の場だったからね。そのために準備してきたんだ。でも、オジー・オズボーンがこんなにも早く亡くなるとは思っていなかった。亡くなることになるとまでは思っていなかったんだ。だから、ショックだったよ」
訃報を受けて、音楽からは多くの追悼の声が寄せられており、アリス・クーパー、エルトン・ジョン、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロング、ジャック・ホワイト、ヤングブラッド、ゴースト、ゴジラらがオジー・オズボーンに追悼の意を表している。
オジー・オズボーンは最後の回想録『ラスト・ライツ』が今年刊行されることも発表されている。
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